半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第36話

2024-12-12 08:54:00 | webブログ


バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
レッスンをやってます。
夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


皆さま、お待ちしております!


ホームページ半澤正司オープンバレエスタジオHP http://hanzanov.com/index.html
(オフィシャル ウエブサイト)


私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
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連絡をお待ちしてますね!


2024年12月28日(土曜日)寝屋川市民会館にて
半澤正司オープンバレエスタジオの発表会があります。


Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。


スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。


バリエーションはパキータより第4ヴァリエーション「アルミードの舘より」です。
男子も自分の好きなヴァリエーションしましょう!
さ、やりましょう!!


連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)


バレエ教師の半澤です。
火曜日から土曜日までの朝は11時からレッスンやってます。
水曜日と金曜日の5時20分からは、小学生を対象とした
レッスンをやってます。
夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


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オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
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また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。


スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。


バリエーションは「フローラの目覚め」から「ヘベ」のバリエーションです。
男子も自分の好きなヴァリエーションしましょう!
さ、やりましょう!!


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第36話
次々に失敗するオーディション!一体どうなるんだろう?


「考えていたり、落ち込んでいても前には進まないから、
また初心に戻ってトレーニングして頑張るしかない…!」と自分
を励まし、ロンドン市内にあるパイナップルというオープン
バレエスタジオやダンスワークス、そしてコベントガーデン・
アダン・オープン・バレエなどに毎日あちこちのスタジオを
回っていろんなクラスを受けながらオーディションの情報
収集をした。


すると、今度の日曜日に「ロンドンシティ・バレエ団で
コールドダンサー(群舞)のオーディション…」と言う
張り紙が壁に貼ってあった。早速日曜日にオーディション
に行ってみた。シティ・バレエ団のダンサーたちの幾人
かは、オープンクラスで顔見知りであったが、オーディ
ションともなると誰も声を掛けてはくれない。自分たちも
自分のポストをしっかりと守らなければならないし、
新しいダンサーは結局ライバルになるからだ。


オーディションに来る膨大なる数のダンサーたちの意気込み
は凄まじい。それに対してショージも負けじと思うのだが、
ロンドン・フェスティバル・バレエ団でタジタジだった
敗北者の気持ちがまたぶり返し、自分にかげろうの様に
付きまとい、ショージは萎縮した。そして結果はまた
ダメだった。


ショージは久しぶりにテレンスに会った。テレンスの口から
「今度、ピーター・マレクと一緒にヴィエナ・フェスティバル・
バレエ団を立ち上げるから、ショウジ、君をソリストで呼ぶ
つもりだからな…」とりあえず選任振付師となったテレンスは
早速ショージを呼び出し、新しいバレエ団の演目となる創作
バレエのリハーサルを開始したが、2日目にショージは
テレンスに「契約書について伺いたい…」と聞くと、
どうやら何か怪しい雰囲気である。数日後、やはりその
バレエ団の立ち上げの話しはおじゃんになった。監督に
なるはずだったピーター・マレクが資金の調達に失敗した
のだと言う。
 
それでもめげずに、ショージはバイト先に直行する。
ショージにとってのバレエ、そして未来がどんなに上手く
行かなくても確実に腹だけは減る。しかし皿を洗えば確実に
おにぎりが食べられるからだ。


ロンドンに来た理由、モティベ-ション


ロンドンへやって来て以来、どれほどの月日が流れたので
あろうか。ショージには時計も無ければカレンダーも
なかった。学校という枠から離されてオープンクラスと
バイト先の往復。そして度重なるオーディションの失敗。
 ロンドンの安アパートの自室で一人考えた。「何故僕は、
日本を離れこんなに遠い異国の、言葉さえわからない所
までやって来たのだろうか…オープンクラスだったら東京
にもあるし、日本にいれば言葉も通じる。バイトもイギリス
のように足元をみられて安くこき使われる事なんかない
のに…。日本にいた方が時給が良いから食事だってちゃんと
出来るのに…。


果たしてイギリスにいる意味があるのだろうか?懐に一体
幾らの金の持ち合わせがあるのか?イギリス人たちは銀行
からチェックと言う物でお金を借りる事が出来るけれど、
僕には銀行に口座など作れないし、財布にはその日の
サンドイッチを買う金にも満たない僅かな持ち合わせ
しかないじゃないか…」
 
だがこのショージはいつも土壇場の窮地でひらめいた。
「こんな僕に何が出来るのだろう…一体何をしたいのか?
あっ、そうだ…僕はロイヤルバレエ学校でメソードを
しっかり学びたかったんだ!だから日本で夜中までバイト
して頑張って旅費をためて遥々ロンドンまで来たんじゃ
なかったのか!よしっ、明日 ロイヤルバレエ学校に
行ってみよう!電話する金がないから直談判だ!」
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第35話

2024-12-11 08:16:08 | webブログ


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祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


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また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第35話
ある日、アダン校長がショージを校長室に呼んで
言った。「今度の卒業公演にはチェケッティクラス
を担当しているホアン・サンシェズ先生が3人の
女の子とあなたで振り付けをしたいそうよ。
スペインの曲、グラナダですって。それと、ラストの
ハイライト・バレエ「パキータ」の主役はあなたが
やるのよ。頑張ってね…」


唐突な校長の言葉に驚いたショージは「 え?卒業
公演ですって?じゃあ、それが終わったら僕はどう
なるのでしょうか?」校長は淡々と言った。
「 そうね卒業です…」ガーン!と頭を叩かれた
ような感覚になった。学校に入ってまだ半年足らず
なのだ。ショージは卒業後に何をしたら良いのか全く
考えた事もなかったのだ。いよいよ本番当日になり、
比較的こじんまりとした舞台と客席。


あらかじめ舞台上で場当たりしながら、歩幅や目線の
フォーカス先のチェックをした後、主役であり
ショージのパートナーであるポーラに挨拶をする
ためにいる楽屋に行ってみた。「あれ?」ポーラは
酷い緊張状態だった。それもそのはずだった。
ポーラは客がたくさん入っている舞台で初めての
卒業公演の主役を踊るのだ。緊張しない人間は
まずいない。


ショージは…と言えば幸いに日本で、舞台数だけは
比較的踏んでいたので、そういう意味の緊張は
なかった。ただ、「ポーラをしっかりと綺麗に
見せられるように男性の責任であるサポートが
上手く出来るのか…」そういった不安があるものの、
今日は失敗の許されない本番なのだから一切の邪念を
取り払い集中するしかない。


緊張しているのはポーラだけではなかった。主役を
取り囲み、群舞として踊るたくさんの女子生徒や
他の作品に出演するモダンダンスの人々…
ミュージカルを目指すダンサーたち、そしてこの
卒業公演に出演する全てのダンサーたちも同じで
あった。


朝の舞台挨拶ではミス・アダン校長から「今日は
あちこちのたくさんのディレクターたちも見に
来るから、ベストを尽くして、自分の人生を
勝ち取るんですよ!」と言われ、皆、益々緊張の
坩堝(るつぼ)にはまった。ショージはこの校長の
最後の言葉が耳に残った。「グッド ラック!アンド 
テイク ユア チャンス!」


卒業公演の次の日に、校長先生が改めてショージに
言った。「あなたは学校なんかにいないでバレエ団で
十分やって行けるわよ。明日、ロンドン・フェスティ
バル・バレエ団にオーディションしてもらえるように
頼んでおいたから、頑張りなさいね!明日から学校は
休みに入ります!」


「え~っ!フェスティバル・バレエ団だって!?
凄いぞ、よしっ!頑張るぞ!」次の日にロンドン・
コロシアム劇場に行き、オーディションが始まった。
ロイヤル・バレエ団をも凌ぐフェスティバル・
バレエ団には超精鋭のダンサーたちが顔を揃え、
ショージは自分の踊りの技術が彼らに比べると、
まるで児戯に等しいのを自覚した。結果は散々な
ものだったのである。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第34話

2024-12-10 08:06:57 | webブログ


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第34話
ロシアの偉大なる教師を持つダンサー
ショージが絶対に忘れる事の出来ないダンサーは元ロイヤル
バレエ団プリンシパルのスターダンサーのミスター・チンコ・
ラフィックだ。彼は世界中のバレエ学校の中でも名門中の
名門であるロシアの「ワガノワ・バレエアカデミー」出身で、
彼の先生はバレエ界では伝説のアレクサンドル・プーシキン
である。


フランスに亡命したロシア人の世界的なバレエダンサー、
ルドルフ・ヌレエフや同じくミカイル・バリシニコフを
育てたのはこのアレクサンドル・プーシキンである。
ショージはチンコ・ラフィックがゆっくりとオープン
クラスに現れるとテンションが最高潮に上がり、その日が
とても有意義な気持ちになる。


稽古場に現れたラフィックをじっとショージは見つめる。
センターアダージオ(ゆっくりなテンポの踊り)が始まり、
ショージは自ら第2グループに入る。何故なら第1グループの
彼の動きを見たいからだ。長い足のその先の甲とつま先は
目を見張るほど美しく、しかも使い方がとても丁寧である。
他のダンサーたち(イギリスにおけるプロダンサーのサドラーズ
ウェールズ・ロイヤル団のバレエダンサーやロンドンシティ・
バレエ団のダンサーたち)とはスタイルが全く異なり、特に
顔を向ける角度など、動き一つ一つが重厚だ。


ショージが「お早う御座います!」と挨拶すると、彼は
手を上げて「 やあ、元気かい?」と応える。ラフィックの
瞳はグリーンがかったライトブルーで男の目で見ても実に
格好が良かった。
 ある時、ショージがコベントガーデンにあるカフェで
コーヒーも注文せずに友だちとバレエ談義をしていると
そこへ憧れのラフィックが「 やあ!」と、となりの
テーブルに来た。「ご一緒させてもらっても宜しいです
か?」とショージたちは図々しくも半ば無理やりに
一緒のテーブルに座ってしまった。ラフィックはプライ
ベートな話をする際、ゆっくりと話すのであまり英語が
出来ないショージにでも理解する事が出来た。
 
「プーシキン先生はどんな先生だったんですか?」と
ショージが唐突に聞いた。ラフィックは微笑みながら
静かに「偉大な先生だったよ…」と感慨深く答えた。
ラフィックの横顔と瞳に見入っていたショージは、この
大先輩の彼のバレエに対する深い情熱を感じた。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第33話

2024-12-08 08:16:26 | webブログ


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夜は火曜日から金曜日まで7時からです。土曜日は夕方の6時からです。
祭日は月曜日も他の曜日でも朝11時からです。


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第33話
文無しの男の生活
ショージは自分の服もバレエのレッスン着も洗剤で
洗濯した事がない。それは単に金がないので洗剤が
買えないだけだからだ。汗で濡れた稽古着は学校の
水道で洗い、それを家に持って帰って干し、次の日に
またレッスンが終わったら学校の水道で洗うと言う
そんな毎日だった。


稽古着ははゴワゴワだった。普段の服もドロドロ
だった。女の子が見たら「オエッ!」となるであろう。
でも、仕方が無かった。必死に働いてもロンドンでは
労働賃金は安く、それでも黙ってこき使われるしか
無いのだ。そう言った訳でショージは文無しだから、
首の調子が悪いとか身体の調子が悪くなっても病院にも
行けない。ましてロンドンで最高の整体師に治療して
もらうなど思いつきもしない。


ショージの足先は生まれつき良い形ではない。良い
つま先とは関節が非常に柔らかく、甲が出ていて足先が
しなやかに曲がる形だ。足先を伸ばせば矢じりのように
見える足、そして両足を伸ばして床の上に直接座った
時につま先が床にくっ付く状態。これがバレエダンサー
にとって憧れの足の形である。


しかしショージの足の形はまったくそんな理想とは
かけ離れており、両足を伸ばして座ると足の先端は
床につくはずもなく、つま先が天井に向く。バレエ
ダンサーになる夢を持つ人間としては非常にやるせない
気持ちになってしまう。例えどんな足先の形をして
いようがバレエを続ける事が本当は最大の難関であり、
それが出来うる人間が結局どんな人生にせよ、どんな
形にせよ実になるのかもしれない。古人いわく「継続は
力なり…」だ。ショージに言わせるとすれば「継続は
奇妙な実をつける」かもしれない。


1日3度のレッスンを終えると走ってバイト先の日本
レストランへ皿洗いに向かう。これをしないと生活が
成り立たないからだ。ショージは路上を歩きながら思った。
「バレエのレッスンだけに専念できたらどれだけ幸せ
だろう…そうだ!バレエ団に入れば専念出来るんだ!
よし、バレエ団のオーディションを受けてみようか…」
バレエ団に入りたいのはダンサーであれば皆、同じ
である。何処の国の人間であろうが、プロダンサーを
目指す者たちの夢なのだ。


だがショージは英国籍を持っていない。バレエ団に入る
ためには労働許可が必要になる。もし仮にショージが
ソリストやトップダンサーのプリンシパルとして認め
られたとしたら、労働許可は直ぐに下りると校長から
聞いた。しかしショージは諦めた。自分にそのような
才能があるとは思えないからだった。
(つづく)


ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!) 第32話

2024-12-07 08:10:22 | webブログ


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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
鰹節の香りのレオタード
第32話
ショージはバレエ学校に着いてから、更衣室に行き、
自分のバッグを開いてその中身を見て白眼を剥いた。
「ギョエーッ!?」ショージのバレエの稽古着が
ご飯と鰹節でまみれているのだ。それだけなら良いが、
鞄を開いた瞬間に更衣室にいた全員が「うわーっ!
臭っせ~っ!」と部屋から飛び出して行った。
ショージも思わず自分の鼻を摘まむほどだった。
取りあえず食べられそうな飯つぶはラップに戻した。
それだけが唯一の昼飯なのだ。


「稽古着からくっついて離れないご飯と鰹節を除去
しなければ…」ショージは、近くのゴミ箱にその
稽古着に付いた飯を手で摘まんで捨ててしまった。
これがまずかった。ごみ箱に放置した状態では
更衣室に臭いが充満してしまう。せめてビニール袋に
入れて捨てれば良かったのだ。だがショージは
そこまで繊細な神経を持ち合わせてはいなかった。


あらかた飯つぶが取れたところで、ショージは
その稽古着に着替えた。それしか稽古着が無いの
だから仕方がないのだ。稽古着は完全に鰹節の
臭いになっている。だからといってバレエを休む
訳にはいかない。


ショージが稽古着に着替え終わり稽古場に入って
行った。そしてウォームアップをしていると女の子
たちは「キャーッ!臭過ぎる~!」と大袈裟に
叫んで出て行った。ショージはその日以来、皆から
異様な目で見られるようになってしまった。そして
挙句の果てに「スティンキー・フィッシュ」(臭い魚)
と言うあだ名が付けられてしまったのだった。
(つづく)