さて、ヌーベル・フランス庭園の散策が終わったら再びラレーヌ広場に出ます、そしてすぐ先のウインストン・チャーチル通りに左折しましょう、両側に建物が見えてきます、右側の建物がグラン・パレそして右側がプチパレです。
この二つの建物は、1900年のパリ万国博の時に作られましたそれ以降現在まで、両方の建物とも文化の発信地として重要な役割を担っています。
グラン・パレの方はファッションショーやさまざまな展示会などに多く使われています、中には美術館もあります。
プチパレは美術館が主要な役割で(パリ市立プチパレ美術館)、常設展と、特別絵画のスペースに分かれています。常設展は無料ですがこれがまた素晴らしい収蔵品をたくさん持っています。
さらに、この建物が作られた時期はアールヌーボーの最盛期にあたっているんですね、この建物を設計したのはシャルル・ジロー(1851-1932)です、彼は同時にグランパレの総合監督も兼任していました。
ファサードを見てみましょう、両翼を占めるコリント式の支柱と丸みを帯びたカーブが多用されるキューポラ―のあるエントランス部分、アールヌーボー様式の曲線との調和が見事です。
プチパレは内部がとても素敵なんですね、階段を上がりエントランスから入ると両翼に分かれています(北ギャラリーと南ギャラリー)、建物は中央に半円形の庭園があり全体は台形です。建物は2層になっています、地下と1階部分でその形状は同じです。
1階の北ギャラリーと南ギャラリーどちらから回ってもぐるりと一回りできます。そのギャラリーにたくさんの絵画や、彫刻が展示されています。
そして、この建物の中央の半円形の庭がまた素敵なんですね、エントランスから直接出られる部分は一面にモザイクが敷き詰められて道になっています、このモザイクのデザインが秀逸なんです。モザイク好きなあなた、見逃さないでください。
カフェもあり、このモザイクの小路にイスとテーブルがセットされているので、ここでランチを食べたりお茶したりするのにうってつけの場所になっています。
豊かな時間が過ごせること請け合いです。
また、奥にある1階から地下に降りる螺旋階段、ぜひ見てくださいね。階段のフォルムといい、鉄製の手すりの曲線が多用されているデザインといい、さすがにこの時代のアール・ヌーボーの粋の結集された素晴らしい作品といえるでしょう。
私は地下の椅子に座ってこの光景を眺めているのが好きです。