ねじ花

この時期になるとねじ花が恋しい。例年，狭い庭の何カ所に顔を出してくれるのだが，改築で地盤をひっくり返したのでどこにも出ていない。植物を枯らす名人である私には，僅かだが庭に勝手に生えてくる「らん科」の植物は希少種(笑)。日本中どこにでも生えている雑草に近い種類ではあるが，あの螺旋状の淡いピンクの小さい花は可憐だし，植物の多様性を見せつけられる思いがして，年に一度の逢瀬を楽しみにしているのである。

家の狭い土地は重機で全面的にほじくり返され，そうでない僅かな場所も踏みつけられたりで，我が家自生のねじ花属は絶滅したのかと思いきや，一本だけ生えていました。見捨てられて雑草が繁り始めた植木鉢の中に一本だけすっくと伸びているねじ花がありました（写真）。植木鉢には重機もシャベルも手が出なかった(笑)。意外なところで生き延びていました。まさに「ねじ花は残った」(笑)。ちょっと巻きが足らない感じもするが，ねじ花はねじ花。うれしくなりました。
できれば，ねじ花はありふれた野草として誰も見向きもしない花であり続けてほしいと思います。