今日は一ヶ月ぶりの休日。ゲイ厩舎は月一しか完全な休日はありません。でも週に2回は
午後の休みがあるので、全然問題ありません。どーせ朝の8時半には調教は終了するわけで
すし、午後休みということは、朝9時以降はフリーということです。これって精神的には
全日オフとなんもかわりません。
で、土曜日は競馬がたくさんあるので、(もちろんゲイ厩舎の所属馬も出走)
テレビをもっていない僕はお向いのパブにてぽっくりぽっくり飲みながらの競馬観戦でした。
メルボルンのG1レースにチビクッキーと同じお父さんをもつレッドトレーサーという
牝馬が出走しました。彼女はシドニーの首位調教師クリス・ワラー師が管理しており、
さらに軽ハンデ52キロ+元ゲイ厩舎の主戦騎手にして名手クリス・マンスが
スポットライディングということで密かに期待しておりましたが、残念ながら
馬群に飲まれてしまいました。ちなみに勝った馬アルバートザファットはクリス・ワラー
厩舎の馬でしたね。やっぱすごい厩舎だな、と。レッドトレーサーは残念でしたが、別方面
ですばらしい結果が!!これはかなり大きい!
メルボルンの第4競走で、インスティンクション(INSTHINCTION)という
3歳の牡馬がリステッドレースに優勝しました。総賞金15万豪ドル、一着賞金9万豪ドルの
レースでした。彼はイクシードアンドエクセルという
ダーレーの種牡馬の仔で、それも大事なのですが、一番大きい注目はお母さんのお父さん。
母のデラゴミストの父は僕の所有するクーナックのお父さんと同じエンコスタデラゴなんです!
ENCOSTA DE LAGO。 今年の種付け料11万豪ドルの豪国の種牡馬トップ3の
一角です。ところがこのエンコスタが、母の父としてはいまいち振るわないな・・・という
印象を持っていて、実は前日の金曜日の夜に多分5時間くらいかけてエンコスタを父に持つ
繁殖牝馬をツルリンとリストアップして調べまくってたんです。今一度エンコスタの繁殖牝馬の
繁殖ヒストリーを調べ直してみると、振るわないという表現は正しくないという結論に
達したのです。
エンコスタデラゴは1993年産、今日までに79頭のステークスウィナーを輩出、
延べ179個のステークス勝ちを収めているスーパーな種牡馬です。
エンコスタデラゴは1997年から共用開始、当初の種付け料は8500ドルでした。
1999年までは8500ドルの据え置きで、2000年に9350ドルにアップしています。
その後は活躍馬を出し続け、種付け料もうなぎのぼり。2001年は12500ドル、
2002年は22000ドル、2003年は38500ドルです。ちなみにピークは2008年の
302500ドル(約2800万円位)で、スーパーもスーパーです。今現在走っている
母父エンコスタの古馬はだいたい1997年-2002年くらいに生まれた母親の
仔が多いんです。従って集まっている繁殖牝馬の質も2003年以降と比べると
だいぶ質が落ちます。2003年はエンコスタの初期の代表産デラゴブロム(Delago Brom、
現在韓国にて共用中。5月のミックスセールで8万ドルで買われていたと思う)
がオーストラリアンギニーG1に優勝しているんですね。翌2004年はアリンギという
スーパー牝馬がブルーダイヤモンドSなどに優勝。こっから本格的エンコスタ時代が始まった
のかな?当時はあんまりそーいうの気にしてなかったから実感ないな。
アリンギは2001年産。クーナックママと同い年。種付け料が12500ドルの年の仔。
で、ポイントはといえば、デラゴブロムやアリンギが活躍した年以降に生まれた、エンコスタを
父に持つ牝馬たちの多くが、2008年に初仔を産んでいるという事実をつかんだことです。
2008年産は今現在3歳です。クラシック世代です。なるへそ。つまり、個人的には
母父エンコスタデラゴの馬で、質の高い繁殖牝馬の仔達はやっと今年から本格的に
ターフで走り出すものと結論づけたわけです。5時間にわたるPCとの格闘の末に
出した結論に自己満足して就寝した金曜日。まさかその翌日にさっそく僕の
調査を裏付ける結果がでるとは!!!
前述のインスティンクションの母はデラゴミスト、2003年産です!!!デラゴミスト自身、
現役時代は2006年のG2サイアーズプロデュースS、G3ブリーダーズSに優勝した
活躍馬です。デラゴミストのブリーディングヒストリーは以下の通り
2008 Instinction by Exceed And Excel(by Danehill)
2009 Filly by Fastnet Rock(by Danehill) Foal death after birth
2010 Colt by Redoute's Choice(By Danehill)
2011 Filly by Redoute's Choice
です。2009年産のファストネットロックの牝馬が産後に死亡しているのが残念です。
やっぱお産は大変ですな。でも今年無事にリドーツチョイスの牝馬を出産している。
誕生日が10月6日だから、生まれて一ヶ月でお兄さんがステークスを勝ってくれたことに。
素晴らしい。これでお母さんはGウィナー、お兄さんもSウィナーという豪華な
ファミリーの一員に。このブリーディングヒストリーは本当に最高。過去4年で3頭の種牡馬と
交配していますが、全てディンヒルDanehillの後継種牡馬。
そしてチビクッキーの父デインシャドウDane Shadowもディンヒルの後継種牡馬。
よっしゃ、これやっぱエンコスタの繁殖牝馬×ディンヒル系種牡馬は相性がいい、いわゆる
ニックス関係にあるという認識が世間に浸透している証拠。
今後この配合パターンからより多くの活躍馬が出ることを期待してます。
今年クーナックの配合相手に選んだアマデウスウルフ Amadeus Wolfという
ヨーロッパからのシャトル種牡馬は、父がモーツアルトMozart、その父がディンヒルという
血統。やっぱディンヒルの血をはずすわけにはいきません。韻は踏まないとね。
とりあえず、ブルードメア(母父)サイアーランキングを先週末の37位から31位へと
アップさせたエンコスタ。2008年の初登場75位から、2010年49位、
そして昨年度は30位と着実に順位をあげている状況。今年(2011ー2012シーズン)
はなんとかベスト20にはいってほしい。そしてチビクッキーがセールに上場されるまでに
デインシャドウがステークス勝ち馬10頭、ステークス勝ち20個、エンコスタがブルードメア
サイアーランキングトップ10入りというのが僕のリクエスト。
一人でも多くのバイヤーから望まれる仔馬になってほしいです。
うん、こんなことしているうちに日曜日の午前が終了。PC始めると時間経つのが早い早い。
K先輩とかわらないよ、これでは。不健康だな、これは。よくない。
ちょっとクージービーチに散歩にでもでかけてみます。クージービーチはこんな感じ↓