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大石沙弥香は後進を育てる

2020年06月16日 06時00分00秒 | アルビレックス新潟レディース
大石沙弥香、とうとう現役引退ー。

2013シーズンのアルビレックス新潟レディースは、就任1季目の能仲監督と選手たちと溝が大きくなってしまい、成績が芳しくありませんでした。
2部リーグ降格必至の吉備国際大学Charme岡山高梁に完敗して、プレナスなでしこリーグ1部残留の雲行きが怪しくなった9月・10月は、最低の雰囲気に。
どうにか窮地を切り抜けましたが、その際に大石沙弥香引退観測が出たのでした。
というのは、リーグホーム最終ゲームが終わった後の選手あいさつに立った大石沙弥香が「新潟はこんなもんじゃない!皇后杯をみててください!」と涙ながらに巻き返しを誓ったからです。
新発田市五十公野公園陸上競技場はざわついたものです。

彼女は2010シーズンに右ひざ前十字靱帯を損傷、2012シーズンに左ひざ前十字じん帯損傷。
左右の膝前十字を傷めたのです。
2013シーズン時点で28歳、女子選手であればユニフォームを脱いでも変じゃない年齢だし、左右両足がそんなことになって試合にもそう出られなくなったし、これは引退決意の上での挨拶なんだろうという憶測が出たのです。
が、既にお分かりのように、それはなく2019シーズンまで新潟でプレーしたわけですが、あのときは、まことしやかに思われたんですよね。

けれども、その後も年中行事のように、「沙弥香は今シーズン限りで」話が出るのですが〝ネタ〟に近いものでした。
が、2019シーズンのリーグ最終戦後の挨拶で、またもや大石は引退すると受け取られかねない声のトーンで話したのです。
さすがに今度こそ、引退か。
果たしてそうなりました。

でも両脚にメスを入れて、そこから復活して7シーズンもプレーしたのです。
出色なのは2014~2015シーズンにおけるポストプレーの安定感、成熟ぶり!
彼女が高い確率でボールを収めてくれるので、実に効果的に得点を重ねられました。
新潟はそう得点力があるほうではありませんが、2014季は1試合平均1.5得点、2015季は1.3得点を記録。
それもあって、2014シーズンはリーグ戦3位、2015シーズンは4位で皇后杯準優勝。

圧巻だったのは、2014季のリーグラストマッチの対浦和レッドダイヤモンズレディース戦。
浦和は負けてもリーグ制覇できる有利な状況で、新潟を迎え撃ちました。
とはいえ白星で優勝を決めたいのが人情。
その〝空気〟を破壊したのが大石で、彼女がゴールを陥れて新潟が勝利。
結果、浦和は負けたけどリーグチャンピオンという、締まらない終幕になったのです。

大石沙弥香が新潟に加入したのは、不景気でTASAKIペルーレが廃部になったのが直接の原因。
佐伯彩とともに新潟に移籍し、計11シーズンにわたって在籍しました。
2度の重傷を乗り越えて、日本女子サッカーリーグ1部通算200試合出場は立派な記録です。

これまでありがとう。

そして大石はアルビレックス新潟レディースU-18とU-15のコーチに
実態はレディースU-15監督です。
不屈の闘志と努力で結果を残してきた彼女です、後進の育成ぶりにも期待が高まります。

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