そして、なんと言ってもその無限に創られるキャラクターはどれも実に個性的だ。娘はやはりアンパンマンとばいきんまんの2大キャラと、メロンパンナとロールパンナの姉妹が好きだが、意外なところではばいきんまんの手下であるホラーマンなども結構好きで、そのユニークなテイストには時々驚かされる。ちなみに僕は超わがままで、ちょっと小太りなドキンちゃんが一番のお気に入りだ。
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アンパンマンに登場するキャラクターはどれも結構人間臭くて魅力的なのだが、実はアンパンマン自身は意外と機械的で、つまらない性格である点が妙に最初気になっていた(こんなことは当然娘には言えないが)。正義感が強く、邪念の全く無い完璧な性格をしており、生活感も全く無い。アンパンチ、アンキックなどの技はかなり強力で最終的にはばいきんまんを粉砕するが、一方で、顔がひとたび濡れたり潰されたりすると、途端にパワーを失いその脆さを露呈してしまうシーンが毎回のお約束だ。ジャムおじさんとバタコさんが新しい顔を即焼いてくれていつも救われるが、つまりジャムおじさんとバタコさんをやっつけてしまえば、アンパンマンなどは全く脅威では無くなってしまうわけだが、なかなかばいきんまんもこれが実行出来ない。毎回顔が取り替えられてしまうという点も機械的にしている大きな要因だが(他に顔を取り替えるようなキャラはいない)、よくよく考えると、アンパンマンは実は「神」のような存在であり、仲間達の「良い心」を具現化した象徴とも言える。また、ばいきんまんは悪役だが、「真の悪」では無く、むしろ人間誰にでもある邪念や欲望から来る「悪い心」の要素を具現化したキャラでもあり、いつもアンパンマンをやっつける際の詰めが甘いところなども憎めない、人間臭い要因でもある。
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ロールパンナもかなり気になるキャラクターだ。彼女はパン工場でジャムおじさんに作られる時に、ばいきんまんに”ばいきんジュース”を生地に入れられたせいでまごころそうが足りない為に、「ダークサイド」を持っている。スターウォーズで言えば、ジェダイの騎士でありながら、後にダークサイドに引き込まれ、ダースベイダーになってしまうアナキンスカイウォーカーのような存在だ。妹であるメロンパンナの愛情や優しさ、又は友人のローラなどの友情によって、そのまごころそうが増えたりするが、逆にちょっとした拍子で悪の世界に引きずり込まれてしまう不安定要素を持っているのだ(ちなみに、悪い心のロールパンナは、”ブラックロールパンナ”と言う)。良い心と悪い心の間で葛藤する姿が実に切なく、子供アニメながら侮れない設定なのだ。
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果たしてどこまでアンパンマンのキャラワールドは今後も広がるのか。当分娘も僕もアンパンマンから目が離せない。