Grazie mille!

美しさは日々の小さな積み重ねから。

堀木エリ子展   スパイラルホールにて

2012-05-17 16:00:15 | 日記
堀木エリ子展



        堀木さんを存じ上げたのは「和楽」という本でした。
        何気なく開いたページに その女性は美しい佇まいで
        「凛」という言葉がそのまま人間になっている・・
        そんな只ならぬオーラを 雑誌なのにも拘らず輝かせていました。
        「えっ、何?この女性は誰?何をしている方?」
        ページをめくりながら、心臓の鼓動がどんどん早くなっていき
        私は「一目惚れ」という感情に陥ってしまったのです(笑)

        いつか お会い出来たら・・
        いつか 作品のお話しが聞く事ができたら・・
        いつか 堀木さんの作品を入手できたら・・
        私の「いつか」は願いのように心に積み重なっていきました。

        伝統和紙を後世に伝えていく為の弛まない努力と情熱
        既成概念からかけ離れた和紙作りを発信し続けて
        大きな苦労を超えて今の堀木さんの地位があります。
        その「ほとばしる情熱」が「命」を生み出している・・
        堀木さんの名言
        「伝統といわれている和紙の技術も1200年前には革新であった。
         伝統と革新は対極にある単語のように使われるが
         私は未来の伝統は現代の革新がなくては成り立たないと考えている。」
        私は、伝統を遺していくうえでのこれ以上の言葉に未だ出逢ってはいません。

        堀木さんの漉く和紙は光との融合で完成されているように感じます。
        和紙に反射する光は朝陽や夕日、照明の角度、様々な環境でまったく変わってくる。
        まるでその都度、手を合わせずにはいられない厳粛な心の描写があるのです。
        一瞬にして日本人の「精神性」を感じてしまいます。
        やはり日本人は「紙」は「神」へ献上するとても神聖なものと捉えていたのだと
        私の心の描写でそれを実感致しました。

        まず鳥居のような作品を通って行きました。
        ひとつづつくぐる度に、清められていくように感じました。
        不思議な感覚。こみ上げるものがあり、涙がこぼれそうになるような。
        そしてあの円形の幻想的な光が出迎えてくれます。
        妹は「わぁ~・・」と言いながら、すでに未知との遭遇を口ずさんでいました。
        未来へ羽ばたく、未来へ受け継がれていく・・そんな躍動感を感じました。
        少し口が開いている卵型のオブジェの前に立つと、思わず瞑想をしたい衝動に(笑)
        優しい光のシャワーを浴びているような、そんな有難い気分を味わいました。
        上って見ては溜息、又降りて見ては溜息、更に堀木さんの写真を拝見しては溜息、
        日頃の疲れを全て吹き飛ばして頂きました。 

        堀木さんの作品は成田空港の第一ターミナル北棟到着ロビー、ヒルトン大阪、
        東京ミッドタウン等々、ざっと数えても70~80件以上はあります。
        是非、ご覧になって頂きたいと思います。
        詳しくは http://www.eriko-horiki.com でどうぞ。


              
          今回のパンフレット                              堀木さんのご本


        この堀木さんのご本、必見の価値ありです。
        堀木さんの作品はもとより、堀木さんの仕事風景も素晴らしい!!
        私の一目惚れもきっと納得して頂けると思います。

        作品展は20日迄です。
        是非、お出かけ下さい
              

 

明日は端午の節句

2012-05-04 16:40:26 | 日記

                
                 奉書で作った兜と五色の紐


         こんにちは。
         世の中は長い休暇の真っ最中ですね。
         商売屋に育った私には、このゴールデンウィークという休暇は
         全く縁がありません。
         お正月も元旦だけ、お盆休みもありません。
         親戚も殆どが商売をしていますので、働いているのが当たり前。
         そんな環境で育ちました。
         そんな事もあってか、お節句には必ず母は家にお飾りをして
         ご馳走を作って特別な日を作ってくれました。
         正月、節分、雛祭り、花祭り、端午の節句、七夕、お盆、重陽の節句
         冬至、年越し、誕生日、クリスマスなど。
         小さな愉しみでしたが、かけがえのない思い出です。
         私の子供時代はそんなに家族旅行に行くご家庭は少なかったと思います。
         ですから、どこのご家庭でもその家の習慣で行事をお祝いしていたようです。
         素敵な時代に育ったと、私はつくづく思うのです。
         今は外出する習慣が一般的になってきましたので、
         こういう習慣が無くなってきても、仕方ないのかもしれませんね。
         
         五月五日はご存知「端午の節句」
         もとは女性の節句でした。五月は早苗月と呼ばれ日本では田植えの時期にあたりますね。
         田植えが始まる前に、早乙女(田植えをする女の子)が巫女となって神社などの
         仮小屋に篭り、菖蒲などで身を清める日とされていたそうです。
         穢れを祓ってから田の神にお仕えしたのですね。
         日本民族としての神聖な姿を感じずにはいられません。
         男の子の節句としては武家社会が発展していった鎌倉時代から。
         菖蒲の音を「尚武」に繋げ、武運繁栄としての武家行事に発展していったそうです。
         言葉に置き換えて祈りを込めるという独特な文化も日本ならではの「粋」を感じます。


         


            


         4月の花祭りが過ぎると我が家もこんなお飾りになります。
         姪が小さい頃、男の子の為のお祝い事と聞いてきたようで
         何で飾るのか・・と問われたことがありました。
         「世界中の子供の健康や幸せを祈る大切な日。そんな日をおうちで
          皆でお祝いできるのはとっても幸せなことでしょう?」と申しましたら
         とても自慢そうに頷いておりました。
         そんな姪達も23歳と20歳になります。
         今では、お飾りをする時期が少しでも遅れると小姑のようにうるさい
         いつか母親になる二人には良い環境だったと思い、そんな小言が嬉しい私です。

 
             


         この20年間でご縁を頂いた私の家族です。
         20歳の姪が生まれた時にはたった一人だった子供が今では7人。
         そのうちの4人は支援を卒業していきました。
         この家族のためにも今年も心から「端午の節句」をお祝い致します。

         明日は柏餅を頂き、菖蒲風呂に入ります。
         皆さんは「端午の節句」をどう過ごされますか?