アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

F10、F50制作記その16

2016-06-27 15:18:11 | 絵画制作記、スケッチ記、版画制作記
 今日はF50号の制作。「F10、F50号制作記その14」(2016-06-09)で書いた通りなのだが、やはり画面全体が厚み不足かつ明るぎる。

 確かこのF50号はF10号とは敢えて違う描き方をしたはず。F10号が最新技法で、F50号は従来の技法で描いた。F10号は途中で失敗したかなとかこの制作記で書いたと思うが、結局は大成功した。だからもう今後はこの最新の描き方で決まりなのだが、ではこのF50号はどうするのかという問題が残る。

 そもそもF50号を従来の技法で描いたのは、F10号と同じ技法ではつまらないというのもあったし、もしF10号の最新技法が駄目だった場合、同じ描き方をしていたら、このF50号も失敗してしまうので、それを避けるためでもあった。しかしこうしてF10号が成功した今となっては、もちろんこれは結果論だが、F50号を従来の技法で描いたことが恨めしい。従来の技法の悪いところが画面に出てしまっている。それが冒頭で触れた厚み不足である。

 つまり従来の描き方では、厚み不足のまま先に色彩が完成してしまうので、それ以上手を出しにくくなってしまう。上から厚塗りすれば厚みは出るが、せっかく出来上がっている色彩が潰れてしまう。こうした問題を今描いているこのF50号は抱えているわけだ。繰り返しになるが、今後はF10号で成功した最新技法で描けばいいから何も問題ないが、従来の技法で描かれたこのF50号を何とかしないといけない。大事な本展出品作だし、できるだけいい作品にしたい。

 問題は時間。仮にあと半年あるなら何の問題もないが、実際には2ヶ月しかない。でどうするかというと、すでに出来上がっている色彩をできるだけ壊さずに厚みをつけていくという大変面倒臭い、手間で難しい作業を繰り返していかないといけない。しかも時間がない中で、である。また画面が明るすぎることも問題で、今日制作中に困って巨匠の画集を見てみたら、そこに解決策があった。早速採用することにした。これは実は大発見で、この絵のみならず、今後もずっと使える方法だ。重要いや重大な発見だった。ただ暗くするだけなら何の苦労もないが、画面のどこをどう暗くすれば、自分の望む効果が得られるのか、それがわかった次第。

 以上のようなこととは別に、とにかくこの絵に関しては背景が気に入らない。今日の制作の大半の時間を背景に費やす。しかしそれもどうやら何とかなりそう。先ほどの画集にその答えがあった。ようやくこれで本当にこの絵の制作に関しては全て問題は解決した。具体的な解決策を見い出せた。

 今日は背景を描き、画面全体を暗くし、画面の一部に厚みをつけただけ。とにもかくにも大して制作が進んでいないように見えるのがもどかしい。着実に進んでいるとも言い難い。迷走気味に制作を進めてきて、ここへきてようやく本当にこの絵が良くなる方法を見つけたわけで、今日で仕切り直しというのが正直なところ。だからもう今日は一応やれるだけやりましたが、はっきり言って次回ための準備、つまり次回に暴れる、思いっきり描くための地味な仕掛けを施しただけです。

 やはり制作開始から、完成画面の色彩、いや、ありていに言えば彩度と明暗、を頭の中でしっかり決めておかないと駄目ですね。反省してます。いやはっきり言って猛省です。ちょっと考え方が甘かった。

 さあ、これでこのF50号の制作に迷いは一切なくなりました。つまり完成画面の色彩を頭の中で思い描けている。これへ向けて筆を進めるだけです。この絵に関しては次回が大勝負。背景を描き上げ、画面中央の事物の陰影をしっかりつけられれば、このF50号は、ほぼ成功です。本当はここでしっかり指触乾燥させたいのですが、そんな時間的余裕はないので、次回は少々生乾きでも制作します。

 付)このF50号は完成まであと数回の制作工程が必要だと考えています。7月末までに何とか仕上がりに近い状態にし、8月いっぱい微調整を続けたいところです。それと当初の予定にあった、画面に荒々しさを出すといことは、どうやら実現できそうです。今日部分的に試して一応成功しましたので。

 蛇足)次回は今週の土曜を予定しています。それより早くは制作しません。急ぎたいが乾かしもしたい。でもちょっと土曜じゃ無理かな。やっぱり来週の今日、月曜になってしまうかも。


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