doigt…

性萌ゆる十四の少女の指熱しこの単純のはてなく眩し

fille…

その母に似て恋ひやすき唇にルージュを重ねさびしからむか

vierge…

少女の性こころちりちり灼きながら風響(な)る丘の春駆けぬける

printemps…

紅(あけ)色のをんなの足音(あおと)花冷えの朝の廊下に跳ねる小温(こぬく)さ

mamere…

遠く来てしづかに男盗む夜のマメールは若き花房に肖(に)て

sorcellerie…

抱(だ)かる毎(ごと)ひとみは澄みぬ夫(つま)のゐる不覚の恋は涼し眼を眼をして

amante…

灯り消す右手に男の息かかる良夜久しき乳房(ちちふさ)熱し

cafe…

モーニング珈琲片手にガラス窓人待てば人によせる幻想

immoralit…

何ものと知れぬ快楽(けらく)の実赤く姦の朝(あした)の色たけにけり

souhait…

愛(かな)しかな、真一文字の唇にしとめらるる間息するこころ

l`evres…

牢に似る家より出でて愛たぐるわれの革命われの歳月

sarcasme…

まだ硬き乳房を拭(ぬぐ)ひ何ものの愛撫にむかふ妻の目をして