ベートーヴェンの1番は、音階練習をさせられているようだった。
そういう基礎練習をあまりやらずにきてしまっているので、これを機会に、要所要所を切り取って、きっちり練習に勤しんだ。
そういう練習をしていたら、G線の弦高が低くなっている感じがしたので、メンテナンスをお願いした。
職人さんに見てもらったところ、弦が駒にくい込んで高さが変化しているということだった。
なるほど。
ミリ単位の変化ではあるけれど、弾くと違和感を感じていた原因が確かにあった。
他には特に異常はないということで、駒を削ってバランスを整えてもらって、古い弦も張り替えてもらった。
駒削りには40分くらいかかるとのことであったが、技術料金は2000円。
たいして、弦は一本5760円( Lasen )もする。
専門の職人技に支払われる対価としては、これでは安すぎないか?
帯職人であった師匠も、仕立て代が50年前と変わらず、更に仲介者である呉服屋さんに期限を早めるようプレッシャーをかけられたうえ値切られる始末で、職人に対してのリスペクトがない世の中だと嘆いていらっしゃった。
物価は上がっているのに、働く人への給料が据え置かれたままなんて、おかしい。
人手不足なら、余計に働いている人の価値は上がり、対価も引き上げられるべきなのではないか?