affection…

赦されよ被(おほ)ふものなく凍てる手を温(ぬく)めるほどの不倫のかたち

sentir…

尖(とが)りくる胸のふくらみその温(ぬく)み真昼まぶしめ女のかたち

marche…

諍(いさか)ひの涙たまればよきひとの美しきもの胸の音聴く

voix…

赤すぎる五官の記憶揺りもどす顔なきものら繁殖の声

attendre…

厚き手が抱きしめてくるあなたとの時間をたしかな運命として

onde…

響きあふ背中合はせに目をとじて愛(いと)しと思ふためらひはなし

coupable…

忍ぶ恋さびしきときはもの言はずこの寝姿を愛(いと)しとおもへ

attendre…

こゑ羞(やさ)しきみに抱かれて花群の中より白き膝二つ立つ

clausura…

足指吻(す)ふ他人の妻の禁域にまひるのひかりはらむまぶしさ

sueur…

うつ向けば額(ぬか)より落ちる汗清(すが)し妻を離れて恋するときの

cheri…

手繰られし卵袋(らんたい)のごとわたくしのいのちよきみとの恋あるところ

mouvement…

身をぬける風のやさしさ青年の性の楽章すでに愛(いと)しも

revoir…

かへりくる夏またあはむもの言へず乙女のごとくつまさき立ちて

ombre…

声もなく身ぐるみ抱かれ空まぶし身動(みじろ)げばただわたくしの影

chaleur…

膝前(ひざさき)の灯り落として一つ家に訪ひ来し人と他人の妻と