マーカスといれがかり

あゆ釣り・ともだち
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「釣れる自分」 と 「釣れない自分」

2016年03月02日 | こんなん読んだよ
「生きて死ぬ智慧」




ときどき読み返す名著です。




著者の柳澤桂子さんは生命科学の世界的な研究者でした。



しかし、若くして原因不明の難病に罹り、36年間寝たきりの生活を余儀なくされ、失意のうちに研究の一線から退かれます。




想像を絶する苦悩と孤独の中で 「生とは何か」 を見つめ続けられた氏は、ある日釈尊の世界観を感得されます。



氏はそのときの気持ちを 「厚い雲を突き抜けた感じだった」 と振り返っておられます。




この本に描かれているのは、氏がたどり着かれた 「無と有」 の解釈。



釈尊が説く 「空と色」 の不可分性について、般若心経の一行一行を翻訳する形で、読む者をやさしく導いてくださいます。




「 この宇宙は原子で構成されている。
  形あるものも、ないように思えるものも、すべて原子でつながっている… 」




科学者らしく、この世の中を 「原子の濃淡」 でとらえた世界観は、哲学者釈尊がたどり着いたそれと、寸分違わず重なるように感じられます。




たった40ページばかりの本を開くたび気づかされるのは、ものごとを二元的にとらえることの 「くだらなさ」。




「自己と他者」 「善と悪」 「敵と味方」…




そしてこの本を閉じるたび、こころが高く解き放たれたような気持ちになるのです。



読後おやじはしずかに瞑目しつつ、 「釣れるおやじ」 と 「釣れないおやじ」、 この、あきらかに不可分な二元性に拘泥するわが身を振り返って思うのです。



「 それでも… 」



「 やっぱり… 」



「 ぎょーさん釣りたい! 」   てねっ!





いつもどーでもええような話でスミマセン。
でも、もしよろしかったら、ぽちっとしといてくださいな。

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