シロクマックスが帰米してはや3ヶ月と少し・・・・未だフルタイムの仕事は見つからず・・・・・
そのかわり夜の仕事でなんとか糊口をしのいでおります。
夜の仕事っつっても水商売じゃないYO。
今は仔馬の出産シーズンだから、ナイトウォッチャーの仕事をもらってます。
昨日も一頭仔馬を取りあげたよ。予定日を10日ほどすぎているRahyの肌馬。
お腹がハンパなくはれてるすごいおデブちゃんで、性別鑑定ですでに仔馬はオスだということがわかっていたので、
出産が遅れるのは予想してたんだって。へーオスはそーなんだ。
勉強になるよ。この2,3日は毎晩0時から1時の間に座り込む仕草を見せていたので、
乳首にワックスもついているし、昨晩は最高に怪しかった。
で、他の作業を全部後回しにして12時からは馬房の前に張り付いてたら、やっぱりbreak water(破水)がきた。
基本、この牧場の出産が近いママ達には、マグネットアラートがついていて、膣から胎盤が顔を覗かせたところで
アラートがなるという仕組みになっているんです。へー、夜番いらずだね。
このマグネットアラート、オーストラリアとニュージーランドで仔馬を取り上げたことのある友人のKENJI君に
話したら、見たことないということだったので、もしかしたらアメリカだけのやり方なのかも。
ちょっとこのマグネットアラートの仕組みについて書きます。
そろそろ予定日が近いママの膣の左側に内側から外側に向けてマグネットアラートを獣医が糸で縫い付けます。
ちょうど膣の左横に機械がぶら下がるような感じで。で、膣の左右を針金のような細い糸で
塞ぐように縫います。そうすると、破水して白い胎盤が膣から出てきたところで針金がプツンと切れてアラートが鳴るという仕組みです。
アラートがなって、ヒトが出てくると。
従って、必ずしも僕が出産の兆候に気がつく必要はないんですけど(実際一回は別の離れの厩舎で作業をしていたら
ボスからアラートがなってるから戻ってきてくれと電話があったことも)
やっぱりアラートがなる前の、破水の段階で気がついたほうが出産のリスクが減らせるわけで。
で、破水。座り込んだところでしっぽをテープで縛ってスタンバイ。
昨晩は超安産で、ちょっとだけ後ろ足がでるのを引っ張って補助しただけですんなり生まれました。
へその尾がきれたところを消毒して、膣からタレ落ちている胎盤を紐で縛って後産。
正直、最初は胎盤なんてグチョグチョしててグロテスクだし、触るのはなるべく避けたいななんて
思ってたんですけど、いざ仔馬が生まれるとなるとそんなこたどーでもよくなります。
昨晩は僕が出産後の胎盤を裏返して、胎盤に以上がなかったかどうか調べる作業を手伝いました。
ちょっとだけストレッチしたあとがあったらしいですけど、きれいなもんだとボスが言ってました。
よかったね。
多分昨日生まれた仔馬は芦毛。父がOld Fashioned(by Unbridled`s Song)
アンブライドルズソング産駒は走るけど、故障がちなのが問題。オールドファッションドも結局故障で
ケンタッキーダービーには出走できなかったし。去年のキーンランド9月セールで日本人のバイヤーが
僕がしってるだけで4頭ほどアンブライドルズソング産駒を買ってましたけど、はたして日本のかったい芝で足がもつのか!?
ただし昨日出産したラーイのママはオーストラリアの女傑Makybe Diva マカイビーディーヴァの近親という血統。
マカイビーは3200mのメルボルンカップを3連覇した名馬。日本の天皇賞春(3200m)にも出走した鉄女です。
母系から頑丈な体を受け継いだなら、もしかして怪我せずにアンブライドルズソングからくる能力を目一杯発揮できるかも。
いい感じの体つきで生まれましたので。
やっぱ仔馬はかわいいな~