chute…

肉うすき婦(をんな)の脚の褪(さ)めざるもさびしきものよ明るき窓辺

sommeil…

生きることさびしすぎれば一人(いちにん)のひとを思ひて眠らむ今宵

sejourner…

しまらくも婦(をんな)のこころ掠(さら)はれて女にかへるこころいとほし

maigre…

身の軋(きし)むさみしき夜明け肉うすき婦(をんな)をしばし眠らしむべし

festin…

目覚むれば婦(をんな)の肢影愛なせり風鐸(ふうたく)のごとさみしき寒夜

memoire…

恋といふ言葉しづかに呼気盗むひとりゐ寝たる夜抱きに来よ

ombre…

子を成さぬ下肢照らされてきらきらししづかにしづかに奔(はし)る水音

reve…

夢かくもひっそり息するほの灯り男来て待つまはだかの肉(しし)

purifier…

きしきしと素足擦(す)りあふ風景の彼方に「妻」の漂ふ日中(ひなか)

rendez-vous…

淡紅(うすべに)の足にをんなの力入る灯(ひ)をくらめればただ女男(めを)の情

miel…

赤銅の肉(しし)荒ぶりてやまざりき声あげ茨(ばら)の蜜吸ふ傷(いた)み