実力、外見の美しさのバランスのとれてきた花形が集結した今月の歌舞伎座。
昼の部は、少々あっさりしていて拍子抜けしたのだが、夜の部の「東海道四谷怪談」はこってり楽しんできた。
この日の着物は竺仙の水玉柄の絹紅梅。着物を着始めた頃に、雑誌か何かで見かけて、「着物でも水玉柄ってあるのね。モダンだな~」と印象に残っていたもの。昨年、銀座の「青木」さんでリサイクル着物として売りに出されたのを見かけ、うっかり購入…。そのまま今年まで持ち越していたものだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/84/938bd92f8f0f1c952b0e9f3ef1762a84.jpg)
帯は、傘の柄の絹紅梅。こちらもネットのリサイクルショップで購入。
四谷怪談では、「伊右衛門浪宅」の場面で、武士なのに勤め先がなく浪人している伊右衛門が、内職で傘張りをしている場面がある。
そこにちなんだ。(少々、強引…)
傘の柄っていうのは、歌舞伎観劇には応用がきく。
「四谷怪談」のほかにも「助六」や「髪結新三」「雨の五郎」などと、傘が印象的な小道具として登場する演目が多いのだ。
そう思って、この帯は即決。こういうことが多いから、なかなかお財布が充実しないんだよねえ…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/e4/f67232d21681b6d1e79fbc35f81c340c.jpg)
また、30年ぶりに歌舞伎座で上演されるという「蛍狩りの場」にもちなみ、ホタルの柄の扇子も持ってきた。
写真ではちょっとわかりにくいけど…お尻が光っていなければ、コオロギかと思うような顔をしたホタルなんである。
さて、舞台はというと、やはり菊之助丈初役のお岩さんが印象的だったなあ。
キリッとしていて武家の奥様の風情たっぷり。
薬を飲むところなどは、丁寧に丁寧に演じていて、「貴重な薬だから」と大事に飲んでいる様子が伝わる。そのひとつひとつが、丁寧な挙手が、品の良さも醸し出している。それが後で毒薬とわかるから、いっそう憐れ…。
今回、初めて気づいたのだが、浪宅の場のお岩さんは、これでもかというくらい、肋骨を強調するしつらえで、伊右衛門との生活で、病み衰えた様子をいつもより印象付けていたように思う(前からあんなに肋骨を強調してましたっけ?)怖いというより、お岩さんの憐れさが印象に残った四谷怪談だった。
義父を殺してまで取り戻した妻、お岩さんを、急に邪見にしたり、だからといって隣の金持ち娘に靡くのは躊躇ったり、伊右衛門の無軌道っぷりは、前から疑問だった。こんなやつ、いるのか?と。
でも今回の舞台を見て、この人、もしかしたら性依存性だったのかも?と思った。だから、子供ができた途端、妻への興味が急激に薄れてしまうし、自分の子供も可愛くないばかりか、邪魔でしょうがない。依存性の場合、他のものへの依存性も併発しやすいというし…そういう意味では、刺激を求めて犯罪依存にもなってたのかも。
私は心理学を専門としているわけではないので、どなたかにこの解釈を説明してほしいなあ…
■通し狂言 東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
序 幕 浅草観音額堂の場
宅悦地獄宿の場
浅草暗道地蔵の場
浅草観音裏田圃の場
二幕目 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場
伊藤喜兵衛内の場
元の伊右衛門浪宅の場
三幕目 本所砂村隠亡堀の場
大 詰 滝野川蛍狩の場
本所蛇山庵室の場
お岩/佐藤与茂七/小仏小平 菊之助
直助権兵衛 松 緑
奥田庄三郎 亀三郎
お袖 梅 枝
お梅 右 近
四谷左門 錦 吾
按摩宅悦 市 蔵
後家お弓 萬次郎
伊藤喜兵衛 團 蔵
民谷伊右衛門 染五郎
昼の部は、少々あっさりしていて拍子抜けしたのだが、夜の部の「東海道四谷怪談」はこってり楽しんできた。
この日の着物は竺仙の水玉柄の絹紅梅。着物を着始めた頃に、雑誌か何かで見かけて、「着物でも水玉柄ってあるのね。モダンだな~」と印象に残っていたもの。昨年、銀座の「青木」さんでリサイクル着物として売りに出されたのを見かけ、うっかり購入…。そのまま今年まで持ち越していたものだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/84/938bd92f8f0f1c952b0e9f3ef1762a84.jpg)
帯は、傘の柄の絹紅梅。こちらもネットのリサイクルショップで購入。
四谷怪談では、「伊右衛門浪宅」の場面で、武士なのに勤め先がなく浪人している伊右衛門が、内職で傘張りをしている場面がある。
そこにちなんだ。(少々、強引…)
傘の柄っていうのは、歌舞伎観劇には応用がきく。
「四谷怪談」のほかにも「助六」や「髪結新三」「雨の五郎」などと、傘が印象的な小道具として登場する演目が多いのだ。
そう思って、この帯は即決。こういうことが多いから、なかなかお財布が充実しないんだよねえ…
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/e4/f67232d21681b6d1e79fbc35f81c340c.jpg)
また、30年ぶりに歌舞伎座で上演されるという「蛍狩りの場」にもちなみ、ホタルの柄の扇子も持ってきた。
写真ではちょっとわかりにくいけど…お尻が光っていなければ、コオロギかと思うような顔をしたホタルなんである。
さて、舞台はというと、やはり菊之助丈初役のお岩さんが印象的だったなあ。
キリッとしていて武家の奥様の風情たっぷり。
薬を飲むところなどは、丁寧に丁寧に演じていて、「貴重な薬だから」と大事に飲んでいる様子が伝わる。そのひとつひとつが、丁寧な挙手が、品の良さも醸し出している。それが後で毒薬とわかるから、いっそう憐れ…。
今回、初めて気づいたのだが、浪宅の場のお岩さんは、これでもかというくらい、肋骨を強調するしつらえで、伊右衛門との生活で、病み衰えた様子をいつもより印象付けていたように思う(前からあんなに肋骨を強調してましたっけ?)怖いというより、お岩さんの憐れさが印象に残った四谷怪談だった。
義父を殺してまで取り戻した妻、お岩さんを、急に邪見にしたり、だからといって隣の金持ち娘に靡くのは躊躇ったり、伊右衛門の無軌道っぷりは、前から疑問だった。こんなやつ、いるのか?と。
でも今回の舞台を見て、この人、もしかしたら性依存性だったのかも?と思った。だから、子供ができた途端、妻への興味が急激に薄れてしまうし、自分の子供も可愛くないばかりか、邪魔でしょうがない。依存性の場合、他のものへの依存性も併発しやすいというし…そういう意味では、刺激を求めて犯罪依存にもなってたのかも。
私は心理学を専門としているわけではないので、どなたかにこの解釈を説明してほしいなあ…
■通し狂言 東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)
序 幕 浅草観音額堂の場
宅悦地獄宿の場
浅草暗道地蔵の場
浅草観音裏田圃の場
二幕目 雑司ヶ谷四谷町伊右衛門浪宅の場
伊藤喜兵衛内の場
元の伊右衛門浪宅の場
三幕目 本所砂村隠亡堀の場
大 詰 滝野川蛍狩の場
本所蛇山庵室の場
お岩/佐藤与茂七/小仏小平 菊之助
直助権兵衛 松 緑
奥田庄三郎 亀三郎
お袖 梅 枝
お梅 右 近
四谷左門 錦 吾
按摩宅悦 市 蔵
後家お弓 萬次郎
伊藤喜兵衛 團 蔵
民谷伊右衛門 染五郎
お岩さんはこってりだったのですね。私は夜の部は見られなかったので…ちょっと後悔です。
菊之助丈のお岩さんは、おそらく今後も見られる機会があるかと思います。その時はぜひご覧くださいませー。勘九郎丈もよかったので、若手花形の成長が楽しみでもあります。
紺がお似合いになるのが、何より羨ましいです。
私は肌が黄味がつよいのか、紺が駄目なのですよ。
次はぜひ、飲み会までご一緒できたらと思います。
夏の着物は、着る期間が短いので、気合い入れて機会を逃さないようにしないと、着ずに終わりかねない…と、頑張りました(^ ^)。
私は、先日のカラー診断によると、黄味のあるのはダメらしいです。自分の思い込みとは違った結果に…。
(でも、ののさん、紺系も似合いそうな気がするんですが~)