今回の米国の関税は、メッセージ性がすごい高いものだと思うのである。
もちろん相手国はメッセージの対象ではあるけれど、むしろ内容的には国内産業界向けの強いメッセージも裏読みできて、そっちが主の部分もあるかもしれない。
海外向けメッセージとしては、当初言われていた「対新アヘン戦争的薬害侵略」みたいなのは、実はかなり上位のメッセージだと思うのであるが、今では日本の論調としては忘れ去られているのである。個人的には対某国向けメッセージの主柱の気がする。
米国内向けのメッセージとしての主柱は「国内生産でなんでも作れる状態を復活させようや」な気がする。
必ずしも国際的に価格(品質)競争力がある状態じゃなくても、国外からの供給を絶たれてもなんとかできる状態にしたいというメッセージの気がするのである。
その状態目指して米国内産業界は発奮せよという感じでは。補助金とかインフラ整備とか準備しているようだから、このあたりはまちがいはないであろう。
この場合、関税は税の役割の「経済的合理性に反する行いを強制する圧」として働いているわけで、関税の税収とかが目的ではないのである。ま、このあたりは中学校の教科書にさえ書かれる関税の目的なのではある。
だから関税の税収は、この目的に沿った、先ほど挙げた補助金やインフラ整備などの財源に回されたり、関税によるインフレを抑制する策に回されたりするのであろう。
私はトランプ大統領が好きでもないけれど、左巻きだったりする人たちの言も納得できないので、トランプ=頭のイカレタ爺みたいな論は何かを誘導しているようにしか思えんのである。いわゆるすぐ「老害」とかわめく類と似た類に思える。もう少し頭を使おうやと思ってしまうのである。
アメリカ・ファーストとかメッセージを忘れて、政策だけを見てメッセージを読むと、結構徹底した合理と思想無視の平等な視線を感じるんだけど……
だからイデオロギー中毒の人たちからすると怪物に思えるかもしれない。