アトリエ 籠れ美

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平成27(2015)年5月4日より

独自技法追究(第91回旺玄展出品作含む)その8

2024-11-25 03:00:00 | 絵画制作記、スケッチ記、版画制作記
 要するに、簡単に言ってしまうと、シルバーホワイトでひたすら画面に厚みをつけている、そんなところなんですよ、結局のところは。

 今までは大急ぎで(早く結果を知りたくて)、アルバイトの日の早朝に起床し、出勤前に制作してましたが、そろそろ描画に入る頃で時間がかかり始めるのため、先行するF6号とF20号は毎週水曜、そして後行のF50号は毎週日曜と、制作日を休みの日に固定。いつも通りの週一回の制作態勢に。

 というわけで明後日の水曜に、先行するF6号とF20号を制作します。これで実際にうまくいっているかどうかが判明します。

 後行のF50号は昨日制作しましたが、まだ下地作りの段階。慌てず後追いします。

 よく考えてみると、以前にこのやり方を試してみたことがありますね。ただその時はこのやり方の意味づけ(何のために行うのか)がよくできておらず、また技術的に解決できないことがあって、失敗だ(個人的に気に入らない)と放棄した経緯があります。

 今回は、はっきりした目的意識がありますし、明確な目標があるわけで、やっぱり方向性を間違えたらいけないんだ、努力の方向を間違えたらどんな努力も無駄になると実感しました。

 とはいえ、こんな手法を採っている人はそうはいないわけで、やはり「独自技法追究」になっていることは間違いないですね。非常に単純ですが手間のかかる作業です。

 結局、自分の場合、一枚の油絵を完成させるのに、時間がかかるということになります。こればかりはその人の描き方次第ですので、どうにもなりません。

 ただ肝心なことは、時間がかかろうが、かかるまいが、描いた絵が魅力的であること、それだけです。

 もう目標も、その達成のための手順もわかっていて、実行中なので、あとは慌てずに描いて結果を待つだけです。

 これでようやく自分独自の技法の確立、成りそうです。


 付)今までの七転八倒、悪戦苦闘の中、あれこれ手に入れた知識が思いっきり生かされてるので、やっぱり回り道してきてよかったんじゃないかと。

 蛇足)誰も好き好んで苦労はしたくないし、私の場合、ここまで到達するのに時間がかかったなあ、という実感がありますけれど。

 注)というような被害者意識が強い私ですが、前にも書きましたが、大体自分の絵を確立するのには20年かかるそうなので、私の場合、油絵を描き始めて今年でちょうど20年になるので、実は早くも遅くもないという。

 でもさ、やっぱり20年かかるのね、って思うと、内心、悔しい思い、もうちょっと早く何とかならなかったものなのか、という風に痛感せざるを得ず。

 とはいえ、これからは私は、油絵は好き勝手、やりたい放題、それで自分の思い通りに描けると思うと、つまりは何をどう描いても自分で納得できる仕上がりになると思うと、苦労しただけのことはあるし、これからの自分に期待するわけなんですけれども(無難な風景画でも描いてみて、どうなるのか、どんな画面に仕上がるのか、など楽しみ山積です)。

 ドブに捨てた20年、そういう思いでやってきた甲斐はあったかと。まだ結果はこれからですが(もう技術的には完成していて、あとは画面に厚みを出すだけ、ただそれを試している状態です)、もう出るのはわかりきっているので。


 しかしながら今年で私は53歳、来年で54歳。もう歳なんだけど、困ったことに絵画の世界では50代は若者扱い。旺玄会東京支部で私に期待されても、という。

 言ったんですよ、「私、今年で53ですよ。誰か他にもっと若いの、いないんですか(そっちに期待しましょう)」って。

 でも言われちゃいました「50代以下は皆無」。

 まあそれが現実なら現実として、私は現状でかなりくたびれているので、過剰に期待されてもねえ。さらにこれから踏ん張るっていうのは、正直しんどいです。

 もちろん、踏ん張らないといけないんですが、どんなにくたびれていても、這ってでも前進はしますけれども、それはあくまで個人的にであって、何か(例えば旺玄会東京支部とか)を背負ってというのはつらい。

 それは若い世代にやってもらうと。私は端っこ、隅っこで、コツコツやっていきたい、その程度での踏ん張りを意地でもする、そんな心境でしかないわけで。

 どうやら旺玄会東京支部で牽引役になったみたいで(そんな雰囲気はある)、もともと主役にはなれない立ち位置の人生でしたので、またそれでいいと個人的に思っているし、それが気に入っているので、私は所詮は脇役。そこそこ頼りになる脇役。臨時に、一次的には主役を張れる、そんな立ち位置が私の人生。

 私に主役が回るようでは。誰か後に続くならいいんですけどね。そしたらすぐに道は譲ると。

 何せ自分のことで精一杯。自分の油絵で手一杯。それでもこれから少しは余裕が出てくる、落ち着けるんじゃないかと。そしたら精神的にゆっくりした生活をしたい。

 今まで休んでいる暇、あまりなかった気がします。のんびりしたいですね(ずっと追い詰められて描いてましたから)。確信と自信を持って、静かに油絵を描くと、そんなゆとりを得られるんじゃないかと。

 ゆとりを得るのに、あと一息。とにかく今は油絵の技術的完成を見なければ。

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