1001タイ映画、千夜一画 

タイ映画またはショートフィルム他で心の琴線に触れたアーカイブ。

Tom Yum Pee

2005-12-05 03:28:27 | タイ映画
冒頭のドンムアン空港やヴイパワディ・ランジット道路の車の流れの映像はイメージ映像だろうか、色々な作品で使われたようなフィルムの粒子の荒さに80年代が蘇る。あの頃はどこにいっても直射日差しのあたる場所以外は暗かった。ホテルのロビー、映画館、空港ビル、百貨店などはまるで太陽核のシェルターのように熱気と日差しを遮っていたし、映画のスクリーンだって中古のモニタのように薄暗かった。バンコク銀行のどの支店ビルのデザインの幾何学模様がどうして同じなのか解らなかったしそれを問う言葉も持たなかった。どうして華僑達が墓に顔写真入りの碑を刻むのかよく理解できなかったし、未だにタイ・ローカルの墓はどこにあるのかナゾ。

そして、あの頃の映画を観るときにナゾは甦る。この映画も内容がよく理解できないのだ。タイ映画を代表する俳優に育ったMUMが出演しているので買ってみたのだが、香港カンフー風ホラ-でもあるような、ないような、どこに起承転結があるのかサッパリ理解できない。昼間の熱気を断熱するようなBGMはどこでこしらえたのか、ECHO満開のギターのSOLO。思い出してみれば当時の映画やポルノビデオのBGMに多用されていた。映画館に入ると取りあえず冷気があってビニール袋入りのコーラ。溶けた氷とコーラが混ざり合い水の部分だけをストローで吸う頃にはいつもこのBGMにエコーを利かせた幽霊達の台詞が調和する。夕闇に渾然と浮かび上がるコウモリの大群。コウモリの霊と人間の戦いなのか、どうして祖先がでてくるのか、どうしてウルトラマンのような光線ビームが発射できるのか全てわからないままに忽然と終了。

あ、そうか。ビエンナーレに行って気がついた。こういう映画は"映画の映画"、"BGMのBGM”のような環境芸術として捉えないといけないのかもしれない。マスターベーションのオカズのオカズのような深淵な光と影のような智慧がエンタメ鑑賞にも必要ということに気がつかなかった。本当はこういう映画が好きで、パタヤの三流ホテルとか、タウンハウスの無教養な居間とか能天気な道路、出所不明のBGMなど非系統的な80年代バンコク・ロマネスクのエバンジェリストとしての使命を痛感する。さて、どうやって人々に伝えてくかが問題だ。


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3 Comments

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Unknown (海外旅行便利持ち物)
2009-08-18 16:08:31
暑い暑いと思いながらも
今年は冷夏で食物の心配があるそうですね。

不況なのに、食べ物の物価が上がってしまうのは大変です。
なんとかなって欲しいです。
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ここってもしかして (懸念します)
2009-08-18 20:31:23
urlに宣伝をいれるのがキマリなんですか?
同じブロガーとして時々拝見させていただいてますが、
最近、のぞくと映画の内容と関係ないことばかり書かれていて
荒れている気がして、、、
管理人さん、これでいいのですか?


冷夏かどうかは分かりませんが、
野菜は高いですね。
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公共の場 (ロム専門)
2009-08-18 21:31:18
ネットとはいえ、公共の場所。
ここのブログを時々拝見している者です。
標題に関係あるネタ、もしくは、映画の話題なら楽しいですが
明らかに私信のような関係ないコメントが目立つのが不愉快ですね。
複数?の同一人物がいるようですが、
今までもこういうことで閉鎖されたブログをみているので
他の人のことも考えての発言をお願いします。

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