ちょくちょく、NHKの「歴史秘話 ヒストリア」という番組を見るのだが、この番組のエンディングテーマソングが、実にすばらしい。
気になって調べてみたのだが、タイトルは「symphonia」という曲で、名義はKalafinaというユニットらしい。
ゆったりとして、広がりのあるメロディラインが実に私好み。
で、翳りがあり、インテリジェンスも感じるし、品格すら感じる。
曲の展開も独特のセンス。途中での転調以後のメロディの展開も見事。
冒頭、そして曲の前半部分だけでも十分に広がっているのだが、途中の転調部分から、更に広がって、聴き手を包み込んでくる。
番組の中でこの曲を聴いた人が大半だと思うが、それだと番組最後の「語り」とかぶっているので、一度この曲を音源だけで聴いてみてほしい。
この曲の素晴らしさを、しみじみ実感するのではないだろうか。
ヒットチャートの音楽には、細かいリズムと細かいメロディ、細かい歌詞(というか言葉)の楽曲が多いが、そういう音楽があふれている中で、こういう曲が流れてくると、心が洗われるような思いだ。
歴史上の事件や出来事や人物が大きな時の流れの一環であるなら、この曲の持つスケール感は歴史系番組にはピッタリだと思う。
私がこの番組を好きなのは、この番組が歴史上の出来事や人物を取り上げて、締めとして最後にこの曲が流れるから・・というのもある。
番組で取り上げた歴史上の出来事や人物のエピソードが切なかったり悲しいものであれば、この曲はその切なさや悲しみを更に深く視聴者に伝え、偉大なものであれば、その偉大さに新たにリスペクト感を強くする。
また、エピソードが希望的なものであれば、愛しさや好感を強くさせる。
この番組そのものを大きく格調高くしている楽曲だと思う。
やはり私は、こういうニューエイジミュージック系の音楽が大好きなんだなあ。
個人的には、私が敬愛するマイク・オールドフィールドにも通じるものを感じる。そんな点も私を惹きつけている。
この楽曲、このアレンジを作った人は、もしかしてマイク・オールドフィールドがお好きかもしれない。
こういう曲がヒットチャートに登ってきたら、いいだろうなあ。
ヒットチャートが、こういう楽曲をも受け入れてくれたら、ヒットチャートもまんざら捨てたもんじゃないと思えるのに。
それにしても、歴史検証系の番組は、昔からたくさんあるね。
「歴史への招待」「知ってるつもり?」「その時、歴史が動いた」、そして「ヒストリア」。もちろん、これらの他にもたくさんある。
単発の特番も含めれば、相当な数になるだろう。
取り上げられるテーマや人物は多数あれど、何度も取り上げられるテーマというのもあり、それはその題材が人気が高いから。
となると、こういう歴史検証番組では、同じ題材でも、「視点」「切り口」がキモになってくる。
中には使い古された視点や切り口もあるだろうし、考えるスタッフも大変だろうなあ。
それは、その番組の音楽を担当する人にも言えるんだろうね。
ともあれ、私にとっては久々のホームラン曲。
何もかもが、好み。
ちなみに写真は、「ヒストリア」で扱われた題材をコミック化した作品を収録した文庫本サイズのコミック本。