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『「サバを読む」の「サバ」の正体』を読む

2016年09月03日 | 折々の読書
 書店で背文字を見て面白そうと買った。
 普段、気になる言葉は多いが、改めて考えることはない。それをまとめて解いてくれているので手間が省けたし、確かに面白かった。
 今までの胸のつかえ(笑)が下りたものも少なくない。例えば、「すぼめる」と「つぼめる」の違い、「あす」と「あした」の違い。『浜辺の歌』の「あした~」は朝のことだったと、気付いた(笑)。

 言葉だから、時の流れで変わっていくのは当然だろうが、誤用が広がるのには抵抗がある。せっかく、辞書やWikipediaがある時代に、誤用だけが洪水のように広がってしまうのは皮肉だ。テレビや、就中、お笑いの影響があるのだろう。
 ただし、平安時代や江戸時代の文献を辿ってみても正確な判断は難しいのではないだろうか。動画でも残っていれば別だが(笑)。古くから誤用や混同はあったようなのだ。若しかしたら、我々は乱れた言葉の総体を引き継いでいるだけなのかも知れない。科学やメディアの発達でそれが顕著に表れているだけと言えるのであれば、まだ心は休まる。

 この本で、いくつもの言葉の使い方が確認できたし、誤って用いていたものにも気づくことができた。さすがはNHK。その点でためになった本である。今さらだが、言葉は本当に難しい。

 NHKアナウンス室編『「サバを読む」の「サバ」の正体; NHK 気になることば』(新潮文庫)、平成26年3月刊.


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