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半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第113話

2025-03-13 08:37:52 | webブログ




バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
レッスンをやってます。
夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


皆さま、お待ちしております!


ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)


私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/


連絡をお待ちしてますね!


2024年12月28日(土曜日)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。


スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。


バリエーションは「グランパクラッシック」からのヴァリエーションです。
さ、ご一緒にどうぞ!


連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第113話
さて、ショージは数字にかけては何よりも強いと自分で
自負している。暗算に関して言えば「神童」とまで
呼ばれた事など無いものの、誰よりも軽い脳をフル回転
させてドルとルーブルの両替を必死に計算した。およそ
30分以上も掛かって、ある事にどうしても合点が行かな
かった。


「ん?1ドルがこのルーブルになるんでしょ?そしたら
僕の稼いだルーブルは何ドルになるの??えーと、えーと…」
ようやく大体の数字が頭の中に揃って来て、その不思議が
解けて来た…と、その瞬間!


ショック!


ショージの財布の中の市場で稼いだルーブルを全て取り出し、
数えて見てから、また為替レートの数字を何度もチェック
した。「こ、これって本当か…嘘だろ!?」ルーブルを
ドルに換算すると、丁度、ショージが売りさばいた商品を
買った時の値段にピッタリだったのだ。


「って言う事は、も、もしや僕は…げ~っ!100円で
買った物を100円で売っていたと言う事と同じじゃん!
んぎゃ~っ!じゃ、じゃあ、あんな寒い所でわざわざ商売
なんかしなくたって、持っていたお金をそのまま、この
銀行で両替していたら済んでいたっていう事じゃんか…
ぎょぇ~っ!?タハハハ…」と声にならない言葉が口から
出ながら「ンガガガ…」


白目を剥き出して後ろに卒倒しそうになった。慣れない
事をするものじゃないって言う事を勉強出来たわけか。
ショージはベニスの商人よりも数段商売に長けている
つもりだったのだが。「あんたバッカじゃない?」と
言う話だった。


もう済んだ話だから仕方がないが一気に気が萎えた。
「ま、良いとしておくべきだ!貴重な体験が出来たん
だから…一生涯、忘れる事の無い思い出を作ったんだし、
ソ連の人々が何を欲っしているのかも勉強出来たん
だから…」と自分で自分を慰めてみても直ぐその後に、
こんな勉強なんか金輪際するつもりはない!と自分に
腹が立った。肩の力が抜けてお尻にまで下がるほど
ショッキングな出来事であった。


「それより、早くお金を両替しないと!早くしないと
ゴールデンフォックスが売れちゃうかもしれないぞ…
いやいや、あんなに高価な物が売れるはずはないけれど、
いずれにしても時間が勿体ないか。」ショージはロシア人
なら数か月もかかって稼がなければならないたくさんの
ルーブルを持って、あの「ヨーダ」に似た妖怪こと、
度迫力おばちゃんが待つ公園に走って帰った。


マイナス40度に近い極寒のため、「歌でも歌って士気を
鼓舞しなければ!カー、リンカ、カリーンカ、カリーン
カマヤ…シャプーカ、シャプーカ、シャプーカマヤ~!
おばちゃ~ん、あんたの好きな大量のルーブルを手に
入れたぜ~っ!」
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第113話

2025-03-13 08:35:21 | webブログ




バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
レッスンをやってます。
夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


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半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


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オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
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応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
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第113話
さて、ショージは数字にかけては何よりも強いと自分で
自負している。暗算に関して言えば「神童」とまで
呼ばれた事など無いものの、誰よりも軽い脳をフル回転
させてドルとルーブルの両替を必死に計算した。およそ
30分以上も掛かって、ある事にどうしても合点が行かな
かった。


「ん?1ドルがこのルーブルになるんでしょ?そしたら
僕の稼いだルーブルは何ドルになるの??えーと、えーと…」
ようやく大体の数字が頭の中に揃って来て、その不思議が
解けて来た…と、その瞬間!


ショック!


ショージの財布の中の市場で稼いだルーブルを全て取り出し、
数えて見てから、また為替レートの数字を何度もチェック
した。「こ、これって本当か…嘘だろ!?」ルーブルを
ドルに換算すると、丁度、ショージが売りさばいた商品を
買った時の値段にピッタリだったのだ。


「って言う事は、も、もしや僕は…げ~っ!100円で
買った物を100円で売っていたと言う事と同じじゃん!
んぎゃ~っ!じゃ、じゃあ、あんな寒い所でわざわざ商売
なんかしなくたって、持っていたお金をそのまま、この
銀行で両替していたら済んでいたっていう事じゃんか…
ぎょぇ~っ!?タハハハ…」と声にならない言葉が口から
出ながら「ンガガガ…」


白目を剥き出して後ろに卒倒しそうになった。慣れない
事をするものじゃないって言う事を勉強出来たわけか。
ショージはベニスの商人よりも数段商売に長けている
つもりだったのだが。「あんたバッカじゃない?」と
言う話だった。


もう済んだ話だから仕方がないが一気に気が萎えた。
「ま、良いとしておくべきだ!貴重な体験が出来たん
だから…一生涯、忘れる事の無い思い出を作ったんだし、
ソ連の人々が何を欲っしているのかも勉強出来たん
だから…」と自分で自分を慰めてみても直ぐその後に、
こんな勉強なんか金輪際するつもりはない!と自分に
腹が立った。肩の力が抜けてお尻にまで下がるほど
ショッキングな出来事であった。


「それより、早くお金を両替しないと!早くしないと
ゴールデンフォックスが売れちゃうかもしれないぞ…
いやいや、あんなに高価な物が売れるはずはないけれど、
いずれにしても時間が勿体ないか。」ショージはロシア人
なら数か月もかかって稼がなければならないたくさんの
ルーブルを持って、あの「ヨーダ」に似た妖怪こと、
度迫力おばちゃんが待つ公園に走って帰った。


マイナス40度に近い極寒のため、「歌でも歌って士気を
鼓舞しなければ!カー、リンカ、カリーンカ、カリーン
カマヤ…シャプーカ、シャプーカ、シャプーカマヤ~!
おばちゃ~ん、あんたの好きな大量のルーブルを手に
入れたぜ~っ!」
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第112話

2025-03-12 08:29:59 | webブログ




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また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第112話
「何処かに銀行は無いかな…?」広いプロスペクト・
ミーラ(ミーラ大通り)は片道が5車線ほどもある
巨大な通りで、空気が灰色によどむほど、そこには
ソ連の酷い車がボーボーと黒い排気ガスを吐き出し
ながら走っている。なんと酷い臭いか。「ゴホッ、
ゴホッ!」と咳が出るほど本当に酷い空気だった。
道行く人の数が日本などとは比較にはならない。


そして驚くのはその多種の顔ぶれだ。金髪の西洋人
みたいな髪なのに、顔がアジア人ぽい人もいれば
アラブ人もいる。かと思えば、かなり怖い人相の
モンゴル人やベトナム人もいた。「モンゴル人って
不気味なお面を着けてるみたいですね…」などと
言ってしまおうものなら、モンゴル人の人に「お前は
一体、自分どんな顔だと思ってんだっ!」と怒られるので、
思うだけに留めておいた。


それにしても本当に色々な人種が混じった大国である。
世界地図を見ればこの国がどれほど大きな事かが一目
瞭然だ。東はシベリアから西はドイツの方まである
のだ。北は北極海の方から南は中国近くやアラブ系の
国々の近辺までだだっ広い。因みにこの当時はベトナムは
共産主義であったから、ロシアには多数のベトナム人が
入り込んでおり、中近東の方もコサックで有名な
グルージア諸国やオデッサ地方の国もソ連に包みこまれ
ていた。果てはトルコの東の方面までソビエトが無理やり
侵攻して領地を分捕ったのだ。


故に多種の人種が入り混じるのもなるほど…なのである。
そこに日本人が侵入して商売やっているのであるから、
ショージも自分の内面にあったふてぶてしさに自分でも
呆れた。「何処かに銀行は無いかな…?お、あれは
銀行じゃないかな…よしっ、行ってみよう!あ、
ポーチはちゃんと腰に…ん、大丈夫ちゃんと付いてるし。
待てよ…中身は無事か?チャックを開いて…よしっ、
大丈夫!じゃ、銀行に突撃~っ、行ったらんか~いっ!」


モスクワの銀行事情


ポーチの中の財布の少々のドル紙幣と、腹に巻き付けて
誰にも分らないように隠してある内緒の財布には1ドル
紙幣がたくさん入っていた。それを取り出し、ルーブル
に両替するのだ。「今は何ドルが何ルーブルに両替
出来るのかな?」電光掲示板では無く、四角いプラス
ティックの白いボードに数字を銀行員の手で並べ替える
簡素な物であった。「銀行ならもうちょっと金を
かけろよ!」と言いたいところだが、それよりも両替を
するために為替の表示板をジーッと見つめた。


ショージの他にもアメリカ人のツアー客みたいな人たちも
数人並んでいた。ショージはドルを持って来ていて
良かったと改めて思った。何故ならばここロシアでは
限られた国の金しか両替出来ないのだ。例えばソビエトの
時代では日本の金は両替など出来ないし、スウェーデンの
金も駄目である。イタリアも駄目なのだ。


アメリカのドルとスイス、イギリス、ドイツなどの主要国
以外は駄目なのである。今でこそ日本の金もイギリスの
ポンドやドイツのマルク…今や、ユーロになったが、
大丈夫になったのはソビエトが崩壊してからだ。そう言った
訳でショージがうろうろと策略を見つけながら彷徨って
いる、ソビエト崩壊前のこの時代では、ツーリストに
優しくない銀行体制であった。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第111話

2025-03-11 08:16:35 | webブログ




バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
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夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


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、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
ヨーダのようだ…
第111話
偉い剣幕のおばちゃんにたじろぎながら、「あ、あ…
そうだよね…でもさ、やっぱりもうちょっと安くして
欲しんだけど…」おばちゃんは他所の方を見ながら
動きもせずに、「あー、こりゃイディオート(バカ)だわ…。
あんた、それも忘れているんかいな…。あたしゃーね!
安くなんかしないって言ったんだよっ~!」


ショージはそのド迫力と言うか、見えない気の力と
言うのか、その声だけで後ろに弾き飛ばされた。
「うわ~っ!あ、思い出したよ…た、確かにそう言ってた、
その通りだよね…げ~っ!このおばちゃん、妖怪か!?」


おばちゃんは何かモグモグ…とビニール袋に手を突っ込み
ながら、それを口に運んで食べている。おばちゃんを見て
いると、スターウォーズに出て来たヨーダというキャラクター
にも似ているし、日本の元首相の宮澤喜一にも似ている。
マラソン選手の増田さんのロシアンバージョンのお婆ちゃん…
と言っても過言ではない。


ただ、目だけは妖怪だけが持ち得る恐ろしいまでの隙の
無さと言い、近寄るものは徹底的に妖術で懲らしめる
天下無敵のド迫力だ!ショージはテーブルの上の輝く
までの美しさのゴールデンフォックスを見て、「もう一度
被ってもいいかな?」と上目使いで見ると、こちらには
目もくれずにしきりにビニールの中の物を食べながら、
こくんと頷いた。


ショージは目を凝らしてビニール袋の中を見つめると、
「おっ!向日葵(ひまわり)の種じゃん!」急におばちゃんの
顔がオウムにも見えて来た。フォックスをかぶると、
「ああ…なんて温かいんだ…」そして頭に手をやると
可笑しいまでにボワーンと大きく、まるで巨大なマッシュ
ルームのように手に感じることが出来た。「ここに鏡が
あればな…」と思ったが、いずれにしてもショージの頭に
ピッタリサイズであった。「欲しい…どうしても欲しい!
ヤ ハチュ~!」


ネゴシエーション(交渉)


他にも色々なシャプカがあり、明らかに狸や、ちょっと
見当も付かない野獣の毛のシャプカがたくさんあるのだが、
ショージはこれだけが一番綺麗で気に入ってしまったのだ。
おばちゃんはそんな事には全く興味も無いのか、それとも
向日葵の種がそれほど美味しいのか、こっちには目も
くれなかった。


と思った瞬間「おいっ!買うなら金よこせっ!買わないなら
邪魔だからあっちに行けっ!」と恐ろしいほど険悪な表情で
口から向日葵の種の殻をペッと吐き出した。普通のお店の
店員がこんなに酷い客とのやりとりをしたら、「ふざけんな~っ!」
と客が切れて「おいっ!店の主人を出せっ!」と喧嘩沙汰にも
なりそうなはずだが、今は立場が完全に逆で、下手したら
このおばちゃんに張り倒されるかもしれない。


「わ、わかってるよ…ルーブルはこれしか持って無いんだ…」
そう言いながら、おばちゃんにショージの売上げ全部の
お金を出して見せた。するとおばちゃんは、それには
非常に興味を示し、「どりゃどりゃ…?」そして直ぐに
「あんた、こんなはした金でシャプカが欲しいってか?
ふざけんじゃないよっ!全然足りないんだよ~っ!」


ショージは両目を瞑りながら、「ひえ~っ!わ、分かって
いるよ…だ、だからさ、これでどうかな、あのドルで、そう、
ドルで残りを払うってのは?」おばちゃんは、プイっと
向こうを見ながら、「あたしゃ、そんな面倒な物はいらん!
全額ルーブルで頂こうじゃないかっ!自分で勝手に何処かで
両替して来いっ!そんなドルだ~?いらんわいっ…」


もう、こうなるとこの妖怪…じゃない、おばちゃんは箸にも
棒にも掛からなかった。全く話しにならないのである。
「この人、本当にロシア人か?普通、ロシア人ならドルと
言った瞬間に目を輝かせるものなのに。ああ…こうなったら
是が非でも早く両替に行かなきゃ!


」おばちゃんに「じゃ、両替に行ってくるわ!」と言うと
、おばちゃんは興味無さげに、「ヘッ…プッ!」と口から
向日葵の種の殻をショージの方に吐き出した。「あな恐ろしや…!」
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第110話

2025-03-09 08:33:17 | webブログ




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どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
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、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第110話
「マイチキ、エト、スコーリカ パーパストイ?!」(おい、
小僧、これ幾らだ?)おっさんが掴んだのはカシオの腕時計だ。
やはり目敏い。こういう物には超敏感に反応した。


すると通りがかりの人が次々に寄って来て、ショージがまだ
並べ終えていないグッズを手にとっては「幾ら?」の連発だ。
腕時計の値段はショージが言った前回の値段と同様のルーブル
の値段だった。おっさんは3個共に即買いだった。「ほ…
すんげ~!一気に3個売れた…!」そしてポケットティッシュも
5セット完売…まだ店開きも済んでいないのに、商売成立
だった。


強き事 岩の如し


群衆の心理というのは面白いもので、周りの人々は
ショージのバッグを見ながら、次に何が出て来るのか
目敏く見ているのだが、あっという間に歯磨き粉と
歯ブラシは同じ人が2つとも買ってくれた。若い奥さん
のような女性がストッキングを見て、「これ幾ら?
」すると横のおばちゃんが、3つ掴んで、「これ頂戴!」
もう値段なんか関係無いみたいだ。


それもそのはず、ストッキングはこのロシアでは非常に
貴重な物だったのだ。ショージはバッグから、ショージの
食べるはずだった揚げ煎餅と柿の種の辛いオカキを出した。
するとおっちゃんが「シュト エタ?」(なんだいそりゃ?)
と不思議そうに尋ねた。「アー、エト、ヤポンスキー 
クレーチェル!」と答えると、「ワッハハ!よし、買う!」と
これまた完売。そう言う事であっという間に全てが売れて
しまった。


この全ての売れた金を数えてみたが、シャプカ(ロシアの
獣の帽子)の値段には届かない。半分の値段にも到底
届かなかった、「後は交渉するか…」おそらくあの怖い、
おばちゃんには交渉の余地は無いとは思ったが、ショージの
切り札は何と言ってもドルだ。これだけは必殺のアイテム
であるから、「よし、おばちゃんに直談判しよう!」


 ショージは店を畳んでおばちゃんの所に行くと、
おばちゃんはショージの顔を見ても「ん?」とも反応
しないし、微動だにしないで「きっつい目で僕を睨んで
いるのはどういう訳だろ?これじゃ岩だよ…おばちゃんは
ストロング アズ ロックと辞書で引けそうだぞ!」


おばちゃんの前の小さなテーブルには「お、あるある!」
ゴールデン・フォックスの輝くばかりの毛がフサフサの
帽子が堂々と置いてあった。「おばちゃんは多分、何の
反応も見せないところからすればきっと僕の事なんかは
忘れてしまっただろうな…んじゃ、もう一度値段を聞いて
みるか?少しは安く言い違えるかもしれないし、もし
前回よりも高く言ってきたら、この前はもっと安かった
じゃない!」と振り直せるか。


 「あー、こんにちは…おばちゃん、これ幾らかな?」
おばちゃんはヒキガエルのような顔つきで「あんた相当な
バカ?この前、値段を聞いたんだろが!そんなに早く忘れる
のかい!」「…?」ショージはおばちゃんを見ながら口から
言葉が出なかった。「このおばちゃんは岩は岩でも、ただの
岩じゃなかったか!」
(つづく)