このスクールもあと7回、あっという間である。
最近は3×3など、ゲームを増やしているが、ゲームでの成長が見られる。
小学生でも、大人ゴールでプレーして、更にはゲームから吸収できるキッカケを作れれば良いと思う。
スクールは1回ごと、1ヶ月ごとに目的や方針があって、それが月謝に直結するのだろうが、俺としての考えはこの1年また少し変化があった。
これはまだ自分の指導力の足らなさなのかもしれないが、短期間で急激な成長を及ぼすことができていない。
だから、1年という時間を通して計画を立てている。
例えば、以前アシスタントをしていたスクールでは、月4回の練習の中で、ドリブル、シュート、パス、ゲームを行う。
1年在籍していたが、毎月がその繰り返し。
良い方法ではあるが、自分としては個人のニーズがあって、1年という時間で見た時、マンネリ化していると感じた。
しかし、長く目を見ることができているのも、きっと彼らに週1で指導をしてきたからではないと思う。
ミニバス卒業生と在部生が混在するから、個人の人間性がよくわかって、その上で今やるべきことでメニューを作れる。
もし彼らと関わる時間がそこまでなければ、ゲームを増やすという選択には至らなかった。
スクールは、本当に難しいと思う。
チームとしての活動があれば、経験に価値を与えられるからだ。
簡単な話、勝つという結果で評価されるから、勝てるチームに導くことが正解だとされる。
「過去に30点差で負けたチームに、10点差まで迫った」
これだけでも成長だと言えるし、結果が現れるからこそ、そこが価値となったりもする。
だからこそ、勝ちに囚われて未だに怒号や人格否定、選手への負担が問題視されているし、逆にスクールにおいて選手への負担など全くもって存在しない。
指導する側が、勝ちを気にしなくて良いから。
だから難しいのだ。
正解のない価値をどう与えるか…
そして、自分の指導への価値をどのように提供するか…
「勝てる」をアピールすることも、
「勝てるようになる」をアピールすることもスクール、スキルコーチなんかはいっさいできない。
今この場所にいるのは、ミニバスで関わりのある子ばかり。過去在籍していた子においても。
ここで、仮説がある。
彼らは、「ミニバスの指導者である私」に対しての価値を感じて、このスクールに来ているのではないかと。
ミニバスでの指導において、勝てるようになった(強くなった)のは確かではある。
そしてそこでの信頼があって、今のスクールに来てくれているのがほとんどだと思っている。
だとすれば、自分にはスクールのコーチとしては本当にまだまだなのだ。
勝ちにこだわった訳ではない。
それでも、勝ってこの経験への価値を与えたい想いはある。
しかし、育成とは結果なしに語れないと思う側面もあった。
「勝ち」という概念のない世界で、育成に価値を与えることが、どれほど難しいことか…
考えれば考えるほど、わからなくなるものだ。
だから、スクールは難しい。