マッソー風キツネのシチュー
若いキツネを誘き出して、料理には用のない頭をただ一発で仕留めること。食べる肉の部分に散弾が入っていると、歯が欠けて、腹痛を起こす危険がある。マッソーはここで口を開け、自分の歯が二本欠けているところを見せた。
キツネの皮を剥ぎ、陰部を切り取る。マッソーは自分の股間に手刀をふるう真似をし、さらに、押したり引いたり捩じったり、真に迫った手ぶりで臓物を抜くところを演じた。
皮を剥ぎ終えた肉を冷たい流水に一昼夜漬けて臭みを抜く。水を切り、袋詰めにして夜干しにする。できれば霜の夜がいい。
翌朝、その肉を鋳物のキャセロールに入れ、血とワインをよく混ぜてひたひたにかける。ハーブ、タマネギ、ニンニクの塊を加え、一日二日とろ火で煮込む。(マッソーは、煮込む時間はキツネの年齢や大きさによって変わるのではっきりとは言えないと弁解した。)
以前はこれにパンと茹でたジャガイモを添えて食べたが、今はディープ・ファット・フライヤーなどの便利な道具があるので、ポム・フリットを付け合わせにすることもできる。
イギリスの広告マンだったピーター・メイルが、ロンドンを離れフランスのプロヴァンスへ移住した紀行文『南仏プロヴァンスの12か月』の一節です。
主人公が南仏に引っ越してきて、出会った近所の住人マッソー・アントワーヌと最初に会った時の話です。マッソーは村ではちょっと嫌われ者だと噂を聞いていたが、出会ってすぐにキツネの料理の仕方を丁寧に真剣にジャスチャーを交えて話すマッソーに何かしら興味を持った。後でこの話は眉唾ものだと知ったが、これからマッソーからもっと面白い話が聞けそうだと田舎暮らしの楽しさを実感します。
素朴ではあるが個性的な村の人を紹介しながら、豊かな自然、料理とそしてワインの話を取り入れてほんとうの生活、生きる歓びとは何かを問う紀行文です。
☆南仏育ちのシャルドネ姫とお友達
キツネの料理方法を話す前に、主人公とマッソーはこんな会話をしていた。
「イギリスじゃあ、キツネは食わないのか?」
「ああ、たべないねえ。イギリスでは、赤い服を着て、犬たちをけしかけて、馬で追ってキツネの尻尾を切り落とすんだ」
「イギリス人のやることはわからない」
フォックス・ハントというイギリス貴族のスポーツで、逃げ回るキツネを見て楽しむ娯楽のようだった。(※2005年に禁止)フランス人の生き物に対する文化は殺したら命を食べるというところにあるようだ。ウサギやイノシシの話も出てくる。
☆BEAU VIGNAC 2016 / Les Costieres de Pomerols
今宵のシャルドネ姫は、南フランスの太陽を浴びて育ったせか、黄金色の輝きには眩しさがある。ピーチの甘い香りを放ち、口に含むと柔らかい酸味とともに桃、パイナップルのテイスト。余韻がネクタリンで最後まで楽しませてくれるシャルドネ姫です。
☆ボラのカルパッチョ
ちょっと癖のある味のボラ。河口とか内湾に生息しているせいか淡水魚の土臭い風味を感じることが多い。でもこのボラは鯛の皮の部分のような脂の味がする。これが好きか、嫌いかは人の好みで、自分は好きです。そして、トロピカル的なシャルドネ姫とは腕を絡ませてジャンプする勢いです。※ボラはよく水面をジャンプします。よく釣りました。
ボラの旨味と姫の核系のフルーツ味がみごとバッチシ!
☆さわらの三角揚げ
「さわらの三角」というのは、カジキマグロの背びれをささえる骨と筋肉のあたりらしく、背びれをはずすときに「三角」に見えることから呼び名がついたらしいです...居酒屋で注文するけど知らなかった。
この三角をにんにく、しょうが、しょう油、みりんを合わせたたれに漬け込んで、片栗粉をまぶしてあげました。そして、鶏の手羽元のようにむしゃぶりつきました。
シンプルに姫とのランデヴー成立。余韻はネクタリングで海に浮かんでいる心地。
☆トマト・ラーメン(Nissin)
手抜きをして、日清のトマト・ラーメン。
トマト・バジル風味、そこにパクチーを刻んでトッピング。
シャルドネ姫は、バジル同様パクチーも大好き。普通にOK!!!!!
プロヴァンスでは石を投げればグルメにあたる。知恵の真珠は時に思わぬところから湧いて出る。ある国では人々はスポーツに熱狂し、また、ある国では政治に夢中になる。それと同じで、フランス人が料理に情熱を燃やすことを私たちは思い知らされていた。とはいうものの、床磨きのムッシュー・バニョーが星三つのレストランに軒並み辛い点をつけていると聞いたときはいささか驚きを禁じ得なかった。彼はニームからやって来た渡りの職人で、石の床を砂で磨く仕事をしているが、知り合ったはじめから、料理には一家言あるうるさ型と見受けられた。毎日、正午きっかりに彼は仕事着のオーバーオールを脱ぎ捨てて身支度をととのえ、土地のレストランへ出かけてたっぷり二時間を昼食に当てる。
『南仏プロヴァンスの12か月』は、ロンドンを離れ、プロヴァンスの素敵な風景やそこでの生活。そして、そこで暮らす人たちの生きていく姿を描いている。上記の文のように料理を食べることに情熱を燃やし、時には星のついたレストランに食べに行っている人など、生きることを楽しんでいる興味深い人たちを紹介している。
情熱の矛先は人それぞれに違うのは当たり前、でもこの本で描かれている人たちは、自分の情熱と同じ速度で生活をしているようだ。それが生きる歓びなのかなぁ~。
♪My Life / Billy Joel
My Life【訳詞付】- Billy Joel
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