本題に入る前に、皆さんに紹介した書籍があります。
題名は
『日本でいちばん大切にしたい会社』
執筆者は法政大学大学院教授の坂本光司さん。
専門は経営学。
本の内容を端的に説明すると、“日本には、こんなにも従業員を大事にしている中小企業が、日本には存在しているんです”というノンフィクション。
非正規雇用者の増加、派遣労働者切り、果ては正社員の大量解雇なと、世の中、失職者が増えるというニュースばかり。
<松下幸之助翁など、過去の立志伝中の経営者は、どんなに経営が苦しくとも、絶対に従業員をクビにしなかった。
それなのに、最近の経営者ときたら、株主の顔ばかり伺って、人員整理ばかり。
嘆かわしい>
という論を、最近よく耳にします。
しかし、しかし、全ての企業が等しく解雇しまくっているわけじゃなく、昔ながらの家族経営で雇用を大事にし、それでいて業績は文句なしに良いという企業も一方で存在しているんですね。
『日本でいちばん大切にしたい会社』には、そういう事例が報告されているのですよ。
その中でも、最も心揺さぶられたのが、「日本理化学工業」という会社の雇用例。
この会社、『粉の出ないチョーク』という製品を開発し、それが大ヒット。
ほら、チョークの最大の難点は、粉が出ることじゃないですか。
それが出ないってんだから、需要が大きいのは当然。
おかげで、この不況の中、確固たる利益を上げています。
で、日本理化学工業の驚くべき点は、従業員の70%が知的障害者だということ。
法律が整えられ、企業というのは、障害者を雇用することが求められているけど、実際に身体障害者・知的障害者の方々が、健常者に混じって働くというのは、非常に珍しいこと。
もし雇ったとしても、全従業員の中で1割に達せば良い方です。
それが、この会社は、職員の7割が知的障害者だっていうんですよ!
吾輩は2007年の夏、知的障害者サッカーというものを知り、実際にゲームを観にも行きました。
吾輩が知的障害者の方たちのスポーツに関心がある、それを知っていた職場のお仲間さんが、『日本でいちばん大切にしたい会社』という本を紹介してくださり、そしてそこに書かれていた日本理化学工業のことを教えてくれたんですよ。
いやあ、実に良い本を教えてもらいました。
簡単に経緯を説明しますと、映画『3丁目の夕日』の時代、日本理化学工業を養護学校の先生が訪れて、是非、うちの学校の生徒を雇って欲しいと懇願しに来たんだそうです。
現代でもそうだけど、知的障害者には偏見があります、差別意識があります。
50年前ならば、もっとそういう意識が強いです。
それで、雇えませんと追い返したんだけど、その学校の先生、めげずに雇ってくださいと必死に訴えるんです。
“この子たちは就職できないと、施設に入れさせられて、一生、働く意味も喜びも知らないままで終わってしまうんです。
どうか、働くという経験をさせてください”
日本の障害者に対するスタンスは、「閉じ込め」です。
障害者は外を出歩くと、なにかと大変―
好奇の目にも晒される―
だから、施設の中に閉じ込めるのが一番―
これが、日本の福祉行政の実態です。
最近になって、宮城県の前知事の浅野さんなどが、障害者を施設の外に出そうという「ノーマリゼーション」を提唱しだしましたが、とにかく、障害を持っている人たちには、働くことをさせないというのが、当時の〝常識〟だったわけです。
でも、養護学校の先生は、それを許せなかった。
そこで、日本理化学工業に就職をお願いしたんですね。
で、じゃあ雇用体験をさせましょうと、2週間ほど働かせたんだけど、そうしたらその知的障害者が一心不乱に働くんです。
その様子を見た健常者の従業員は心動かされます。
“2週間だけの雇用じゃ可哀想だ、一生懸命に働いてるじゃないですか”と社長に掛け合い、晴れて正社員に。
そして、このことがきっかけとなり、同社は積極的に知的障害者の人たちを雇い入れて、遂には全社員の7割にまで達したんですって。
これはあくまで大雑把な流れで、より詳細なエピソードは、『日本でいちばん大切にしたい会社』の文章を読んでください。
泣くよ、泣いちゃうよ。
これで、万感迫るものが来ないやつは、人間じゃないね。
この本に紹介されている他の企業のエピソードも感動モノだし、雇用って何?職場って何?ってのを考えさせてくれます。
書籍の代金は1470円で、「あさ出版」というところから出ています。
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では本題です。
10シーズンもの間、低迷している明治大学ラグビー部が、吉田義人を監督に招聘することになった。
このニュースを、サンケイスポーツ新聞じゃなく、スポーツ報知新聞がスクープしたのにはビックリしたけど、後追いする形で、スポーツニッポン新聞もサンスポも、<吉田義人が明大の再建を託される>と報じたので、内定したも同然なのだろう。
この監督人事に、明大OBのCさんとYさんは、大喜び。
そりゃそうだ、あの吉田が指揮官になるのだから、メイジのファンが歓迎しないわけがない。
敢えて他のジャンルで喩えれば、讀賣ジャイアンツの監督に長嶋茂雄、中日ドラゴンズの監督に星野仙一、名古屋グランパスの監督にストイコビッチ、清水エスパルの監督に長谷川健太、がそれぞれ就任したようなインパクトと意味があるんだ。
YさんもCさんは、かねがね“吉田が監督にならないかなぁ”と漏らしていた。
ワセダが、清宮克幸の手で復活を遂げたのに倣い、メイジも吉田の指導で覇権を取り戻してもらいたい、そう願っていた。
きっと、多くの明大ラグビーファンが、吉田監督誕生を待望していたはずだ。
いわば、切り札を遂に投入したといったところ。
でも、危ない面もある。
もしも吉田監督で結果が出なかったら、その反動はとてつもないものに。
生え抜きのスターを監督に据えるのは、そうじゃない人が指揮官に就くよりも「ハイリスク・ハイリターン」だからね。
それと、仮に吉田監督誕生となっても、今までの明大ラグビー部監督のように、『パートタイマー』だったら、効果は無いも同然。
けども、吉田は今の仕事を辞めて、監督業に専念する意向だとか。
即ち、フルタイムで指導に当たれる。
実は、監督が誰になるかよりも、こっちのほうが、意味は大きい。
他の大学が、どんどんフルタイム監督システムに切り替わり、それで強くなっていく中、パートタイマー監督ってのは、それだけでハンディだからね。
さて、早稲田大ラグビー部ファンとしては、明治大が1990年代のように無類の強さを取り戻すのはご遠慮願いたい、というのが本音だけども、ここ10シーズンのように凡百のラグビー部のまま燻っているのもまた、耐えられない。
〝強い〟メイジを倒してこそ味わう醍醐味は、たまらないからね。
早明戦で、最終的なスコアが、20点差、30点差、40点差、というのは早大側としても、つまらんもん。
来シーズンは、関東学院大にも強さを取り戻してもらい、帝京、東海、慶應、法政、それに関西勢も巻き返してもらい、「戦国ラグビー」という状況を生んでほしいよ。
地上波でサッカーの内容を放送する価値が薄れてきた結果だと思われます。
先の調査でもJリーグの新規観戦者は減少傾向です。
スポーツ番組は衛星へ移行している昨今ですが、一見さんを呼び込むには地上波は有効です。
例えばJリーグがスポンサーになって地上波のサッカー番組を放送し、それに連動させる形でそれぞれのクラブが集客の知恵を競い合う形が必要なんではないでしょうか?不況の今だからこそ、安近短なレジャーであるスポーツ観戦(TV観戦も含む)は可能性があると思うのですが。
是非購入して読んでみたいです。
読み終わったら、ウチの社長にも読ませたいなあ…
読まねぇか(-.-;)
とても感動しました。
会長さんが人の4つの幸せを話してました。
愛されること
誉められること
役に立つこと
必要とされること
(記憶に間違いがあったらゴメンなさい)
そして、仕事が出来ることの幸せ!
みんな、人としての基本の「こと」ですね。
急な不景気で心も財布も余裕がありませんが、放送を見て温かい気持ちになりました。
是非、本を読みたいと思います。
昨日、讀賣新聞社が「あなたの好きなスポーツは何ですか?」という世論調査の結果を1面を割いて、伝えていました。
昨年・一昨年の調査を見たときも感じたのですが、サッカーって、見るスポーツとしては、国民にさほど人気がないことを、改めて認識しました。
好きなスポーツ選手の人気ランキングでも、サッカー選手で登場するのは俊輔だけ。
若者と女性のサッカー離れが顕著です。
Jリーグの観客調査によれば、サッカー情報を得るのにTVの果たす役割が相当に大きいです。
なのに、地上波のサッカー専門番組がなくなれば…
プロ野球中継も、低視聴率なので地上波放送を少なくなる→視聴習慣が崩れて、たまに放送しても低視聴率→なのでより一層、中継試合数を減らす、の負の連鎖に嵌っています。
>例えばJリーグがスポンサーになって
Jリーグ本体が、広告宣伝費を削るのですから、これは不可能も同然ですね。
ただ、「選択と集中」で、Jリーグがあらん限りの宣伝費を、テレビ番組の一社提供に注げばいいとは思うんですが。
>安近短なレジャーである
現在は外に一歩も出ない「巣籠り消費」の時代なんだそうです。
近い場所にある娯楽施設やお店にも行かず、家で自己完結、何かあればネット注文、なんですって。
でも、テレビ離れは進む一方。
なんか、八方ふさがりという感じ……
今までと違う発想で事に当たらなくてはいけない状況になったようです。
もう購入されましたか?
本当に良い本です。
そして経営者にこそ、読んでもらいたい書籍です。
「報道ステーション」「讀賣新聞」「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」、これらはみな、『日本でいちばん大切にしたい会社』を読んで感銘を受けた記者・スタッフが、追跡する形で取材して自分の勤めるメディアで紹介したんでしょう。
じゃなきゃ、こんなに短い期間に、集中して取り上げられませんから。
逆に言えば、マスコミの人間が取材するほど、『日本でいちばん大切にしたい会社』という本は、密度の濃い、素晴らしい内容だという証左ですよ。
今、雇用が大事にされない時代です。
だからより一層、この本がいろんな人に感銘を与えているのだと思います。
読んで、損はさせない書籍です。