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Retro-gaming and so on

ゴルフ

たまに、書いてる本人も「このブログはレトロゲームのブログだ」と言う事を忘れそうになるんで(笑)、アカンな、これは(笑)。

と言うわけで書く。

任天堂「ゴルフ」。ファミリーコンピュータ向けの任天堂謹製14本目のソフトウェアだ。ファミコン発売後10ヶ月くらいでリリースされたソフト。
ファミコン発売1年以内だと、「子供にファミコンを買わせる為」と言うより、「親の財布の紐を緩めるため」、戦略的にオヤジ達にもウケそうなソフトを作る必要があった。
要は「任天堂のゲームセンター向けゲーム」の移植作じゃない「大人向けの」ゲームもそこそこリリースせなアカンかったのだ(これは後にアーケード版が出る)。
この「ゴルフ」もぶっちゃけそう言った一本だ。


マリオそっくりのおっさんがするゲームなんだけど、この辺、任天堂の「したたかさ」が伺える。
このキャラがマリオなのかマリオじゃないか、と言うのは長年議論されてきて、「マリオじゃない」事で決着が付いた、と言う話だが。
ぶっちゃけマリオだろ(笑)。と言うか「そのつもりだった筈」なんだ。
この辺、セガが逆立ちしても出来ない「戦略」が伺えるだろう。要はIPなんだ。
「ビデオゲームならマリオ」と言うネームヴァリューを任天堂が意識しない筈はないんだ。ファミコンソフトで「マリオ」のイメージがすぐ思いつくように任天堂は徹底的に「マリオ」を使う事を意図した筈だ。
「似てる」レベルでも構わない。この辺が「IP使い捨て」のセガと任天堂の意識の差、なんだよ。

一方、「自社ゲームの他社へのライセンス」なんざ基本行わない筈の任天堂なんだけど、まだこの時期はちょっと甘いんだよな。NEC PC-8801とSHARP X1向けにこのゲームをライセンスしてる。
ハードウェアメーカーに気を使ったわけじゃなくって、おそらくこの後にリリースされる「ファミリーベーシック」の共同開発者、ハドソンに気を使った、んだろうな。そう、ライセンシーはハドソンだ。
(ちなみに、オリジナルのファミコン版の開発はHAL研が行っている)


NEC PC-8801版

このゲームが出ておよそ二ヶ月後に、ハドソンがファミコン初のサードパーティとして参戦する。任天堂はファミリーベーシックでのハドソンとの共同作業で、随分とハドソンに便宜を図った、ってのが良く分かるんじゃないか。
(今じゃ信じられないけど、任天堂はファミコンでは「自社制作・発売の」ソフト以外はそもそも認めない方針だったんだ)

余談だけど、このゲームはファミコン黎明期な事もあってムズい(笑)。ボタンを3回も叩かなきゃショットが打てない、ってぇんで、T&Eの3Dゴルフシミュレーションなんかに比べても格段の難しさだ。
っつーか、任天堂ってなんか、マリオなんかのキャラのイメージで「緩いゲームを作る」子供向けゲーム製作者、って誤解されるんだけど、特にこの後の「マリオオープンゴルフ」なんかもそうだけど、実はプレイヤーに容赦ねぇよな(笑)。下手すれば他のメーカーだと「クソゲー」って言われるくらいの難易度のブツを出す(笑)。
何故にクソゲーって呼ばれないのか、っつーと、やっぱそれでも絶妙のゲームバランスに仕上がってるから、だろう。

まぁ、そういったファミコン黎明期の一本だ。


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