でまち

東京文化会館の楽屋の様子。
ワタシたちは、この廊下の突き当たりのリハーサル室で練習をした。

今日はちょうどロイヤルバレエ団の公演中で、衣装が廊下に所狭しと置かれていた。



練習後は、久しぶりに従姉妹とご飯を食べる約束をしてた。
上野駅の公園改札口目の前の楽屋入り口で待ち合わせ。

ワタシたちが待ち合わせをした時間に、ちょうどバレエのほうも終演。
仕事を終えた東フィルのメンバーや、私服に着替えたバレエダンサーたちが、続々と出てくる。

楽屋口には、一目でそれとわかる多くのバレリーナ少女たちが、憧れのダンサーたちが出てくるのを待っていた。


『そういえば、アタシたちもこうやって出待ちしたよね？小学３年くらいだった？それこそ、ここ（文化会館）じゃなかった？』

「たしか、ボリショイバレエ！わけわかんないまま、サインしてもらったよね(笑)」

「出待ち」をしようと提案したのは伯母だった。アタシたちは、別にバレリーナだったわけじゃないけど、「赤い靴」に憧れて、よく二人して白鳥の湖の４羽の白鳥を踊る遊びをした。

初めて身近にみる外国人バレリーナたちが、アタシたちが手にしていたプログラムのなかに自分の顔写真を見つけてサインをしてくれた。
中には、「ボクはここに載ってないんだ」とテレながら、余白にサインしてくれた人もいた。


従姉妹とアタシが共有している遠い日の懐かしい思い出。