蓬 窓 閑 話

「休みのない海」を改題。初心に帰れで、
10年ほど前、gooブログを始めたときのタイトル。
蓬屋をもじったもの。

『日本会議の正体』

2018年05月19日 | 読書
 『日本会議の正体』青木理(おさむ)

 怖い本を読んだ。
 怖いにもいろいろあり、フィクションで、ぞっとするものもあれば、
 ノンフィクションでも怖い書物は数々読んできた。
 戦争の悲惨さに思わず目頭を熱くすることも。
 でも、それは過去のこと。終わったことだ。
 
 しかし、ここに書かれていることは、終わっていない。
 現在進行形なのである。

 ツイートを始めるまで、この日本会議という言葉を不明にして知らなかった。
 右翼団体らしく国会議員が2~3百名所属しているという。
 日本会議の関係者の話すビデオを見て、気色悪い雰囲気というか、なにかしらゾッとするものを感じた。 現総理が、平気で嘘をつく人であることに気づいたときと同じような感覚である。
 
 その日本会議の大会には、総理のビデオ・メッセージも送られ、大画面に映し出されている。
 これは知っておかなければ!

 本のカバーの見返しには「安倍政権とも密接な関係をもち、
 憲法改正などを掲げて政治活動を展開する、
 右派組織日本(にっぽん)会議。ーーとある。



1997年、「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」が統合されて、日本会議が結成された。

 そのころだろうか、新しい教科書をつくる会の噂が耳に入るようになった。
 ある知人は、ある区の教育委員をしていたが、その友人も別の区の教育委員をしており、その決め方がとても圧力的だった、という話を聞いたりした。

 この書には上記の会の成り立ちから記してあり、背中が寒くなるように根が深いのである。
 要は、戦後の左翼?的活動や人権、民主主義などに反発心をもちながら、長いあいだ深く静かに潜行していたのが、しだいに陰湿な力をもつようになった。
 そして、小泉総理に靖国参拝をうながしたのも日本会議なのだ。

 現政権が不祥事だらけにもかかわらず、なぜ彼らの党は自信たっぷりなのか。
 この日本会議の目指す「美しい日本の憲法をつくる国民の会」憲法改正の実現運動とアベ政権及び自民の党是が、ここへ来て一致した。

 きりがないのだが、この背後に、神社本庁がついているのである。
 伊勢神宮を筆頭に、明治、富岡、全国各地の神社が、宗教団体が、後押ししているのである。
 いざという時には、著名な神社がポンと金を出す。
 ああ、初詣でのお賽銭、観光地にある神社、そして今流行の御朱印帳等々が結びつく。
 あれは、もしかして、、、と思ったら、暗~い気持ちになってしまった。
 本書の書き方は冷静沈着、緻密な取材によるもので、事実のみが書かれている。
 
そして、神社の片隅で「憲法改正1000万人署名」の運動がなされているという。
 ならばと、先日の散歩で、こんなポスターを見た。

 私は、左翼でも共産主義でもない。もちろん右翼でもない。
 ただ、人間の自然な気持ちとして、反戦・反核でありたいと思っているだけである。