Are Core Hire Hare ~アレコレヒレハレ~

自作のweb漫画、長編小説、音楽、随想、米ラジオ番組『Coast to Coast AM』の紹介など

システムだけではヒューマンエラーは防げない

2015-10-23 21:58:32 | コラム

野球ドラフト 真中監督「NPBのマークがあったのでOKかと」「ガッツポーズ返して」高山指名権獲得勘違い、阪神に権利が移動(スポーツ報知の記事より)

昔、テレビでこんな試みが紹介されていました。
住宅地の中にあるのに、主要道路の抜け道になっているために、交通量の多い道があります。
どうにか片側一車線とれるくらいの狭い道で、車同士の事故が絶えなかったそうです。

そこで事故防止のためにとられた対策が面白いものでした。
それは、道路中央に引かれた白線をわざわざ消すというものです。

ドライバーからすれば、ただでさえ狭い道でガイドラインすらなくなってしまい、不自由に感じるはずです。
なので、対向車に対してより注意深く対応せざるを得ません。
そして結果的に、中央線があった時よりずっと事故が減ったのでした。

普通に考えて、危ない道路には標識や指示線でドライバーにできるだけ多く指示を与えたくなります。
しかし、それが返って「これさえ守っておけばいいんだ」という油断を与えます。

そうではなくて、ドライバーの注意力を高め、自律心を鍛える状況を作った方がいいというわけです。

これは、上記事のような今年のドラフトの珍騒動にも言えることです。
巷では、やれハズレは完全な白紙にすべきだ、ハズレと書いておくべきだ、など色々な対応策が出されています。

いくらシステム面でがんじがらめにして間違いをなくそうとしても、上記の通り、逆効果になる可能性があります。
また、それ自体いいアイディアでも、今度は裏方のほうで事務的なミスや不正が誘発されやすそうなものもあります。
本来なら、引いた紙を運営側に預け、そこで発表されるのが理想ですが、ショー的な要素がなくなってしまいます。

ですから、できるだけ考えさせた上でようやく当否が分かる仕組みができれば理想だと思います。
具体的には、直感的にはハズレとしか思えない体裁で、考えてようやく当たりがわかるという風にです。
もっとも、今回の仕組みでなお間違われたら、なかなか対応は難しいですが。

切り取られて報道されたのでしょうが、コメントはやはり一番の被害者である選手への謝罪がはじめに来るべきでした。
悲劇的な雰囲気にならずにすんだのは、ひとえに高山選手の冷静で大人な対応のおかげです。

コメント
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