仕事を引退して今月でちょうど1年になる。あっと言う間の1年だった。まだ、充分働ける年齢だったがやむを得ない事情で現役を退くことになった。
引退後の自分の事をあまり考えてなかったので、最初は戸惑いが多かったし、時間の過ごし方もわからず退屈もしたが、最近になってようやく落ち着いた生活を送れるようになったと思ってる。それに引退後新しく始めたボランティア活動にも少しづつ慣れてきたように思う。
しかし、生活のパターンはだいぶ決まってきたが、今一番困っていることが一つある。
それは自分の心がいまだに彷徨ってることだ。日々の生活の落ち着きとは裏腹に、時間が空けば過去を振り返り、自分が歩んできた人生を総括し、いい思い出を心に留めて置きたいのだが、それが未だにできないでいるし、残りの人生をどう過ごしていけばいいのか、はっきりとした道筋を思い描くことができなくて不安だけが心を揺さぶっている。
黄昏の年齢に達し、様々な経験を積み重ねてきた自分は、人間としてそれなりに成長してきたと自負してきたが、この1年間の自分を振り返ると心が脆くて、弱い自分が露わに出てきたようで、恥ずかしいばかりである。
敢えて言うなれば、この一年は自分と言う人間がどんな人物であるかを試された一年であり、その結果は私がいかに人間的に未熟であったかがハッキリした一年であったと言える。
引退から、たった1年であるが、この1年で、これまでとは違う世界を知り、新たな経験もできて収穫も少なくなかった。だが、自分の弱さにも気づかされた1年でもあった。
それだけに、これから生活の糧となるお金も大切にしないといけないが、それ以上に自分が人間として人格を備え、豊かな心を育てて行けるように、より強い意志をもって日々努力を重ねていかないとダメだということを今日改めて心に刻むことができた。
漠然と時間を過ごしているだけの日々もありますが、こんな風に自分を見つめることの出来る人はその前方にある扉を開く能力もあると思います。