椎名林檎は下手するといきなり後ろから刺されそうな、妙な殺気のある人で、その音楽性の灰汁の強さは好き嫌いが分かれるところ。僕は彼女の作り出す詞と曲にあのプリンスにも通じる天才性を感じたが、他のアーティストとは明らかに違う非凡な才能の持ち主だ。
今回の『スメ[ツ』は、いい意味で椎名林檎の灰汁の強さが若干薄れ、より純粋なロック色、スピード感、軽快さが前面に出た傑作であると感じた。椎名林檎がやや苦手な人でも受け入れやすい作品でもあるが、椎名林檎ファンも楽しめる内容だと思う。
アルバムは下記全13曲。どの曲も2-3分とやや短めで、その意味でも大変に聴きやすくなっている。一部英語曲もあるが、どの曲も椎名色がしっかり埋め込まれている。全体的に勢いのある構成になっており、各曲の短さも手伝って気持ち良く一気に通して聴けるアルバムだ。
(曲目)
1. 生きる
2. 電波通信
3. シーズンサヨナラ
4. 勝ち戦
5. FOUL
6. 雨天決行
7. 能動的三分間
8. 絶体絶命
9. FAIR
10. 乗り気
11. スイートスャbト
12. 閃光少女
13. 極まる(きまる)
まずはいかにも彼女らしいシャウト系の『生きる』で始まるが、その後カッコいいベースで始まる『電波通信』、そして『シーズンサヨナラ』もロック調で大変にカッコいい曲に仕上がっているが、爽やかなメロディーラインが実に気持ちいい。本人主演で話題になったグリコガムの”キスミント”CMに使われている『勝ち戦』とシングルカットされている官能的な『能動的三分間』はまさに椎名林檎ワールドを満喫出来る傑作である。『乗り気』は冒頭、椎名林檎の曲に良く登場する"狂気に満ちたサウンド"で始まるが、中盤のInterludeにおけるビートとシンセのメロディーがかなりカッコいい曲。『絶対絶命』も大変にクオリティーが高い曲で、『雨天決行』はアルバム中最も可愛い曲で、椎名林檎の可愛い一面を堪能出来る。
そして、異色とも言える傑作バラードに仕上がっているのが、英語曲の『スイートスャbト』。かなりの正統派バラードである。『閃光少女』もスバルのCM曲なのでTVで聴いた人も多いだろう。勢いのあるノリのいい曲が心地良い傑作である。最後13曲目の極まる(“きまる”と読む)はアルバム中で最も長い6分以上の曲。椎名林檎のソロアルバムにも登場する、彼女らしいやや幻想的な世界観を持つ曲でアルバムは締めくくられている。
この前の米国出張でも『スメ[ツ』をiPhoneに入れてガンガン聴いていたが、またすっかり椎名林檎ワールドに浸ってみたくなってきた。東京事変の前作『娯楽』もまた買って聴いてみようと思う。
椎名林檎はその音楽性ももちろん素晴らしいのだが、その鋭い眼光を含めたルックスも結構好きなタイプだ。最近はショートヘアが多いが、個人的には昔のロングヘアの頃がかなり好きで、特に下記写真は大好きな一枚である。
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