
タイ映画の原点ともいえる「怪盗ブラックタイガー」の監督の久々の作品。このフィルムの独特のピクセルを落とした色彩感覚とストーリはイタリア映画(題名は忘れた)からのものだろう。イサーン(タイ東北部という意味で一般的には貧しさの代名詞のイメージ)の農村から上京した純朴な若者(Pod)が風変わりな娘との出会いによる現代のおとぎ話___。でも彼の演技が本当に素晴らしい。イサーン出身の素朴でPodのように底抜けに優しい目をした青年達はバンコクのどこにもいるし、どこにもいない。工場、ガードマン、タクシー運転手、工事現場とどこにもいるが、高層ビルのオフィス内では見かけないあの独特の目つきの若者が優しい恋をする。
「彼女(Jin)の事はよくわからないが、ハッキリしているのは彼女には夢があって、僕にはないとということ・・」。つまり夢を持つ事ができないほど情報が不足している目つき。でも本当に彼らは心が優しいんだよね。ここに来て、ああいう表情にどんなに助けられたか。ITとか株価を追いかけている目ではないことは確かだが、それが悪いのか__。他人の心の痛みを自分のことのように理解してくれる共有の表情が目つきそのもだ。jinも無抵抗に一途に一つの事にのめり込んでしまうタイプでこいう話はお伽話でもなんでもなく現実に遭遇しそうな気がするのがタイ.(ドット)ドリームなのかな。
例えば、この間テレビで「ミス_クアムサアード(掃除)」なるものをやっていた。タイではミス好きだが、まさかお手伝いさんとか掃除婦さんにスポットライトが当たるとは思わなかったが、この映画の宣伝番組のような気がして来た。参加者は本当に美人揃いで会社名と自分の地位を本当のミス_コンテストのように得意気に発言していく。「○○会社で掃除を担当しています」。こういう下働きの娘達だが、誰かのオルグにすぐに乗ってしまいそうな単純さと、危なかしさが交差して、しかも根アカで純粋そうにみえるのは映画と同じだ。Jinは本好きで、しかも子供頃に飛行機から落ちて来た英語の本の内容を知ろうというのが上京の理由だ。誰に聞いても解らないし、外人に聞いても首を傾げるだけで苦労に苦労を重ね知ったその内容とは____。青春のひたむきな疑問解明のための努力が「Gayやホモセクシャルの解放」に関する内容だと知った彼女はあまりのショックで心を閉じてしまう。そして___。
ああ~~こういう完成してる巨匠作品の重箱の隅をつつくような事は書けないが、なんか真似なんだよね。タイ映画フリークでもなんでもない人間にとってオリジナリティしか興味がない。タイ正月の熱波を避けるように冷房の部屋でボケッと鑑賞するには最適な映画だが、「マルコビッチの穴」のようなレベルにはまだ、まだ遠いというのが実感だ。イサーンの人間とつき合っていて黒沢監督は偉大だなと思ったのが「七人の侍」での『農民は叩けばなんでも出てくる』という台詞。イサーンもそうだよね。黙っていると何も出てこないけど、要求すると何でも出てくるのは不思議だ。もしかしたら人工衛星なんか出せというと「ナイハーン(旦那)のお言い付けなら・・」と日本に留学した気象衛星の専門家くらい紹介してくれるかもしれない懐の深さと心の人脈を持っているので、イサーン出身の方々とは仲良くしておいた方がいい。原題は「マー_ナコン」で直訳では「都市の犬」なのだが、たぶん「マハナコン(大きな都市つまり首都)」の韻を含んだ意味だろう。
「彼女(Jin)の事はよくわからないが、ハッキリしているのは彼女には夢があって、僕にはないとということ・・」。つまり夢を持つ事ができないほど情報が不足している目つき。でも本当に彼らは心が優しいんだよね。ここに来て、ああいう表情にどんなに助けられたか。ITとか株価を追いかけている目ではないことは確かだが、それが悪いのか__。他人の心の痛みを自分のことのように理解してくれる共有の表情が目つきそのもだ。jinも無抵抗に一途に一つの事にのめり込んでしまうタイプでこいう話はお伽話でもなんでもなく現実に遭遇しそうな気がするのがタイ.(ドット)ドリームなのかな。
例えば、この間テレビで「ミス_クアムサアード(掃除)」なるものをやっていた。タイではミス好きだが、まさかお手伝いさんとか掃除婦さんにスポットライトが当たるとは思わなかったが、この映画の宣伝番組のような気がして来た。参加者は本当に美人揃いで会社名と自分の地位を本当のミス_コンテストのように得意気に発言していく。「○○会社で掃除を担当しています」。こういう下働きの娘達だが、誰かのオルグにすぐに乗ってしまいそうな単純さと、危なかしさが交差して、しかも根アカで純粋そうにみえるのは映画と同じだ。Jinは本好きで、しかも子供頃に飛行機から落ちて来た英語の本の内容を知ろうというのが上京の理由だ。誰に聞いても解らないし、外人に聞いても首を傾げるだけで苦労に苦労を重ね知ったその内容とは____。青春のひたむきな疑問解明のための努力が「Gayやホモセクシャルの解放」に関する内容だと知った彼女はあまりのショックで心を閉じてしまう。そして___。
ああ~~こういう完成してる巨匠作品の重箱の隅をつつくような事は書けないが、なんか真似なんだよね。タイ映画フリークでもなんでもない人間にとってオリジナリティしか興味がない。タイ正月の熱波を避けるように冷房の部屋でボケッと鑑賞するには最適な映画だが、「マルコビッチの穴」のようなレベルにはまだ、まだ遠いというのが実感だ。イサーンの人間とつき合っていて黒沢監督は偉大だなと思ったのが「七人の侍」での『農民は叩けばなんでも出てくる』という台詞。イサーンもそうだよね。黙っていると何も出てこないけど、要求すると何でも出てくるのは不思議だ。もしかしたら人工衛星なんか出せというと「ナイハーン(旦那)のお言い付けなら・・」と日本に留学した気象衛星の専門家くらい紹介してくれるかもしれない懐の深さと心の人脈を持っているので、イサーン出身の方々とは仲良くしておいた方がいい。原題は「マー_ナコン」で直訳では「都市の犬」なのだが、たぶん「マハナコン(大きな都市つまり首都)」の韻を含んだ意味だろう。