あのラブホは捨てがたい。 撮影したい。
帰り道、ずっと俺は思っていた。
フクちゃんの伝手とかで オーナーさんと連絡がつかないかな…
すっかり夜になってしまい、会社まですぐの駐車場に車を入れて降りると、カイの手からバッグを引ったくるようにして持ち、さらには手をつないだ。
「悪いね 」
カイは少しはにかんだように笑顔を見せてくれたので、ほっとした。
俺は、目の前の道路にでも飛び出されたらと心配で手をつないだのだった。
さっきの霊にでも憑かれて、ダンプカーの前にでも飛び出されたらとヒヤヒヤ だったのだ。
「ただいま 」
ドアを開けるとダイキのもの以外に、 2足靴があった。
おかえりなさい 、どこに行ってたんですか、 と怒りながら出てきたダイキの向こうに、 フクちゃんとダイキの彼氏の華ちゃんがいたのだ。
靴を脱ぎながら下を向いたままのカイは、
「ごめんね。いいラブホがあったから、オミと盛り上がっちゃって亅
空気が当惑に変わっていく...
フクちゃんは目を泳がせて、
「は、早い展開だね 。でも良かったんじゃない? ビンゴだったでしょ? 俺の言うこと…」
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