ジャポ二スム
8月3日、とても久しぶりに美しいものを観賞してきました。
「国立博物館」経由「三菱一号館美術館」へ。
国立博物館では「空海と密教美術展」
三菱美術館では「もてなす悦び展 ジャポニスムの器で愉しむお茶会」です。
今日はその「もてなす悦び展」の事を少し。
三菱美術館は欧州の薫りがするとても素敵なロケーションを醸し出していました。
40年ぶりに再現されたこの建物。ジョサイア・コンドル氏の当時の設計図に忠実に再現されています。
中庭のようになっているお庭」を通って、いざ美術館へ。
この空間からすでにタイムスリップした時代へと誘われていくようでした。
プロローグのお部屋は「あさがお」から始まっていました。
私たちにとっては日常的な「朝顔」の絵柄が
ガラスのコンポートやキャンドルスタンド、ワイングラスに描かれ
模られていると・・少し不思議な「美」を感じてしまいます。
日本の「美」に魅せられた欧米の芸術家達が競って探求した「日本趣味」は
おそらく彼らの新しい作品作りの原動力になっていたのかもしれない・・
そんな印象をうけました。
19世紀の後半、ロンドン、パリ、ウィーンなどで頻繁に開催されていた「万国博覧会」
その舞台で日本の文化が広く欧米に広まっていったそうです。
「日本趣味」を表す言葉「ジャポニスム」
何だかとても素敵な響き・・
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今回はその「ジャポニスム」の器をつかって、当時のお茶会の様子を再現。
小さなテーブルの宇宙に広がる、優雅な一期一会の世界を堪能致しました。
ふと頭に浮かんだ「ティーイズム」の言葉。
岡倉天心もちょうどこの頃、「THA BOOK OF TEA」をニューヨークで出版され
ベストセラーになりましたね。
そして瞬く間に、欧州にも広まりました。
新渡戸稲造の「武士道」もそうですけれど、欧米にむけて日本人精神を
このような書物で出版してくれたという事で「日本趣味」にも大きな影響を
与えてくれたように思えます。
8月は6日、9日、15日と鎮魂の日が続きます。
更に、今年から11日が加わり祈りを捧げながら、「生かされている」意味を
深く思わずにはいられません。
そんな中で拝見した今回の「ジャポニスム」には、「日本人」としての誇りを
「日本人」としての生き方を見つめ直す良い機会を頂きました。
「日本」は素晴らしい国ですね
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写真は美術館に隣接しているお庭。
今回のパンフレット。
2006年に久しぶりに新刊が出版された岡倉天心の「茶の本」
「ジャポニスム」のカップ&ソーサーはスペイン在住の友人chihoさんからの贈り物。
こういうものに対しての目利きである彼女が選ぶものは
いつも素敵なものばかりです
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私たち日本人の精神でもある「もてなす美」、「一期一会」の精神を
欧米の芸術家達の作品から感じ取るのも素敵なひとときだと思います。