糸満市の南部病院あたりで国道331号線から分岐して、
名城の住宅地域を通り抜け、
畑の中の道路を少し進むと名城ビーチに到着します。
前日に泊まった小さな島のような瀬良垣ビーチと違い、
典型的な海岸線の砂浜です。
キャンプができるのは同じですけどね。
親子連れの家族が砂浜で遊んでいるのを見ましたが、
夕方ということもあってか泳いでいる人はなく、
キャンプするお客さんは瀬良垣ビーチ同様、
自分一人でした。
ま、営業はしているんだけど、
6月下旬でしたからシーズン前だったのでしょうね。
今回も貸し切り状態です。
とはいえ、キャンプ場に指定された場所が広いもんだから、
どこにしようか迷ったほどでした。
砂浜に木がポツンポツンと立ってるだけで、
ウロウロしながらいろいろ考えたのですが、
とにかくテントの杭を固定できるような、
砂ではない地面を探して設置しました。
海岸線から離れており、
どちらかというと畑に近い場所だと思います。
ここは海水浴場でもありますから、
いかにも昭和テイストな食堂や更衣室がありました。
ただし、午後5時ごろという時間が時間だけに食堂は営業していません…
ま、これは予想していた通り。
それよりもシャワー室もあることに気付いて、
そのまま使わせていただきました。
有料だったか無料だったかは覚えていません。
昨日から体を洗ってないんですよね、
ずっとマウンテンバイクで走ってるのに…
汗はだいぶかきました。
そしてすぐ乾きました。
もちろん水分補給は欠かさずにしましたよ。
黒いTシャツだったら、
まず間違いなく塩田が出てきたでしょうね。
とにかくサッパリしようと思い、
シャワーを浴びたのですが…
海水浴客用のシャワー室だから、
お湯が出ないんです。
水着のままで浴びるタイプとでもいうのでしょうか、
5個ぐらいのシャワーがずらりと並んでいるだけですから。
ま、これはお湯があることを期待した自分が、
ただ単に無知だっただけですけど、
ちょっと冷たかったですね。
いや、いくら6月下旬の沖縄とはいえ、そ
の冷たさを我慢しなければならないほどでした。
あくまで海水浴客用ですから仕方ないです。
でも今となっては、
これはこれで楽しい経験になったと思います。
だからはっきりと覚えているんですね。
もうそろそろ暗くなるなって感じの時間帯だったので、
近くに定食屋なんかないかなと、
マウンテンバイクで動き出そうと思いました。
この時点ではもう、
糸満市街へ行かないとダメかもってわかっていましたので。
名城周辺はいわば農村漁村地帯だし、
とりたてて観光客が来るような場所もありませんでした。
それはそれで好きな風景ですけどね。
ここから市街までならそう遠くないので、
とりあえず出発しようと思いましたが、
偶然にもユニフォームを着た警備員のおっちゃんと遭遇。
挨拶がてら、
周辺に定食屋さんがないかどうかも聞いてみました。
その警備員さんは地元の人らしく、
「ここらへんにはないよ」という返事をいただきましたが、
そのあとはず~っと、
ホントにず~~っとしゃべってくれました。
30分以上しゃべってましたね。
話したら止まらない人なんです。
皆さんの周りにも必ずいるタイプの人だと思います。
内容はあまり覚えてませんが、
名城地区や名城ビーチの歴史といったものを聞いていましたね。
台風でビーチが全壊してしまったものを、
自分たちが総出で補修したことや、
波にさらわれて溺れてしまった子供を助けた話とか、
悪ガキの不良どもが夜中侵入して施設のものを壊していったとか、
そんな感じの話でした。
自分は「そうですか!なるほど!はい!」
の繰り返しだけです。それくらいの勢いがありましたね!
合いの手を入れるように、ただ相槌を打つだけでしたが、
だからといって飽きる話でもなかったです。
見た目は50~60代だった警備員さん。
どこの誰かは全くもって知りませんが、
25年後の今も元気でしゃべりまくっているのかな?
ちょっとした一期一会的な出来事でした。
警備員さんのインパクトが強すぎたせいか、
糸満市街での夕食はほとんど覚えていません。
どこかに行って何か食べたのは確かなのですが、
全然思い出せないんです。
前にも書いたかもしれませんが、
そもそもグルメ関係にはあまり興味がわかないんですよ。
「長崎にきたからには、やっぱりチャンポンだな!」といいながら、
結局はリンガーハットへ行ってしまうヤツなもんで…
夕食から帰ってきた時はすでに日が落ち、
完全な夜になってしまいました。
あとはもう寝るだけですね。
午後9時ぐらいだったと思います。
ここ名城ビーチは真っ暗だった瀬良垣ビーチと違い、
所々に街灯みたいな照明がありました。
だから真っ暗闇ってわけでもないんですよね。
朝からずっとマウンテンバイクで走りましたから、
とりあえずテントの中で横になりました。
特に何もすることがないから、
そのままグダグダしながら寝て、
また太陽が昇ったら起きようかなってな感じです。
しかし、思わぬ敵がやってまいりました。
蚊がとんでくるんです。
しかも一匹や二匹じゃございません。
数十匹、いや数百匹の集団が!
隙間だらけのテントの中へ、
プ~ンプ~ンと…
いやプルル~ンプルル~ンかな?
数百匹の蚊の集団がたてる音の表現が浮かばない…
それはもう、ひっきりなしに飛んでくるんですよね。
当然、蚊取り線香なんて持ってません。
虫よけスプレーもしかり。
ていうか、なんでそんなにいるのか?
さっぱりわかりません。
ただ、テントを設置した場所がキャンプ場と畑の境界線付近で、
そこは地面が比較的固い場所だからこそ、
テントを張りました。
それに、その境界には藪みたいなのがラインを形成していましたね。
海岸に遠く畑に近いという位置関係です。
だからその藪あたりから出てきたんじゃないかと思います。
しかもシャワーを浴びたとはいえ、
人間の体臭がいつもよりキツかったことも、
原因の一つかもしれません。
むさくるしい野郎だから、
よっぽど臭かったんでしょうねぇ~
どうしようもないからテントごと場所を移動。
ここなら蚊はいないはずだと、今度は海岸線のほうへ。
街灯があったおかげで移動・設置は比較的簡単でした。
畑に遠く海岸線に近くという位置ですね。
夕方あたりから風が吹いていました。
蚊なんか簡単に吹き飛ばすぐらいの風だったので一安心。
でもね、
海岸線に近いから遮蔽物がないんですよね。
しかも地面が砂浜だから、
テントを固定する杭がユルユルなんです。
台風なみの強さまでとは言えませんが、
そのような状態だからテントが吹き飛ばされないようにと、
太い木にあり合わせのロープで固定しようと、
半分グルグル巻きな状態でテントを張りました。
どうやったかはもう忘れてしまいましたがね。
そんなこんなで寝床は確保。
一息入れようと数百歩先まで歩いて、
真っ暗な海岸の波音を聞いていました。
左手には喜屋武港という小さな漁港がありまして、
何をしているのかは全く分かりませんが、
懐中電灯の光がチラホラするのを眺めていました。
しかしなんだろう?
夜釣りかな?銛で魚をついてたのかな?
そんな光景を見つつ、
再びテントの中に入って眠ることにしました。
波の音や風の音がちょっと騒々しかったですけど、
いつのまにか寝ちゃいました。
当の本人はあまり感じなかったけど、
やっぱり疲れてたんでしょうね。
追伸
2019年現在の名城ビーチは閉鎖されてしまいましたね。
いつからかはわかりませんが、
施設とかも廃屋状態です。
しかもリゾートホテル建設が計画中のこと…