『ヒトラーの贋札』 ドイツ映画

　『ヒトラーの贋札』映画

　絵が上手だが、絵描きになるより儲かるとうそぶく贋札づくりのならず者。
　ナチの政権下、ユダヤ人である彼は、収容所送りとなる。
　絵が上手いのでナチ将校の肖像画やポスターなどを描いては、生き延びていた。


　1944年から終戦まで、ベルンハルト作戦に駆り出される。ポンド紙幣の贋札をつくり、敵国（英国）の経済を混乱させる戦法である。
　もともと贋札造りの主人公はじめ、印刷工や写真広告など技術者が集められた。


　
　ナチに協力することだと分かっていて、生きながらえるため、あるいは必要とされる場所を与えられて、つい一生懸命になってしまう男たち。
　スイス銀行でもイングランド銀行でも本物と鑑定され、つい喜んでしまう。
　
　
　正義感からあくまでも協力しない男もいたり、結核に罹患しているとわかり、あえなく殺されていく若者。親衛隊の少佐も陰影のある描きかたで、奥が深い。

　

　重厚で、見ごたえのある映画だった。
　印象に残ったセリフは、収容所暮らしをつらがる若い男に主人公は言う。

　──ナチが喜ぶから、つらがるな──

　他のブログより再掲 2013.3.24(写真は今回ネットより借用）