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布袋寅泰『Still Dreamin’』感動のドキュメンタリー映画

僕の大好きなギタリスト、布袋寅泰が今年2月にニューアルバム『Still Dreamin’』をリリースして、僕も直ぐに購入して聴いていたのだが、実は聴いた印象が最初は何だか物足りなかった。前作のアルバム『GUITARHYTHM VI』があまりにも傑作で、BOOWY時代を思わせる元気なロックアルバムだったのに比べ、『Still Dreamin'』はどうもギターや曲調がマイルドで、なんか弱いような気がして好きになれない自分がいた。そして今年2月には、このアルバムリリースとほぼ同タイミングで、同名のドキュメンタリー映画『Still Dreamin’』が2週間限定劇場公開されたが、結局この映画の方も見過ごしてしまっていた。

しかし、先月このドキュメンタリーがブルーレイ化され、今回思い切って購入して観賞してみた。そして、観賞した感想としては、やっぱり“2月に劇場で観ておけば良かった”と。そのくらい素晴らしい内容で、コロナ禍で悩みながらも懸命にファンに音楽を届けたい一心で前に進もうとする布袋、そして過去の自分と2021年時点の自分が対話するような粋な演出も盛り込まれ、過去を上手く振り返りながらも今の布袋を臨場感たっぷりに捉えた、上質なドキュメンタリーとなっていたことに驚いた。

懐かしい映像、貴重な過去のレア映像、無観客で実施した昨年の武道館ライブの舞台裏なども含め、見所が満載であったし、憧れのデビッド・ボウイやローリングストーンズとの共演、タランティーノ監督からのオファー、BOOWY、ソロ、COMPLEXなどの時代からの映像などもあり、かなり充実した内容の濃いドキュメンタリーに仕上がっていた。もちろん、ヒット曲の数々もふんだんに盛り込まれ、純粋に音楽映像も楽しめた。

それにしても、布袋はこうして振り返ると輝かしい経歴と実績を積んできたことを改めて痛感するし、そして60歳を迎える今になっても、常に夢を持って新しいことにチャレンジしていることに良い刺激を受けた。

BOOWY時代の名曲『Dreamin’』。BOOWYの成功で日本一のロックバンドに上り詰めた布袋。そして今年の最新アルバム『Still Dreamin’』。その後何度か世界の壁の高さを味わいながらも、ハリウッドとのタイアップやパラリンピックでの起用など、世界のギタリストとなった布袋。既に色々とやり尽くした感があるのではと思えるほどのキャリアだが、夢を語る布袋は幾つになってもあの布袋少年のようにキラキラした目をしている。やはりいくつになっても夢を見ること、次の目標を持つことの大切さを痛感したドキュメンタリーであった。

そして、2月に聴いた時はイマイチしっくりこなかった最新アルバムの『Still Dreamin’』だが、このドキュメンタリーを観た後、改めて振り返って聴いてみると、そのアルバムに込められた“想い“を知り、また違った目、違った耳でアルバムを聴くことが出来た。なんとなく布袋にしてはロック感が弱く、印象的なギターリフも少ないと思っていたが、コロナ禍を経て、布袋の辿り着いた新境地、そして出来るだけ明るいアルバムを制作したいという強い想いが反映されたアルバムであることを改めて思い知らされた。本当に良い布袋のドキュメンタリーがこの世に完成したものである。

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