
「あまりに熱かったから・・」というのは有名なカミュの小説「異邦人」の不条理というテーマだが、この映画の若者達の青春の1ページはあまりに短絡的かつ無謀だ。だいたい青春というものが無謀かつ大胆な行動ができるものだが、銃さえあれば殺人も簡単に突発的事故になりえてしまうのが怖い。だいたい良家の落ちこぼれやその予備軍が、「麻薬には手をだすんじゃない」と漁村の若者に注意、喚起を促したのが殺人の原因だとはあまりにも芸がない。タイ政府が躍起になって麻薬撲滅運動を推進しているが、あまり懸命に売人を虐殺したので米国から人権問題で遺憾というお達しには警察官僚出身のタクシン首相も手を緩めざるをえないようだが、そもそも麻薬問題は貿易絡みで知的所有権の侵害などと一緒にタイへの米国からの圧力だ。あの有名な「ヤー・バー」なんか昔はパッポンの薬屋でいくらでも買えたのなんか、やはり時代のせいだろう。
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高級スポーツカーやバイクを乗り回して海岸リゾートで遊び回るバンコクの金持ち子息のバカさ加減は現実のほうが面白いし本当に不可解だ。国家公安のもとにタイを代表する諜報幹部から政治家に転出したチャレ-ム元国会議員はチャチャイやチャワリット政権時代の公明党のようなヌエの存在だった。その息子が行きつけのクラブで警察官(警備員だったかな)を射殺、マレーシアに逃亡したもののタイに戻って逮捕されたが、僅か一年もしないうちに裁判で無罪放免になったのは記憶に新しい。拘置所から釈放されたのはもっと早い。目撃者もいるし、状況証拠からみて完全な殺人者がのうのうと学業を続けるという名目で社会で自由を獲得しているのは信じられない___これが法治国家タイの現実だ。つまりお金で「白い粉」以外はなんとでもなる社会である。そうしたなかで「真の友情」を探し求める若者の姿を捉えた精神の貧困と乾きを訴えた最初の「青春グラフティ」かもしれない。目の先に朝鮮戦争もベトナムもない屈折した若者の向かう場所はやはり「不条理な死」なのか。若者同士のブッキラぼうのタイ語というのは本当に聞き取りにくいがニワンスは感じる。両親が裕福というのはこの映画のキーポイントでそのご子息が銀行強盗や殺人というのは___早く両親の言いつけに従ってリゾートなんかで遊ばないで米国留学に出発するべきだった__というのは大人の考えでどの国でも若者の魂の枯渇は深刻だ。こういう国に新興宗教なんか砂漠に水のように染みて行くような気がするが、ここには仏教とかイスラム教が低奏通音のように流れているので瞑想センターなどは活況だ。愛と友情との狭間。勃発的殺人に端を発した銀行襲撃と死。この全てに必然性が感じられない。だから不条理なのかもしれないが、不条理な死に向かう精神の重さが感じられないほど感傷的な結末だ。
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高級スポーツカーやバイクを乗り回して海岸リゾートで遊び回るバンコクの金持ち子息のバカさ加減は現実のほうが面白いし本当に不可解だ。国家公安のもとにタイを代表する諜報幹部から政治家に転出したチャレ-ム元国会議員はチャチャイやチャワリット政権時代の公明党のようなヌエの存在だった。その息子が行きつけのクラブで警察官(警備員だったかな)を射殺、マレーシアに逃亡したもののタイに戻って逮捕されたが、僅か一年もしないうちに裁判で無罪放免になったのは記憶に新しい。拘置所から釈放されたのはもっと早い。目撃者もいるし、状況証拠からみて完全な殺人者がのうのうと学業を続けるという名目で社会で自由を獲得しているのは信じられない___これが法治国家タイの現実だ。つまりお金で「白い粉」以外はなんとでもなる社会である。そうしたなかで「真の友情」を探し求める若者の姿を捉えた精神の貧困と乾きを訴えた最初の「青春グラフティ」かもしれない。目の先に朝鮮戦争もベトナムもない屈折した若者の向かう場所はやはり「不条理な死」なのか。若者同士のブッキラぼうのタイ語というのは本当に聞き取りにくいがニワンスは感じる。両親が裕福というのはこの映画のキーポイントでそのご子息が銀行強盗や殺人というのは___早く両親の言いつけに従ってリゾートなんかで遊ばないで米国留学に出発するべきだった__というのは大人の考えでどの国でも若者の魂の枯渇は深刻だ。こういう国に新興宗教なんか砂漠に水のように染みて行くような気がするが、ここには仏教とかイスラム教が低奏通音のように流れているので瞑想センターなどは活況だ。愛と友情との狭間。勃発的殺人に端を発した銀行襲撃と死。この全てに必然性が感じられない。だから不条理なのかもしれないが、不条理な死に向かう精神の重さが感じられないほど感傷的な結末だ。
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