2022/6/16(木) 晴/曇
今日の最高気温予報は29°雨の季節となりポタリングの間隔も遠くなりがちだが、目的地を玉名方面として午前10過ぎから出かける。
最初の目的地は、前回アクシデントで探訪を断念した伊倉南方の「肥後四位官郭公墓」とする。熊鹿ロードを北へ走り、県道31、国道208、稲佐から県道170を伊倉に向かう。
中分線の道路を突き当たる手前から左折し、更に路地を左折すると右側に「肥後四位官郭公墓」の標石柱(写真1参照)がある。
以前も探訪に来たのだが分からず、今日も直ぐには分からず「伊倉鍛冶跡」の方向へ一回りして菅原神社の方向から出てきたところ、正面に標石柱が見えて所在がやっと分かった。
墓石(写真2参照)上部に、「皇」「明」の文字が見える。これ何?と思ったが、説明板に・・・
説明板(写真3参照)には、「四位官さんの墓、唐人墓などの愛称で親しまれている。
中国風の特異性をもつ日本居留中国人朱印船主の墓である。墓標に「皇明、考濱沂郭公墓、元和己未年仲秋吉旦、海澄縣三都男国珍栄立」とあり、皇明は皇帝の国・民国という意味、考は父、濱沂は郭公の号である。元和己未年は元和五年(1619)にあたり、郭公の子、珍栄が建てたものである。
伊倉丹倍津(今の船津)は海外貿易の拠点とされ、郭公は福建省厦門近くの人で東洋貿易に乗り出しその事業に活躍したが、不幸にして伊倉の地に客死した。この墓は本堂山の謝公墓とともに伊倉津の近世初期に果たした国際的役割を明示するとともに、同期においての日本在留中国人の活躍ぶりを示す極めて貴重な文化遺産である。
また、今伊倉北八幡宮所蔵の郭公が献納した麒麟の香爐一対や、郭公墓出土の青磁(覚真寺所蔵)とともに玉名市指定文化財である。」とある。
西方向に進むと、坂(写真4・5参照)になっている。説明板には、「御幣振坂、天平十五年(743年)の正月、丹倍津の港から、「腹赤の魚」を朝廷へ献上するため神官が御幣を振りながら登り下りした坂である。
住民は屁をふりふり、のんぼりくんだりと笑いながら、坂の辛さを楽しみ、御幣振坂をへふりざかと呼ぶようになった。
伊倉の港に日本で最初に大砲が上陸し、この坂を登ったのが天正四年(1576)。ポルトガルから大友宗麟に送られたときのことである。ここから修羅で引いて豊後まで運んだらしい。
宗麟は他国を破壊する威力に喜び「国崩し」と名付けた。現在は靖国神社に保存してあるが、複製は玉名市歴史博物館に展示してある。伊倉まちづくり委員会」とある。
伊倉の町を後にして、高瀬船着場跡(写真6参照)に移動する。
目的は高瀬御蔵跡だが、現地説明板(写真7参照)の左側に図説してあるとおり、御蔵は船着場に隣接して存在していたが現在は私有地になっているようである。
6月17日追記:高瀬米御蔵跡・高瀬船着場跡・晒船着場跡を国の文化審議会が国指定史跡に答申したというニュースが報じられていた。
高瀬裏川緑地公園に移動して、小崎橋(石橋)(写真8・9参照)を観る。
説明板には、「生活の知恵、この橋には、片方だけに一本の彫り込みがあります。荷馬車やリヤカーの片方の輪をその溝に入れ川に落ちないような工夫があります。
片方だけ溝を彫る事により幅の広い車にも対応出来るようになっております。高瀬裏川筋を愛する会」とある。なるほど、私も自転車の車輪のこの溝に入れ橋を渡る。
その橋の袂から上流側の花しょうぶ(写真10参照)を観る。先日来たときよりもだいぶ花が少なくなったが、それでも十分綺麗な花が観られる。
その後、慶専寺宝塔群を観に行ったがよくわからず早々に退散する。現在時刻14時帰途に就く。
16時過ぎに帰宅した。今日も無事だったことを天に感謝する。
熊本(自宅)28km→高瀬船着場30km →熊本(自宅)
所要時間6時間(実5時間) 総計58km 走行累計49,175km
自転車で探訪した史跡・文化財等の記録です。一部山行の記録もあります。
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