花蜜…

夫（つま）を恋う嘘をするっと剥がされて　戻りはじめる＜をんな＞の時間

恋叫…

火だるまの四肢の交はり　かたはらの翳（かげ）りを愛のかたちと思へ

eros…

掠（さら）へども未遂のごとく空さびし　erosは恋を娶（めとら）らさざれば

玉緒…

罪なれど夫（つま)が腕（かひな）にあらざれど　肉叢（しし）は快楽（けらく）に澄みてゆくはや

動悸…

戸が開（あ）きて義弟のボクであり得なば きみに幾千恋語りする

風器…

風の鳴る空に真向かひ誰れ知れず　人妻といふ一人（いちにん）の胸

恋然…

清々（すがすが）し眸（まみ）にまむかひ思ゆらく　きみの瞳に恋するらしも

花渡…

かなしきは朝（あした）になれば移り行くこころごころの愛恋の花

連理…

純白のこころ変はらふ乳房（ちちふさ）を　恋ふさらばその清（さや）けき毒も