
*「風景画追試その3」(2016-06-20) の続き。
午前中はF10号の修正で時間が潰れてしまったため、午後からP8号2枚の制作開始となりました。ようやく始まったこの「風景画追試」ですが、この2枚を含めて計6枚を秋の終わり頃までに描き終えるのはちょっと無理かもしれません。そこで無理に急がないことにしました。「第4技法テスト(油絵最終テスト)」同様、こちらはまだ未着手ですが、腰を据えて取り組むことにします。
さて今日はようやく出来上がった下地、すなわち塗り潰した再利用カンバスに、おつゆ描きでデッサンしました(写真参照)。黒と茶の絵具を混色し、テレピンで薄く溶き、細い筆で下描きした次第。
えっ、こんな程度でいいの?とお思いの方もいるかと思いますが、新規カンバスなら鉛筆で写真よりは細かく描きますが、塗り潰したカンバスだと鉛筆で描いても消せませんし、生乾きなので非常にやりづらい。というより実際にはできません。やればわかります。
というわけで筆で描きますが、見ての通り当たり線をつける程度です。いい加減に描いているように見えますが、私なりに要所は押さえてあります。こんな程度なら要らないとか、ここで終わらせずに続けて制作した方がいいんじゃないの?と思うのも自然かと思いますが、私の場合はここでいったん終わらせます。そして乾くのを待って次回から本格的な描画に入ります。
先ほど「当たり線をつける」といいましたが、要するに今日の段階で「画面に手がかりを残す」ことが非常に重要なのです。次回これを文字通り手がかりに描き進めます。だから今日の段階は非常に重要なのです。この手がかりをしっかり乾燥させ、画面に定着させるのです。
この手がかりが正確であるに越したことはありませんが、大体のところでいいのです。次回に違っているところを修正しながら描き進めます。この手がかりがないと修正のしようがありませんし、こうした取りあえずの取っかかりを作ることで、多少ずれていようが、これが基準線、目安となるので、つまりこれを基に修正できるので(より正確なデッサンに近づけるので)、安心して制作できるのです。
デッサンの達人ならこんな手間をかけなくてもいいのでしょうが、いや、しかしあのルノワールは、どんな油絵を描くときもスケッチブックに鉛筆で軽くエスキースをしていたというのだから、やはりこうした工程は必要なんじゃないでしょうか。
料理もひと手間で違います。絵画制作も同じです。ましてや凡人ならなおのことです。たとえ模写的習作であろうと、こうした段階は踏むべきでしょう。っていうか、この方が楽ですよ、気が楽です。実際問題として。
また、こうした段階を踏むことの効用は、自分の癖がわかるんですね。人間は見たとおりに描くのが難しいわけで、描いてみて、あれっ、本当はもっと傾いているよな、とか、もうちょっと短いよな、とか気づくわけです。画面にそうした自分の癖を残しておくことで次回にちゃんと修正できる(あるいは次回見たときに気づくことができる)。
話が長くなりました。とにかく始まりました。うまく元の絵を見破れれば、つまりどの順番でどの色の層を重ねているかがわかれば、似せることができます。果たしてどうなるか。今のところまだこの2枚を見破っていませんので、うまく模写できないかもしれません。どんな結果になるか楽しみです。
付)写真下のカンバスは塗り潰したのですが、元の絵が透けて見えています。この上に下描きしたわけですが、いずれ絵具層を重ねていくうちに元の絵は見えなくなりますで、これで構いません。少々見づらいですが。
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