ODAとしての龍馬伝

タイ中銀が久しぶりで外為規制を緩和した動きがどうも気にかかる。
(http://jp.wsj.com/Finance-Markets/Foreign-Currency-Markets/node_28457)今日の読売でも日本の米国債保有、１年４か月ぶり首位ということで、中国はババをつかんで紙くずにするよりその資金でドル抜きの新しい戦略的通貨システムを構築に動くのは当然という乱暴な話ではないにしても、タイのどうしようもない現内閣の閣僚より官僚のほうが優秀ということならば華僑系のバンコクで何かあるのではと疑って当然。今週号のNews Weekもギリシャに端を発したユーロ危機という素敵な見出し。アジアはチェンマイ・イニシャチブとかあって非常時に各国で通貨を融通しあうということだが、子供の頃のように持ちつ持たれつつ支えながら砂場で緩やかな崩壊ということもと思ってしまう。

こうした通貨危機に直面し、辣腕首相不在のタイとか日本は余計に国民への負担が重くのしかかりイチ早く危機を脱し攻撃に転じた韓国が羨ましい。小沢幹事長とかプレム氏の傀儡政権だと思い切った政策の決断もできるわけがない。優柔不断でお茶を濁していれば元首相という肩書だけしか興味のないボンボン首相は適任だが、ヘソのない政策はウンザリするほど退屈。まだ日本なんか仕分けとかいって予算の透明化とか小沢の現金だって四億円程度だから法治国家の範囲だが、タイの警察官僚がロールスロイスを連ねて専用のクラブハウスに昼間から出入する必要があるのかどうかとか、その金の原資を尋ねる勇気も気力もなく酷くなる一方の汚職国家にキチンと税金を払うなんて馬鹿らしいと嘆く人が増えている。

昨日のバン銀へのUDDの抗議デモの映像を見る限りでは迫力もなし、今回のタイ中銀の動きも対ドルでのバーツ高を是正する微調整か。タクシンの再臨にしても一進一退の国王の健康状態を考慮しているだろうし、将来の夢も希望も持たないタクシーの運転手ばかりタクシンの威を借り虚勢を上げる。つまり2100億円といわれる没収財産も彼らのもので、元はといえばタクシンが国民の代表として相応しい税金（シンコーポレーションの売却益に対する）の納め方をしていればこれだけの民意の分断もなかっただろうし責任は重い。また敵対する元英雄のプレム氏の側近達だって幕末政府の役割だっていうことくらい理解している優秀な人材ばかりだから、今は動いた方が負けで時間が止まっている状態で外交もしかり。

ただ、日本ができることが一つある。早急にNHKの「龍馬伝」を素晴らしきタイ語に吹き替えて無償で提供し、景気後退に苦しむタイ国民に勇気と希望を与えることだ。巨額のODAに負けない魂と精神の輸出であり、「おしん」に匹敵する影響を及ぼすだろう。今すぐに。