シロクマックスのアラフォー、ぼちぼちアメリカ生活

アメリカ生活のあれこれをつれずれに書いてます。
移住して8年、ぼちぼちやってます。

ジョン・ヴェラスケス騎手、ロイヤルアスコット開催にてアニマルキングダムに騎乗決定

2013-04-29 | アメリカ生活のあれこれ

ジョン・ヴェラスケス騎手は2011年のケンタッキーダービー馬のアニマルキングダムがイギリスに遠征した際に、同馬に騎乗することになりました。アニマルキングダムがキャリアの最後として挑む、6月にイギリスにて行われるロイヤルアスコット開催のG1レースに騎乗します。

「ジョニーは他のどのジョッキーよりもこの馬のことを知っているからね。それに彼はすでにロイヤルアスコットにて成功を収めている」

とトレーナーのグラーム・モーション氏は言います。

「彼はすでにロイヤルアスコット開催にて勝利しているから、もし我々が1マイルのレース、クイーンアンステークス(Eng-G1)にアニマルキングダムを出走させることになった場合は彼の経験が生きてくるからね。」

ヴェラスケス騎手はかつて2000年、2001年そして2011年にロイヤルアスコットにて騎乗したことがあります。ヴェラスケス騎手はアニマルキングダムには2012年の2月にフロリダ州のガルフストリームパーク競馬場にて行われたアローワンスレース以来騎乗していません。ドバイワールドカップではジョー・ロザリオ騎手が同馬を勝利へと導きました。チームヴァロールの共同オーナーであるアーウィン・バリー氏はヴェラスケス騎手のロイヤルアスコット開催における経験値が決断の決めてだったと語っています。

「今現在のアメリカ競馬において、ジョーより素晴らしい騎乗をするジョッキーはいません。」

アーウィン氏は言います。

「我々はジョーは比類なき素晴らしいパフォーマンスをドバイワールドカップで見せてくれたと考えています。しかし、(アスコット競馬場の)騎乗経験のないジョッキーがこれまたアスコット競馬場での競馬が初めての馬に乗るというのでは、フェアではないと考えます。」(←この部分の意訳が難しいです・・・直訳になってます)また、決断の理由はヴェラスケス騎手が追い切りのためにロイヤルアスコット開催に先駆けてイギリスへと駆けつけてくれるということもあります。グラーム・モーション師はアニマルキングダムを開催初日のG1クイーンアンステークスと2日目のプリンス・オブ・ウェールズステークスに登録しています。馬の仕上がり具合に合わせてどちらのレース出るかのオプションを設けました。


ストームキャット死亡 storm cat euthanized at age30

2013-04-25 | アメリカ生活のあれこれ

元・米国リーディングサイヤーのストームキャットが4月24日に老衰のためにケンタッキー州レキシントン郊外のオーヴァーブルックファームにて安楽死の処置がなされました。30歳でした。父はストームバード、母はセクレタリアトの繁殖牝馬ターリングアです。ストームキャットはウイリアム・ヤング氏の生産、所有として現役時代にG1ヤング・アメリカステークスに勝利し、1985年のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルにて2着という成績でした。生涯獲得賞金は約57万ドルでした。ストームキャットは1987年に現役から引退し、オーヴァーブルックファームにて種牡馬としてのキャリアをスタートさせました。1988年の初年度の種付け料は3万ドルで、その後20年を同ファームにて過ごし、最盛期には種付け料が50万ドル(1ドル100円として5千万円)にまで上がりました。オーヴァーブルックファームによれば、ストームキャット産駒の総合獲得賞金は127ミリオンドルで、8頭のチャンピオンホースと、プリークネスステークス、ベルモントステークス、ケンタッキーオークスの勝ち馬を排出し、さらに5頭のブリーダーズカップの各レースのウィナーを送り出しました。トータル108頭のステークスウィナーを排出しました。総合種牡馬ランキング首位を2度、2歳ランキングの首位を7度獲得しており、2012年度のブルードメアサイアーランキングで首位を獲得しています。オーヴァーブルックファームによれば、1歳セールにおいて、ストームキャット産駒は延べ462頭が売却され、売却額はトータルで319ミリオンドルを超え、91頭が1ミリオンドル以上の価格で取引されました。ちなみに、比較例として、ストームキャットの祖父であるノーザンダンサーは、延べ52頭が1ミリオンドル以上の価格で取引されました。これはストームキャットにつぐ記録です。

 

<!-- storm cat at overbrook farm -->

 

 




オーストラリアンダービー2013 イッツアダンディール、ロイヤルアスコットへの道

2013-04-16 | アメリカ生活のあれこれ

 


 

 

25戦無敗のブラックキャビアがG1 T.J SMITH ステークスに優勝した同じ日に、シドニーのランドウィック競馬場ではもう一頭ズバぬけたパフォーマンスを見せたイッツアダンディールがいました。このニュージーランド産のハイシャパラル産駒は、オーストラリア競馬史上5頭めとなる、シドニーにおける3歳クラシック完全制覇を成し遂げました。クールモアスタッド所属のアイルランド産の種牡馬ハイシャパラルは、今年のオーストラリアンダービーにおいて、1着馬と3着馬を送り出しました。現在までに7世代を送り出しているこのサドラーズウェルズの後継種牡馬は、42頭のステークス勝ち馬を排出し、うち24頭が重賞ウィナーになります。イッツアダンディールのダービーの勝ち時計は2分33秒49(2400m)です。同馬を管理するニュージーランドの調教師マリー・ベイカーは言います。

「楽勝でしたね?」

「彼はとてもリラックスして後方に待機することができました。シドニーにおける3つのG1勝利はスペシャルと言っていいでしょう。」

イッツアダンディールの次走は2週間後に行われる定量戦のクイーンエリザベスステークス(AUS G1)の予定で、このレースでイッツアダンディールは初めて古馬と対戦することになります。イッツアダンディールの母はザビールの肌のスターリールで、その母は1993年のニュージーランドのチャンピオンホースにしてクラシックウィナーのスターリングになります。



白熊的発言

競馬ファンならこの馬は覚えておくべきです。故障さえしなければ来年の今ごろはイングランドで走っているかもしれません。南半球の12ハロンではもはや彼の敵はいません。さらなる栄光を目指して必ずヨーロッパのターフを駆けると信じています。競馬っぷりがちょっとディープインパクトに似てるかも。


馬の速さを知って美代ちゃん(←ゆうきまさみの作品好き・・分かるかな?)

2013-04-13 | アメリカ生活のあれこれ

今回はちと面白い動画を発見したのでアップします。シロクマックスが以前勤めていたオーストラリアのGai Waterhouse厩舎の追い切り動画です。「追い切り」はオーストラリア英語でfast work(ファスト・ワーク)、アメリカ英語でwork outと言います。 日本でもジョッキーズeyeみたいな企画の映像はありましたけど、なかなか追い切りをビデオにしたのはなかったんじゃないかと思い、拾ってきました。ウェスタンシンボル(画面左)はシロクマックスもよく乗せてもらいました。当時はまだ重賞を勝つ前でしたけど、いい馬だな、と思いながら乗ってました。いつも2着、3着ばかりのちょい足りない馬でしたが、今ではすっかり2400mでG1を狙える馬になりました。ニュージーランド産のハイシャパラル産駒。2400mはうなずけます。

合わせの相手は現在豪国を代表する競走馬のピエロです。昨年度2011-2012年度の2歳G1の3冠馬。これは2歳戦が大好きな豪国といえども同国の競馬史上初の快挙でした。

 


動画をご覧になっていかがですか?特にラストの2ハロンからは本番の競馬一歩手前くらいまで早くなってます。(一杯ではないですけど) あのスピードから落馬したとして、体になにも怪我せずにいられると思いますか?得にジョッキーは体重との勝負です。頭にはコーンフレークみたいなセーフティハット、勝負服はペラペラの紙みたいなかるさで、紙オモツより小さい鞍にまたがってあのスピードです。落ちたら死んでもおかしくないですよね?僕も落馬が原因で左肩が思うように動きません。いまでも180度回すと痛いです。

日本の中央競馬は未勝利戦で一着賞金500万円です。騎手の取り分が賞金の5%ということになってますから、25万円。騎乗手当が5万円だと聞いたことがあります(未確認。間違ってても責任とりません。) では地方競馬はどうでしょうか?高知競馬はCー3組の競馬で「1着」で賞金が10万円。騎手の手取りが・・・・・中央と同じレートなら5千円です。言っときますけど、これ一着ですよ?捻挫骨折当たり前のこの職業。ちょっと前に中央競馬の障害レースの騎手が落馬で眼球が破裂したという記事を読みました。地方競馬なら朝の2時から調教つけて、競馬行って、勝って5千円・・・・・・・それでも地方競馬を潰すなと言えますか?現況の地方競馬は存在そのものが苦痛になっていると考えます。かといってひとつの競馬場を廃止すれば少なくともなん十頭もの現役馬が薬殺処分です。中央とか、地方とか言ってる場合ですか!!日本!!

 

 


ヴェラサーノ、ウッドメモリアルに優勝

2013-04-11 | アメリカ生活のあれこれ

 

 

無敗でウッドメモリアルSを制覇したヴェラサーノと、同レース2着のノーマンディインヴェイションは5月4日にケンタッキー州チャーチルダウンズ競馬場で行われるケンタッキーダービーにて再び対戦することになりました。4月6日にニューヨーク州のアクエダクト競馬場にて行われたウッドメモリアルSを圧勝したヴェラサーノは自身の競走成績を4戦4勝としました。このレース結果にトッド・プレッチャー調教師のアシスタントのマイケル・マッカーシー氏は「オーダー通り」と話しました。この勝利はトッド・プレッチャー師にとっては2010年のエスケンデレーヤ、2012年のジオモロジストに続く3回目のウッドメモリアル優勝となりました。「レースを見てください。ヴェラサーノは他馬を待って仕掛けています。彼は常にチャレンジされる側の馬で、そのチャレンジに答えています。とてもよいプレップレースでした。力を出し切らずに他馬を退けました。」

ヴェラサーノはレッツゴーステーブル、マイケル・テイバー氏、スーザン・マグナー婦人、そしてデリック・スミス氏等の所有馬で、初勝利は1月1日のフロリダ州のガルフストリームパーク競馬場でした。1930年のギャラントフォックスから数えて11頭の競走馬がウッドメモリアルSとケンタッキーダービーの両レースを制覇しています。一番最近の達成は2000年のフサイチペガサスになります。


白熊的コメント

ジョン・ヴェラスケス騎手が向こう正面から何度も何度も股下から後方を確認しているのが映像からわかります。これはおそらく実力馬ヴァイジャックの位置取りを確認していたのだと思います。ヴァイジャックは前走のゴッサムSで素晴らしい勝利を収めた馬で、今ケンタッキーで話題になっている種牡馬イントゥミスチーフの初年度産駒です。イントゥミスチーフはストームキャットの異系血脈ハーラン~ハーランズホリデーのラインを担う新種牡馬で、いきなりKYダービー戦線にこのヴァイジャックを送り出しました。それにしてもヴァイジャックが動くまでヴェラスケス騎手は動きませんでした。相手はこの一頭とおそらく決めていたのではないでしょうか?こういう駆け引きのある競馬は見ていて楽しいです。やはり相手あっての競馬なので、l後方で脚をためるだけためてあとは直線でどこまで・・・・というような競馬はあまり好きではないです。ヴェラサーノはこれでKYダービーに直行です。鍵はやはり本番の10ハロン(2000m)でしょうか。米国の3歳クラシック戦線では、KYダービーより前に10ハロン以上の距離の前哨戦はありません。ほぼ全ての前哨戦が8・5ハロンから9ハロンで行われます。私はこれでいいと思っていて、例えば日本の日本ダービーの前哨戦の青葉賞(芝2400M)も、青葉賞組はダービーを勝てないというジンクスがあるのなら、距離を2000Mに変更してもいいと思います。かつてキングカメハメハはNHKマイルC(1600M)で全力の競馬をして優勝した後に、日本ダービーも優勝しています。間隔は詰まっていても、1600Mの競馬の後ならダービーでも勝ち負けできるとなると、やっぱり12ハロンの競馬、つまり長距離レースは消耗するってことなんでしょうか?