ディアンジェロのライブに行ってきました。
いやはやサマソニ(+エクストラ)のライブ以来の来日となるのですが、単独としては初来日となりました。いまやなんでサマソニでディアンジェロを捨ててまでMEWを観たのか、今となっては全くもって理解不能ですが、本当に凄いライブを観たなと感じております。そんなライブについてレビュー出来れば幸いです。
ディアンジェロについて、私から紹介するようなことは殆どないのですが、簡単にプロフィールを書けば、ボーカル、ギター、キーボード等をマルチにこなすアーティストであり、ヒップホップやソウル/R&B、ジャズ等の要素を織り交ぜ、世界でも「革命」と絶賛されるようなネオソウルと呼ばれるジャンルを生みだしたアーティストです。2014年にはおよそ14年振りともなる新作「Black Messiah」を突如発表し、12月のベストアルバムシーンをひっくり返したことも記憶に新しい。そんな彼が昨年のサマソニからおよそ半年ぶりの来日となりました。
今回の来日公演の会場はパシフィコ横浜という会場で、基本的には全席指定の椅子席で普段はオーケストラやら演劇やらをメインにやることが多い会場のようです。今回のライブでは本来オーケストラピットとして利用する前10列くらいをライブ用にステージにしていたようでした。僕らの座席が15列だったので、かなり前の方で、ディアンジェロを肉眼で余裕で確認出来る位置でしたが、若干角度があって見づらかったのは少し残念でした。
ではライブレビュー。
とにかく時間通りに出てこないアーティストだという話は事前に聞いていたのだが、予想を遥かに上回るレベルでまさかここまで出てこないとは思わなかった。19時半開演だったはずが20時近くなっても一向に始まる気配がなく、場内では「現在準備に時間がかかっております」のアナウンス。いや何も準備しているようには見えない。笑 ようやく20時10分頃に「まもなく開演いたします!」のアナウンスが。もはやお家芸なのだろうか、場内もこのアナウンスに失笑しつつの大盛り上がりだった。
20時20分頃に場内暗転。遂にディアンジェロのライブの幕が上がる。メンバーがジャムを重ねながら順番に登場する、まるでオーケストラのような演出からライブはスタート。1曲目は「Devil's Pie」だ。最後にディアンジェロが堂々と登場すると場内は大歓声に包まれる。この男、その風貌や出で立ちで、まさに「ブラックメサイア」そのもので、とんでもないカリスマ性を放っている。マイクスタンド蹴りや、ハットを放り投げる仕草など、ひとつひとつの動作がいちいちかっこいい。正直アルバムを聴きこんだわけでもなく、殆ど予習せずにライブへ臨んだのだが、予習なんて全くもって不要だと感じるくらいライブでのアレンジが凄く、音源では落ち着いて聴かせていたような曲もとにかく盛り上げにかかってくる。ホンモノのアーティストというのは曲なんか知らずとも楽しませてくれるエンターテイナーのことなのだろうと気付かされる。
5曲目には新作より「Realy Love」を披露。カバー曲が続いた中だったため、イントロのギター だけで大歓声。いやはや自分もわかる数少ない曲だっただけに思わず声をあげてしまうほど。甘美な演奏に美しい歌声と彼の世界観に酔いしれるには充分すぎる1曲だった。
7曲目には彼の代表曲である「Brown Sugar」を披露。サビの部分で観客を煽り、唄わせる姿が印象的だった。歌詞は単純だが、ここはなんといっても日本。大シンガロングとはならず少し残念ではあったが、演奏はやはり凄い。このくらいは歌えるようにしていきたいところだ。(自分自身も含めて)
ラストには「Chicken Grease」という曲を披露したのだが、これがまた素晴らしい1曲だった。原曲の跡形もないロックチューンに変貌しており、最後のアウトロでは何度もバンド演奏をミュートし、一気に爆発的な演奏を見せつけるといった演出で、これでもか!?というほど会場を盛り上げる。思わず「うおおお!かっけー!!」と叫んでしまうほどに興奮した私は、テンションが上がり過ぎて、最早楽しいのか嬉しいのか悲しいのかわけがわからない状況で、とにかく踊り狂いながら泣き叫んでいたと思う。こんなにテンションの上がったライブは今年初だろう。
アンコールでは「Untitled」を披露。ディアンジェロのピアノ弾き語りから、しっとりと始まる非常に美しい曲。バンド演奏も加わっても大げさになるわけでもなく、ロックテイストを残しながらジャジーでスローテンポな演奏を見せてくれる。ラストのアウトロではそれぞれの楽器が演奏を終えステージを去るという、最初とは逆のオーケストラ演出で最後の最後にディアンジェロが去るといった形式でライブを終える。本編の終わりと違ってうつくしも儚い、いつ消えてしまってもおかしくないような小さな小さな音で最後を締める。彼が作り出した祝祭の最後は如何に悲しいものかと感じさせる瞬間だった。
ライブが終わって外に出ると凄まじい雷雨に見舞われる横浜。まさかディアンジェロの美しいラストの1曲の後にこんな状況に襲われるとは思いもよらなかったが、きっとこの春の嵐も彼が呼び寄せてしまったのだろうと考えると妙に納得出来てしまった。
うまくまとめられた気がしませんが、いやはや本当に素晴らしいライブでした。今回S指定席を\11500で購入した私でしたが、ライブが始まるまでは正直ちょっと高いな…と思っていのですが、ライブ終わった後ではいやいやとんでもない。正直もっと払っていても後悔はなかったと思います。(そしたらそもそも行かなかったかも知れませんが。笑)
やはりどんなジャンルにおいても、時代を切り拓いた先駆者は凄いものだと感じざるを得ないライブだった。音楽好きがどういう角度で観ても、これをダサい!という人はいないはず。サマソニで彼のライブを観ていない私にとっては衝撃の体験だった。
あー充電期間が長いアーティストなのは百も承知ですが、生きているうち…いやアーティストとしてのパワーがあるうちに、もう1度彼のパフォーマンスが観たい…切に再来日を願うばかりです。
D'angeloセットリスト
1.Devil's Pie
2.Red Hot MAMA
3.Feel Like Makin' Love
4.Brent Fischer Interlude
5.Realy Love
6.The Charade
7.Brown Sugar
8.Left And Right
9.Chicken Grease
Encore:
10.Untitled
10曲しか演ってないって本当かよ…30曲くらいやってたかと思った。。

次のライブはHostess Club Sunday Specialの予定です。Ben WattとTravisの演奏が非常に楽しみです!
では。
いやはやサマソニ(+エクストラ)のライブ以来の来日となるのですが、単独としては初来日となりました。いまやなんでサマソニでディアンジェロを捨ててまでMEWを観たのか、今となっては全くもって理解不能ですが、本当に凄いライブを観たなと感じております。そんなライブについてレビュー出来れば幸いです。
ディアンジェロについて、私から紹介するようなことは殆どないのですが、簡単にプロフィールを書けば、ボーカル、ギター、キーボード等をマルチにこなすアーティストであり、ヒップホップやソウル/R&B、ジャズ等の要素を織り交ぜ、世界でも「革命」と絶賛されるようなネオソウルと呼ばれるジャンルを生みだしたアーティストです。2014年にはおよそ14年振りともなる新作「Black Messiah」を突如発表し、12月のベストアルバムシーンをひっくり返したことも記憶に新しい。そんな彼が昨年のサマソニからおよそ半年ぶりの来日となりました。
今回の来日公演の会場はパシフィコ横浜という会場で、基本的には全席指定の椅子席で普段はオーケストラやら演劇やらをメインにやることが多い会場のようです。今回のライブでは本来オーケストラピットとして利用する前10列くらいをライブ用にステージにしていたようでした。僕らの座席が15列だったので、かなり前の方で、ディアンジェロを肉眼で余裕で確認出来る位置でしたが、若干角度があって見づらかったのは少し残念でした。
ではライブレビュー。
とにかく時間通りに出てこないアーティストだという話は事前に聞いていたのだが、予想を遥かに上回るレベルでまさかここまで出てこないとは思わなかった。19時半開演だったはずが20時近くなっても一向に始まる気配がなく、場内では「現在準備に時間がかかっております」のアナウンス。いや何も準備しているようには見えない。笑 ようやく20時10分頃に「まもなく開演いたします!」のアナウンスが。もはやお家芸なのだろうか、場内もこのアナウンスに失笑しつつの大盛り上がりだった。
20時20分頃に場内暗転。遂にディアンジェロのライブの幕が上がる。メンバーがジャムを重ねながら順番に登場する、まるでオーケストラのような演出からライブはスタート。1曲目は「Devil's Pie」だ。最後にディアンジェロが堂々と登場すると場内は大歓声に包まれる。この男、その風貌や出で立ちで、まさに「ブラックメサイア」そのもので、とんでもないカリスマ性を放っている。マイクスタンド蹴りや、ハットを放り投げる仕草など、ひとつひとつの動作がいちいちかっこいい。正直アルバムを聴きこんだわけでもなく、殆ど予習せずにライブへ臨んだのだが、予習なんて全くもって不要だと感じるくらいライブでのアレンジが凄く、音源では落ち着いて聴かせていたような曲もとにかく盛り上げにかかってくる。ホンモノのアーティストというのは曲なんか知らずとも楽しませてくれるエンターテイナーのことなのだろうと気付かされる。
5曲目には新作より「Realy Love」を披露。カバー曲が続いた中だったため、イントロのギター だけで大歓声。いやはや自分もわかる数少ない曲だっただけに思わず声をあげてしまうほど。甘美な演奏に美しい歌声と彼の世界観に酔いしれるには充分すぎる1曲だった。
7曲目には彼の代表曲である「Brown Sugar」を披露。サビの部分で観客を煽り、唄わせる姿が印象的だった。歌詞は単純だが、ここはなんといっても日本。大シンガロングとはならず少し残念ではあったが、演奏はやはり凄い。このくらいは歌えるようにしていきたいところだ。(自分自身も含めて)
ラストには「Chicken Grease」という曲を披露したのだが、これがまた素晴らしい1曲だった。原曲の跡形もないロックチューンに変貌しており、最後のアウトロでは何度もバンド演奏をミュートし、一気に爆発的な演奏を見せつけるといった演出で、これでもか!?というほど会場を盛り上げる。思わず「うおおお!かっけー!!」と叫んでしまうほどに興奮した私は、テンションが上がり過ぎて、最早楽しいのか嬉しいのか悲しいのかわけがわからない状況で、とにかく踊り狂いながら泣き叫んでいたと思う。こんなにテンションの上がったライブは今年初だろう。
アンコールでは「Untitled」を披露。ディアンジェロのピアノ弾き語りから、しっとりと始まる非常に美しい曲。バンド演奏も加わっても大げさになるわけでもなく、ロックテイストを残しながらジャジーでスローテンポな演奏を見せてくれる。ラストのアウトロではそれぞれの楽器が演奏を終えステージを去るという、最初とは逆のオーケストラ演出で最後の最後にディアンジェロが去るといった形式でライブを終える。本編の終わりと違ってうつくしも儚い、いつ消えてしまってもおかしくないような小さな小さな音で最後を締める。彼が作り出した祝祭の最後は如何に悲しいものかと感じさせる瞬間だった。
ライブが終わって外に出ると凄まじい雷雨に見舞われる横浜。まさかディアンジェロの美しいラストの1曲の後にこんな状況に襲われるとは思いもよらなかったが、きっとこの春の嵐も彼が呼び寄せてしまったのだろうと考えると妙に納得出来てしまった。
うまくまとめられた気がしませんが、いやはや本当に素晴らしいライブでした。今回S指定席を\11500で購入した私でしたが、ライブが始まるまでは正直ちょっと高いな…と思っていのですが、ライブ終わった後ではいやいやとんでもない。正直もっと払っていても後悔はなかったと思います。(そしたらそもそも行かなかったかも知れませんが。笑)
やはりどんなジャンルにおいても、時代を切り拓いた先駆者は凄いものだと感じざるを得ないライブだった。音楽好きがどういう角度で観ても、これをダサい!という人はいないはず。サマソニで彼のライブを観ていない私にとっては衝撃の体験だった。
あー充電期間が長いアーティストなのは百も承知ですが、生きているうち…いやアーティストとしてのパワーがあるうちに、もう1度彼のパフォーマンスが観たい…切に再来日を願うばかりです。
D'angeloセットリスト
1.Devil's Pie
2.Red Hot MAMA
3.Feel Like Makin' Love
4.Brent Fischer Interlude
5.Realy Love
6.The Charade
7.Brown Sugar
8.Left And Right
9.Chicken Grease
Encore:
10.Untitled
10曲しか演ってないって本当かよ…30曲くらいやってたかと思った。。

次のライブはHostess Club Sunday Specialの予定です。Ben WattとTravisの演奏が非常に楽しみです!
では。