夢で・・・・曲がりそこねた右回りカーブ。
なんど曲がろうとしても曲がりきれない、あのカーブ。
夢で・・・・・落ち切らないスピード。恐怖がいよいよ眼前にせまる。
あの「血の日曜日から二日。夢に出てくるんですよ、あの日のあのドライブ
が。
運転者が自分に代わって、あのカーブが迫るんですけど、
スピードが落ちない・・・・・・
あのカーブを曲がりきれない・・・・・・・
曲がりそこねたその先は記憶にない・・・・・
無事生還した夜は全く眠ることができず。翌朝は5時から仕事だったんですけ
ど、少しだけうつらうつらしたのは3時過ぎで・・・・・
完全に睡眠不足。
ところが今度眠ったら眠ったで悪夢にうなされるといった状態で・・・・
お願いだから忘れさせてくれ。
そう祈って床につく、今日もまた。
サディスティック・ナイトよこんばんわ。
「チャース、チャース」のご挨拶で皆様のご機嫌を伺います。
ちょっとくだけた挨拶で失礼しますよ、今日は。
なにしろシロクマックス、先日の日曜日に「恐怖体験」を通り越した「臨死体
験」をしてまいりました。無事故で無事帰宅できたのが奇跡に思えるくらい、
恐怖につつまれた日曜日でした。まさに「Bloody Sunday」 いっそ一息に
殺していただいたほうがまだましだぞっていうくらいの恐怖・・・・
怖ったよ~(;゜Д゜)!
日曜日にシドニーでお知り合いになった日本人のお友達の皆さんと、ワインの
産地として名高いハンターバレーへワインのテイスティングに行こうというとい
うことになったんです。レンタカーを借りて、朝の9時に出発。運転は僕かMと
いう女の子が担当する運びとなったのですが、僕は朝の3時から8時30分ま
で働いていたので、僕の疲労を考慮していただいて、Mさんがハンドルを握る
ことになったんですけど・・・・・・
((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))
あの時の判断がすべての間違いの始まりだったんですね・・・・・後悔してま
す。俺が運転するべきだった・・・・・・・悪夢だ・・・
車を発進して5分くらいで、助手席に座っていた僕はブレーキのききが甘いの
かな?という疑問をもったんです。というのも、停止する際の車の制御のタイミ
ングが異常に遅いんです。ツーっと滑るような感覚だったんですね。
ところがこれが車の性能のせいではないことが高速道路にのってすぐに判明
するです。なにしろこのMさん、完全にブレーキを踏むタイミングがおかしい
んです。高速にのって、110キロ指定のところを120キロで走ってるんですか
ら、車間距離は10メートル以上必要です。走ってるスピードを考えたら、10メ
ートルの車間距離は最低限の幅で、それ以上とってもいいくらいなのに、この
Mさんは前を走っている車の真後ろ1メートルもないところに
ベタづけするんです!!!!!!!!
なんじゃこいつ????っっ思いましたよ!!!
頭おかしいとしか思えない。なんで120キロで走ってるのに前の車の真後ろ
にベタづけなんだよっと。前の車がブレーキ踏んだら回避できないだろ!!
なんでこれがわからんの? で、車間距離に関しては、もう少し離して
はしるようにお願いしてなんとかなったんですけど!!
問題はブレーキですよ。三車線の高速の右側の追い越しレーンを走ってるわ
けです。前の車とその左となりの車の「ブレーキランプ」がついてるんで
す!!つまり前の車が減速してるんです!!!!
にもかかわらずーーーーー゜(゜´Д`゜)゜
なしてこれらの2台に対してアクセル踏んだまま加速して突っ込んでいくん
だ?どこへも行き場はないだろ。なんなんだその加速は?前はふさがってる
んだぞ!?
「ブレーキ!!!!!!!!!」
って俺が叫んで慌てて急ブレーキを踏むMさん。
もうほんとに、もう後何センチっていうレベルでギリギリ、カマを掘らずに済ん
だ・・・・・これが何度もあるんです。一回二回じゃない゜(゜´Д`゜)゜
この女の感覚は完全に麻痺している。どのタイミングでブレーキを踏んだら
安全に停止できるかという「予測」ができないらしい。
カーブもそう。やや急なカーブに差し掛かって、100キロで走っていたのでは
とてもじゃないけれど回りきれないRのきついカーブですよ。90度まではいか
ないけど、80度くらいはあるような。40キロ走行っていう標識があらかじめで
てるわけです。
・・・・・・・・・・まったく減速する気配がないんです・・・・・・・・・・・・・・・・・
((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))((((;゜Д゜))))
ブレーキを踏む気配がない・・・・・・・・・これは怖いよ、言っとくけど。
ジェットコースターの最前列なんてレベルじゃない。
俺は全身冷や汗かきながら、「ブレーキ踏むよね、踏むよね、踏むよ
ね?・・・・・おい!!」って祈ってるんですけど、全然その様子もなく・・・・・・・・
100キロで80度くらいのカーブに突っ込む気配。(これは思い出しただけで、
今でも気分が悪くなる・・・・・トラウマっすよ・・・・死にかけてるんですから)
そしたら後部座席に座っていたナオコさんというのんびり系の主婦が
「いや~~!!!!!ブレーキふんでーーーー
《゜Д゜》《゜Д゜》《゜Д゜》!!!!!!!!!!」
て叫んだんです。
慌ててブレーキを踏むM。もはや呼び捨て上等です。
ギリッギリ。ちょっと路肩にはみ出したくらいでなんとかまわりきった。
うそやろ。もしナオコさんが叫ばんかったら、オレら多分ひっくり返って
すっとんだ車の中で死んでたぞ。冗談抜きで。ヒューーー。もう勘弁して。
もうこうなると完全にMの恐怖劇場ですよ。このM、これだけ同乗者を恐怖に
さらしておいて、まったく自分の運転を反省する気配がないんです。
これが頭にくるんですよね。かりにも5人の人間の命を預かってるんですか
らもっともっと安全運転すべきです。同乗している人間に安心感を与えるポイ
ントは一にも二にも法定内のスピード&早め早めのブレーキですよ。
このMは今まで事故を起こした事はないと豪語するものの、同乗している
人間のことを考えて運転していないんです。事故ったことがないとか、弟はも
っとひどい運転だとか、そんなこたどーでもいい。知ったこっちゃない。オレら
がおまえに求めているのは安心感なんだよ。そこのところをわかってない。事
故らなければそれでいいとでも思っている様子。冗談じゃない。こんな最低の
ドライバー、金輪際ごめんこうむりたいです。こいつの運転する車には二度と
乗らないし、このMはこの運転を改めないかぎり、遅かれ早かれ事故るでしょ
う。結局往復で6回クラクション鳴らされましたよ。車線変更がひどいんです。
サイドミラーを見ていない、なんていうのはまだかわいい。
「君、サイドミラーをみてから車線変更しないと危ないよ」
で済む話ですから。こいつは違う。サイドミラーを見て、真後ろ、車間距離1メ
ートルも無い状態でもいきなりウィンカーだしてシャッと1秒もせずに隣のレー
ンに入るんです。もちろん後ろの車からはがんがんクラクション鳴らされました
よ。当たり前ですよ。ふざけんなの極地ですよ。あと矢印信号を見てないんで
す。信号青になっても、右折の矢印信号は赤のままで、僕らは右折待ちで、赤
なのにいきなり発進して、対抗車線の車からこれでもかっていうくらいクラクシ
ョンをバーバー鳴らされて、それでもぜんっぜんこりてないんです。
結局、信号無視一回、矢印信号無視3回、一時停止線を減速すらせずにその
ままぶっちぎりで通過が数え切れず・・・・・
クラクション6回。左折なり右折なりの道路を通過、ないし目的地の建物を通
過が多分10回以上。なにしろ前の車が減速したら自分も減速する、前の車と
の車間距離を保って走るという当たり前の感覚を持ち合わせていないので、
「この道を左よ」とか言われても、曲がれるスピードじゃないんです。
もう後部座席はまるでミキサーの中に突っ込まれたような状態。乗り心地なん
てあったもんじゃない。でもこのMは事故らなければそれでOKとでも思ってる
んでしょうね。なんの反省もない。俺は復路でかなり厳しく怒ったんですけど、
それでもブレーキのタイミングだけは治らず。相変わらず停止寸前で急ブレー
キ&停止しきれずに右車線に突然車線変更&クラクション&停止線は余裕で
オーバーという違反だらけのドライブは続いて・・・・こいつはいったん事故って
生死の堺をさまよわなければこのは滅茶苦茶な運転は治らないなと思いまし
た。なにしろこのMの運転はまさにMの日常の性格がそのまま反映されてい
るんです。ちょっとやそっとじゃ治らないでしょう。でもいいです。
こっちはほんとに頭にきてるので、もう二度と彼女の運転する車には乗らなけ
ればいいだけの話です。生きててよかった~。
無事故無違反で生還できたのが奇跡に感じられます。
確かに往復4時間以上運転してもらったというのは、お疲れ様・・・・・
なんでしょうけど、労をねぎらう気持ちにはなれないですね・・・・・・
ドクター・ヤニスはとても温厚なドクターで、ださいジーパンにださいスニーカーという
「アメリカン」な雰囲気をもった僕にとっては親しみやすいドクターでした。
診断書を見せ、上半身の服を脱ぎ、ドクターが心音を確認しました。
結果、彼の診断ははなんでもないよ、というものでした。
「君の場合、毎日馬に乗って体を駆使していて、さらにジョギング、腹筋、配筋、
腕立て伏せ、スクワットといったフィットネスもほぼ毎日おこなっている。
タバコもすわないし、メタボリックな体という訳じゃない。つまりこれは
ちょっとしたアスリートとみなすべきだと思う。心拍数が38だったと書いてあるが、
私は若い頃アマチュアのスキープレイヤーだったんだけれども、その時分の
私の心拍数も30台だったし、私の兄はニュージーランドのアマチュア
スキーのクロスカントリーチャンピオンなんだけれども、彼はいまだに
30台を保持している。つまり、体を鍛えている人に限って、心拍30台は
なにもイレギュラーではない。この診断書を書いたERのドクターはひどいね。
マニュアル通りの所見で、マニュアル通りの処置を施しただけ。肝心の
患者の体を見ていない。書類しか見ていない。これではだめだ。お気の毒だ。」
しかし一つ問題なのは、このままでは労災がおりないということでした。
なにしろ、馬上で突然「心臓発作」を起こした人間に対してなぜニューサウスウェルズ州
の競馬執行委員会が治療費を肩代わりしなければならないのか、と。落馬や作業中の
公傷であれば労災がおりるんですけど、僕のケースはこのままだとかなり難しいようでし
た。3週間前の落馬のショックと、今回の心臓発作の診断をなんとか無理矢理に
因果関係で結びつけておろす手はずだったらしいのですが、難航しているということを
エージェントから聞かされていました。2500ドルなんて絶対払いたくない!!
するとドクター・ヤニスが素晴らしい決断を下しました。
「3週間前の落馬による負傷が今回の筋違いに関係している可能性は
高い。でもこれを証明する手立てがない。だったらちょっと落馬した日付を
変えてしまおう。君は筋違いを起こした日に落馬したことにするから、
それで通そう。これが一番シンプルだろ?こんな愚かな診断で2500ドルも
請求されるのは馬鹿げている。」
ドクター、間違いない。それだよ。
主治医を時分に改め、書類に「訂正」を加えていくドクター・ヤニス。素晴らしい。
お役所的な仕事しかできなかったERの入っている国立病院とはえらい
違いだ。後日競馬執行委員会のオフィサーから事実確認の電話がかかってくるそうで、
「今言ったとおりに証言するように。それですべてうまくいく。」
素晴らしい。この馬鹿げた茶番もこれでおしまいです。
お役所仕事しかできないドクターの診断書に振り回されつつも、柔軟な対応の
ドクターに救われた今回の心臓発作騒動でした。心臓はなんでもありません。
もう昨日から馬乗ってます。心臓も肩も痛くないけど、腰と背中が痛いです(゜∀。)