Vばら 

ある少女漫画を元に、エッセーと創作を書きました。原作者様および出版社とは一切関係はありません。

4月22日…マリー・ヴァレリーの誕生日

2016-04-22 22:06:26 | つぶやき

 1868年4月22日、ハンガリーのブダペスト。ハプスブルク家屈指の美貌の皇妃エリザベートに、第4子マリー・ヴァレリーが生まれた。

 皇妃エリザベートは4人の子どもを授かったが、第1子で長女のゾフィはわずか2歳でこの世を去った。第2子のギーゼラ、第3子のルドルフはいずれも生まれるとすぐに母親と引き離され、姑のゾフィ皇太后が育てた。やがてエリザベートは子どもを姑から取り戻したが、幼少期に離れていた期間があったためか、この二人の子どもに対しては成人後も、真に母親らしい愛情を注ぐことが難しかったらしい。

 そんなこともあってか、第4子のマリー・ヴァレリーだけは、自分の手元において育てることを強く主張し、周囲に認めさせた。エリザベートはマリー・ヴァレリーに深い愛情を注いだ。多くの写真が残っているのは、その表れだろうか?幼いマリー・ヴァレリー。既にしっかり母親の面影を受け継いでいる。特に目元が母によく似ている。

 まだショートヘアの頃。牛の置物?が可愛い。

 少女時代。着せ替え人形のようにさまざまなドレスに身を包み、愛らしさの中にも賢さや聡明さを感じさせる姿は、エリザベートの自慢だったろう。1枚1枚の写真に、エリザベートの愛を感じる。

 1890年、マリー・ヴァレリーはハプスブルク家の一族である、オーストリア・トスカーナ大公フランツ・サルヴァトールと結婚。二人の間に、10人の子どもが生まれる。

 夫婦は困った人や貧しい村人に援助したり、病院や救貧院を開設したので地元の住民から慕われた。

 母エリザベートの死後、遺産の5分の2と、ウィーンにあったヘルメス・ヴィラを相続したが、1918年のオーストリア革命後、ハプスブルク家に関する法律に従い、遺産の継承権を真っ先に放棄した。1924年に癌のため、56歳で死去した。

 母親とは対照的な人生を送ったマリー・ヴァレリー。あてのない漂泊の旅を続ける母の姿は、娘にどう映ったか?兄や姉と違い、幼いころにしっかりと母の愛情を受けて育ったことが、情緒の安定した性格を形成したかもしれない。

 マリー・ヴァレリーが付けたティアラ。ダイアモンドと真珠でできている。ハプスブルク帝国崩壊後、このティアラはどんな運命をたどったのか?いつの時代もハプスブルクの女性たちは、たくましく生きていく人が多い気がする。

 読んでくださり、ありがとうございます。



2 コメント

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はじめまして。 (鍋鶴)
2016-06-12 07:53:49
海老蔵さんの会見で、しばしば結婚式の映像が流れているので、ティアラの事を思い出しました。話題になってましたから。何で、身に付けられたの?って疑問が湧きましたけど、2005年にオークションでアルビオン・アート社が落札、所有していたんですね。代々、家宝として秘蔵するものと思ってましたから。豪華なデザインに、エリザベートの愛情とハプスブルグ家の財力と威信が感じられます。愛娘に贈ったティアラが海を渡って、日本人の花嫁を飾るとは想像つかなかったでしょうね。完成したティアラの古写真を見ました。真珠が大きくて、見事な一品。失なわれた真珠もあったのが残念です。
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鍋鶴さま (りら)
2016-06-12 17:15:57
 初めまして。コメントをありがとうございます。

>2005年にオークションでアルビオン・アート社が落札、所有していたんですね。

 日本的な感覚からしますと、王家の財宝がオークションに出され、民間に渡るのは信じがたいです。数年前もマリー・アントワネットが履いていた靴が、ヨーロッパのオークションに出品され落札されました。かつての王族の方たちも、古城などの遺産を維持していくのが大変で、やむを得ずこのように先祖の財宝を売りに出しているのでしょうか?

 でもこのティアラ、ずっと暗い場所にしまいこまれずに、このような晴れやかな場面で多くの人の目に触れ幸せですね。いつかまた幸せな花嫁の髪を飾ってほしいです。合わせて麻央さんが一日も早く元気になって、明るい笑顔で私たちの前に現れてくれることを願っています。

>愛娘に贈ったティアラが海を渡って、日本人の花嫁を飾るとは想像つかなかったでしょうね。失なわれた真珠もあったのが残念です。

 エリザベートがこのことを知ったら、さぞ驚くでしょう。王家の財宝はきっともっとたくさんあったでしょうが、王族たちが親族や家臣に分けたり、あるいはさまざまな過程で紛失したり、いろんな運命をたどったと思います。原形を留めているものは貴重ですね。

 このようなブログですが、これからもお付き合いいただけたら、本当に嬉しいです。どうかよろしくお願いいたします。
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