世代交代、と言う言葉がありますが、今の鉄工の業務もそうですが、技術や理念は後世に伝えていく、現役世代の務めなのかもしれません。写真の世界も思えば色々でした。
ふとした事で自分の昔通っていたカメラ店を偶に思い出したりします。もう20年以上前の話ですが、小さな町外れのカメラ店での話。店主はオカマ調な口調でお客さんに丁寧、ちょっとだけ男性客に熱い視線を送るのが得意な優しい店主でした。
そんな小さな写真店は夕方になるとお客さんで毎日賑わいます。常連の中にはポートレートの業界でも有名な佐藤会長の姿もありました。夜の6時を過ぎると少しずつ仕事を終えた常連さんが集まり出しスーパーカブに乗って佐藤会長も現れます。一見頑固そうな雰囲気な会長ではありますが、小さな写真店はいつも佐藤会長を囲んでの団欒のひと時となります。老いも若きも無い不思議な空間です。皆が店主と会長を慕ってお店にやって来ます。本当に良い時代でした。
そんなお店もイベント集合写真、大会撮影の方面にも業務に着手し、その荒波の中で淘汰されていきます。店主もそちらの方面がメインとなりお店から消え、私もその渦の中に巻き込まれる形でいつの間にか皆がバラバラになっていってしまいました。その数年後にはカメラ屋も閉店、一つの時代が終わります。偶に無性に皆さんに会いたくなる事もあります。当時皆さんに教わった事って結構今でも生きてたりします。写真は仲良く、和気藹々、その言い付けは守るべきかと思います。
当時この店の常連になっておいて本当に良かったと時折思います。何となく今のフォトクラブの基本ルールになってたりしてます。当時は女性ポートレートなど興味も無かったのですが、人間って不思議だなぁと改めて思います。
後は事ある度に私に声を掛けてくれた、伊藤京平先生にも何処かで会わないといけないなと思います。次の世代に良い物を語り継ぐ、心掛けだけは一人前でいきたいと思います。CONTAX直して当時のように白黒フィルム使ってみるかな、原点回帰も一興かと思いますが、昔の写真やっぱり下手だ、修行の仕方が悪いかもと思いました。