半澤正司オープンバレエスタジオ

20歳の青年がヨーロッパでレストランで皿洗いをしながら、やがて自分はプロのバレエダンサーになりたい…!と夢を追うドラマ。

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第44話

2018-02-28 08:35:05 | webブログ
おはようございます、バレエ教師の半澤です!
http://hanzanov.com/ ホームページ
http://hanzanov.com/official/オフィシャル ウエブサイト)
皆様、2018年12月26日(水)に私の発表会があります。
もし、良かったら出演してみませんか?バリエーションでも良いですし、
グランパドドゥでも良いですよ!もちろんコンテンポラリーでも
良いですし、オペラでも舞台で歌います?
どうぞ、どんどん出演してください。
私のメールアドレスです。
rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

連絡をお待ちしてますね!!
http://fanblogs.jp/hanzawaballet3939/
朝は11時から初中級レベルのレッスン、夕方5時20分から初級レベルの
レッスン、夜7時から中級レベルのレッスンがあります。
皆さま、お待ちしております!

Dream….but no more dream!
半澤オープンバレエスタジオは大人から始めた方でも、子供でも、どなたにでも
オープンなレッスンスタジオです。また、いずれヨーロッパやアメリカ、世界の
どこかでプロフェッショナルとして、踊りたい…と、夢をお持ちの方も私は、
応援させて戴きます!
また、大人の初心者の方も、まだした事がないんだけれども…と言う方も、大歓迎して
おりますので是非いらしてください。お待ち申し上げております。

スタジオ所在地は谷町4丁目の駅の6番出口を出たら、中央大通り沿いに坂を下り
、最初の信号を右折して直ぐに左折です。50メートル歩いたら右手にあります。

日曜日のバリエーションは「ドン・キホーテ」よりキトリの友人の踊りです。
大きなジャンプからのジャンプで攻め、そして難易度の高い回転と続きます!
私も大好きなバリエーションです。皆さんと一緒に学びましょうね。
ではクリスタル・ルームでお待ちしておりますね
連絡先rudolf-hanzanov@zeus.eonet.ne.jp

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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
ミスターチンコ・ラフィックの話に愕然!
第44話 
時折やってくる、憧れの元ロイヤルバレエ団のプリンシパル
(バレエ団の最高位)のミスター ラフィックが、「やあ…
ショージ、レッスン後にカフェでも行こうよ…」
と誘ってくれた。嬉しさで胸がいっぱいであった。
憧れのスーパーダンサー、ミスターチンコ・ラフィックがだ。
目がとても印象的で身長が185センチもの長身だ。

ラフィックとカフェに着くと、ゆっくりとラフィックが
話し出した。「パスィから聞いたよ…ショージはスコティ
ッシュ・バレエ団へは、労働ビザが出ないから行けなく
なってしまったんだってね…。残念な事だとは思うけど、
イギリスは今厳しいからね。ところで僕がまだロシアに
いた頃、キーロフ時代の友人が、イタリアでバレエ学校と
バレエ団をしているんだ…。彼の名前はマリネルと言って、
ルーマニア人で非常に素晴らしいダンサーだよ。かなり
変わった性格だけど彼の踊りは素晴らしい…。
バリシニコフと一緒のコンクールで二人同時に金メダル
だったんだ…。だから金メダルは半分に割って、
それぞれに分けたんだよ…。その彼が今度ロンドンで
オーディションをするらしいからショージも受けて
みなさい…。」

ラフィックの話しを聞いてショージは驚いた。
「バリシニコフと金メダルを半分ずつだって!? 」
だが例えそのような素晴らしいダンサーがロンドンで
オーディションをしても、きっと素晴らしいダンサー
しか連れていかないであろう。しかしラフィックと
話しが出来るのは至福の時間であった。「ラフィック
さん、分かりました…ありがとうございます!僕、
受かるとは思いませんが頑張ってやってみますね!」
ラフィックはしみじみと言った。

「僕も現役に戻りたいな…この歳になっても、バレエ
レッスンを受けるのはそれほどバレエが魅力あるから
なんだ…僕はバレエが大好きなんだよ…」ラフィック
の横顔を見るショージ。「この人は多分、40代後半
なのかな…?なんて渋くて甘味を醸し出すハンサムで
ダンディな大先輩なのか…。」顔がイギリス人俳優の
アンソニー・ホプキンスとバリシニコフを足して2で
割ったような感じだ。

 やがて、ルーマニア人ダンサーで今ではバレエ団と
バレエ学校を営むマリネルと言う男性ダンサーが
イタリアからオーディションの為にコベントガーデン
に来た。しかも、ショージの通っていた学校内の
スタジオでオーディションをすると言うポスターが
張り出されたのだ。「よし、やるしかない…
それしかない!」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第43話

2018-02-27 09:10:24 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
背水の陣、落ち込んでいる時間はもう無い
第43話
人間というのは、夢が吹っ飛んでしまって生活が
脅かされるその瞬間は、深い絶望感と恐怖から言葉
などなくなり、ただ震えてしまう。ショージは
しばらくの間、学校の地下にある更衣室で誰とも
話さず、ただ独り絶望感に打ちのめされて泣き震えて
いた。

だが今日の食べ物は今日中に探し出さなければなら
ないほどの貧困だった。それがまず一歩を踏み出す
引き金になったのだ。 人間は動物の本能である
「生きる」という事だけに焦点を合わせる事が出来る。
動かざる者生きるにあらず、働かざる者食うべからずと
ショージは教わって来た。頭を抱えて泣いたり時間を
掛けて悲しみを味わっている余裕など今のショージには
無かった。他人に相談してみても何も解決はしない。

リージェントパークの日本レストランへはもう戻れない
と決めていた。例えばもしショージが日本人の責任者
であるシェフに頭を下げて「すみません、バレエ団から
労働許可がおりないから、またこの店で働かせて
ください」と願ったとしても、いずれ労働許可が
おりるチャンスが巡って来た時には、ただちに店を
辞めなければならないのだ。そんな良い加減な男に
仕事をくれるはずもないと分かっているからだ。

ウォンがこっそり作ってくれたおにぎりがどれだけ
助かった事か…それを想うとショージは目が熱くなった。
ウォンの様な温かい人には滅多に出会う事が出来無い。
悲しい事だが、もう店には戻れないと自分で答えを出した。
「そうなると新しい

バイト先を見つけなければいけない…!出来る事なら
コベントガーデンに日本レストランがあれば、時間短縮
になりバレエのレッスンの後直ぐにバイトに行けるん
だけどな…」

くまなく探し歩き、暫くすると「ありゃっ?」実に
灯台元暗しで、意外にコヴェントガーデンから近い
場所に日本レストランを探し当てた。学校から歩いて
行けるとても近い場所であった。
早速、「バイトをさせてください!」と掛け合うと、
接客という形でオーケーが出た。ショージはキッチン
の方の仕事に入れて貰えた方が本当は嬉しかった。
何故ならば、ご飯または客には出せないおかずや
捨ててしまう料理の失敗作などを持ち帰れる事を
望んでいたからだ。しかしこの際どうこう言っている
時ではなかった。何でも良いから早く働いてアパート代
と地下鉄とバスの定期代を稼がないと本当に生きて
行けなくなってしまうからだ。それにしてもラッキー
だった。まさか自分の拠点地の直ぐ近くに日本レスト
ランがあるとは思いもしなかった。ショージはその日
から仕事をさせてもらい、最初の一週間の給料は
その日払いで貰えるよう店の責任者と交渉した。

これから働く日本レストランの中には食事をする
場所と同じ階にカラオケバーがあり、そこのカウンター
の中でショージはバーテンとして働いた。以前、
東京で同じような仕事をしていた経験がありバーテンの
仕事は手慣れていた。

時給は1ポンド。日本円で350円。日本のバイト
なら時給が確実に800円以上は貰えた。イギリスでは
10ペンスが10枚で1ポンド。20ペンスあれば小さな
ポテトチップが買える。30ペンスあればコロッケが
買えた。この国は物価がとても高い。1ポンドは日本円で
500円くらいに相当する。それにしても1ポンドは
低過すぎだった。だがどんなに時給が低かろうと
ショージには文句が言えなかった。他に仕事は無いし、
今のショージには選択権など無いのだ。

アパートの電気は部屋に備え付けてある料金箱の中に
コインを入れれば電気が点くようになっているのだが、
金を入れた試しは全くない。その金額は半日で50ペンス。
ショージのポケットには30ペンスしか入っていない。
コロッケが買える金…それが全財産である。

新しい仕事をこなしながら少しずつ毎日のペースを
戻した。日々の流れはやはりバレエがメインドリームだ。
オープンクラスには休む事なく通っていた。それは
教師のビビアンと旦那のパスィ先生がショージだけに
限り、レッスン料金を免除してくれたお陰だった。
ビビアンもパスィも、ロンドンではトップ人気の
オープンレッスンをしており、この2人の温かい
援助がなかったらショージはバレエを続けていられ
なかったかもしれない。
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第42話

2018-02-25 07:37:09 | webブログ
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ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)
第42話
週が明けて友人がイギリス版「ダンスマガジン」
と言う雑誌を見せてくれた。そこには特報として、
「Shoji Hanzawa, Scottish Ballet as soloist 」
(ショージハンザワ、スコットランドバレエ団と
ソリスト契約)と書いてあり、ショージは驚いた。
どのようにして雑誌社の編集部はそんな事が直ぐに
分かったのだろうか。

1985年 3月 最早、絶望…

コベントガーデンのオープンバレエレッスンへ通う
日々、ショージは新しい仕事場であるスコットランド
へ旅立とうと希望で胸を膨らませていた。21歳に
なった。 渡英した時から、バレエのタイツと
シューズ、やる気と夢の他には何も持っていない。

ショージが住んでいる安アパートの小さい空間は
ガランとしていて、本当に何も持っていないとは
この事だ。朝早くから薄い布団を跳ね除けて
「よっしゃ~!」と飛び起き、「そうだ!部屋を
綺麗にしないといけないな…」しかし部屋の片づけ
などは、全く必要がないほど生活用品は何もなかった。

「中国人の オーナーにスコットランドへ引っ越す
事を伝えておかなければいけないな…」翌日、学校の
校長に挨拶をしに行くと、何やら校長が心苦しそうな
表情でショージにゆっくりと言った。「ショージ
、労働許可がどうしても国からおりないのよ…
スコットランドのディレクターのピーター・ダレル氏も
かなり掛け合ってくれたのに…とても残念ね…。」

ショージは耳を疑った。「ど、どういう事だろう?
仕事が出来ないって!?僕は先週でバイト先を辞めて
しまったよ…ど、どうしたらいいんだろう?」担任の
教師であったビビアンのオープンクラスでレッスンを
すると、レッスン後にビビアンが、「ショージ、
話しがあるわ…カフェに行きましょう」

カフェとは、そのバレエ学校の一階、稽古場の直ぐ
脇にあるグランフロアの中にある小さな店と椅子が
5脚ほどおいてある所で、ビビアンが静かにじっと
ショージを見ながら言った。
「ショージ…話しは校長先生から聞いたわ…オ~、
ショージ、とても 残念でしょうけど、イギリスわね、
沢山の失業者がいて、イギリス籍を持たない外国人
にはとても厳しいのよ。でもね、イギリス人の女性と
結婚すればイギリス籍を取れるわ。一緒に暮らさ
なくても結婚してくれる人がいると言う話を私は
聞いた事があるのよ。ショージ、結婚さえすれば
あなたは自由に仕事をする事が出来るようになれる
のよ、それしかないわ!」

「ビ、ビビアン先生…僕が結婚ですか!? 考えられ
ないです…でも、心配して頂きありがとうございます…」
ビビアンに頭を下げ、心配して自分を黙って見続ける教師の
元からショージは立ち去った。

「ああ、進退極まったとはこの事だ…もはや絶望だ。
ああ、何故こんな事が起きるんだろう。労働許可証が
もらえないだって?仕事が見つかったのに労働許可証
が出ないのなら仕事が出来ないだけではなく、仕事を
見つけても意味が無いと言う事じゃないか!じゃあ、
僕はこれから先、バレエ団で働けないって事なのか。
ずっとこの国の日本レストランの店の主人に足元を
見られ、雀の涙ほどの僅かなバイト代を稼いで生きて
いかなければならないのか!?僕は何と言う所に
来てしまったのか!バレエも出来なきゃ、着る物も
無く食べる物さえ無いじゃないか!日本に帰る金も
無ければ生きて行くのに必要な最低限の物さえ
買えない生活がこれからもずーっと続くのか!
何て事になってしまったんだ…」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第41話

2018-02-24 08:43:25 | webブログ
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日曜日のバリエーションは「ライモンダ」より2幕から夢の場、のバリエーションです。
ローザンヌ・バレエコンクールでも課題曲になったスローな踊りですが
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アンビリーバボ-!こんな事ってあるんだ!
第41話
スコティッシュ・バレエ団と言えばスコットランドの
名門だ。そんな有名なバレエ団に入れるだけでもとても
凄い事なのにまさかのソリスト契約だ。ショージには
何か夢でも見ているように思えた。ピーター・ダレル氏
と秘書が「再来週にはスコットランドのグラスゴーに
来て下さい。契約書は直ぐに送ります」ショージは
説明を聞きながら、喜びで天にも昇るような気持ちで
一杯になった。

頭の中もポーッとさせながらコベントガーデンに戻り、
学校の校長室に向かうと階段ですれ違った赤毛で
そばかすがチャーミングなエレーナが笑顔一杯に
「ショージ、おめでとう!」ショージは「え?何の
事がおめでとうなんだろう…」頭をかしげて校長室に
向かった。

部屋の前に校長や秘書、他の生徒たちもいて
ショージを見つけるなり「うわーっ!おめでとう!
スコティッシュおめでとう!」ショージは驚いた。
「えっ、何で、どうやってこんなに早く知っている
んだ?」 皆に「ありがとう…」と、そして校長の
ミス・アダンにも「本当にありがとうございました、
お世話になりました!」と伝えた。

すると校長に「契約書は?」と聞かれた。ショージは
「後で送ってくれるそうです」と答えた。そして
校長室を出て階段を下り、1階でオープンクラスを
受け持つビビアンがレッスンの指導を終えるのを待ち、
先生に結果を報告した。ビビアンも大変喜んだ。

それからバイト先へ向かった。日本レストランの
厨房の奥には、10数名の韓国人の労働者たちが
相変わらず疲れきった表情で働いていた。いつも
ショージのためにこっそり食べ物をくれるウォンに
「スコットランドのバレエ団のオーディションに
受かったよ!」と伝えるとウォンが韓国語で皆に
「ショージがバレエ団に受かったんだって!」
と大きな声で言うと、厨房の奥で働く十数人の
韓国人の皆は重苦しい表情からパッと顔を輝かせ、
一斉に「うわーっ!」と歓声を挙げて喜んだ。
自分の事のように喜んでくれる皆の明るい表情が
ショージには堪らなく嬉しかった。

厨房の責任者である日本人のシェフに「今週
いっぱいで皿洗いのお仕事を辞めさせてください。
私はスコットランドのバレエ団で働く事になった
のです。勝手を言って申し訳ありません」と
伝えるとその責任者は渋い顔をしながら仕方が
無いといった表情で了承した。

シェフの向こう側ではウォンがおにぎりを作って
待っていた。「これさ、今日も持って帰って食べ
なよ。お腹が空いてんだろ?」ショージはありがたく
そのおにぎりを受け取った。ショージはウォンに
礼を言い、また厨房で働く先輩たちの韓国人の皆の所へ
行って頭を下げながら日本語で言った。「とても
お世話になりました。本当に皆さん今まで
ありがとうございました!」
(つづく)

ブルーカーテンの向こう側…(男バレエダンサーの珍道中!)第40話

2018-02-23 10:09:26 | webブログ
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第40話
 ロンドンバスに乗ってダンスワークスでも人気がある
バレエ教師、アナ・デポアソンのクラスも参加していると
壁にポスターが張り出してあり、「スコティッシュ・バレエ団
ソリストオーディション」とあった。「ソリストか…無理
なのは分かっているけれどやってみようか?いやいや、
落ちるのが分かっているのに更に自分が落ち込むだけかも…
んー、やっぱりやる!雰囲気だけでも勉強になるじゃないか!
どうせ駄目で元々さ!」

大抵、オーディションには百人以上来るのが普通だ。
ショージはバー・レッスン審査で落とされるのを覚悟で
挑戦する事に決めた。

スコテイッシュバレエ団のオーディション!駄目で元々!

当日の朝、スーツケースの奥で眠っていた真っ白の
全身総タイツを出した。ロンドンに来て以来、真っ白な
全身総タイツ姿のダンサーはまだ見た事がなかった。
「どうしようかな… ちょっと目立ち過ぎちゃうし、
控えめのダークタイツにしようかな?えーい、真っ白で
アピールだっ!」指定の場所に行くと意外に人数は少なく
50名程か。

やはりソリストのためのオーディションともなると、
誰でも腰が引けてしまうのだろう。ショージは自分が
立つバーの場所を探して、ウォーミングアップを始めた。
すると秘書とディレクターであろう、ピーター・ダレル氏
が入って来た。その場の空気が一気にピーンと張り詰めた。
ショージは緊張で審査員には目も合わせる事が出来なかった。
そしていよいよバー審査が始まった。一連の動きは
ショージが得意としているパターンで、速過ぎず複雑
過ぎず、ゆっくりとしたバランスなどがあり、審査の
結果、7人が残った。ショージも辛うじて残ることが
出来た。

センターエクセサイズのアダージオ(ゆっくりの踊り)
は全員一緒であったが、ターン、つまりピルエット
(回転の技術)のワルツは、一人ずつの審査でアレグロ
(速いスピードの踊り)も一人ずつ。 間違えないように
しなければいけないので緊張状態は頂点に達した。
次の、グランジャンプはショージの最も得意とするもの
である。ここぞとばかり思い切り飛んだ。

空中回転のトゥール・アンレールを済ますと、アラセ
ゴンターン(片足を身体の真横90度に上げて回転)を
した。最後にはピーター氏本人が出てきて、モダン
ダンスの振り付けをして一人ずつの審査となった。
最後まで残れて良かったのだが、やはり結果が
心配だった。暫く休憩があり審査は終了した。赤毛の
イギリス人のダンカンが呼びだされ、何やら簡単に
話が終わった。

ショージは完全に駄目だと思っていたので、着替え
ようとしていた時、「ちょっとそこの人、こっちに
来て!」みんな立ち止まって顔を見合わせた。「そこの
人です!白いタイツの人!」ショージは辺りを見回した。
「え、白いタイツ? 白いのは僕だけ…え?嘘?え…
や、やった!」

ピーター氏は笑顔でショージを迎えた。そして秘書が
言った。「あなたをソリストとして採用します」
(つづく)