シャルドネに恋をして

一房の葡萄に恋をした酔っぱらいの一人言

ビヂテリアンは、賢治の心の優しさ

2019-04-23 23:07:41 | シャルドネ

   『折角鳥に生れて来ても、

  ただ腹が空いた、取って食う

  睡くなった、

  巣に入るではなんの所詮もないことじゃぞよ。

  それも鳥に生まれてただやすやすと生きるというても、

  まことはただの一日とても、

  ただごとではないのぞよ、

  こちらが一日生きるには、

  雀やつぐみや、たにしやみみずが、

  十や二十も殺さなければならぬ』

        ~宮沢賢治の『二十六夜』より

 

   私の一番好きな宮沢賢治の小説『二十六夜』の一節。

 賢治の”思い”が詰まった小説であり、

 この”思い”とは「かなしみ」で、

 食物連鎖の「かなしみ」

 生きていくために、生きているものを食べなければいけない「かなしみ」

 そして、食べられる「かなしみ」を

 肉食鳥獣のフクロウの社会を舞台に語っており、

  賢治の心の優しさがあふれている。

 

 今宵のシャルドネ姫は自然派ワイン、

 お供はベジタリアン調で…

 

☆自然派シャルドネ姫とベジタリアンの仲間たち

 

 『私は春から生き物のからだを食うのをやめました』

 賢治のビヂテリアン宣言である。

 

 賢治の言う「ビヂテリアン」は「ベジタリアン」のことである。

 そもそも「ベジタリアン」とは何かである。

 ベジタリアン=菜食主義=野菜を食べて生きる人、のイメージですが、

 根本はラテン語のvegetus(活発な、力強い)が語源で、

 「森羅万象すべていきいきと元気でなければいけない」を意味しており、

 菜食文化研究家の鶴田静さんは

 「生命を直接奪うことで得る食べ物をとらない者」と本に書いている。

 

 ☆Perrieres Les Vieilles

  フランスはブルゴーニュ生まれのシャルドネ姫。

 造り手はジェローム・ギシャール氏。 馬を使って畑を耕しすべて手作業でブドウを育て、収穫しているらしい。自生酵母菌で発酵、樫の木樽を使いシュール・リー熟成。酸化防止剤無添加の自然派ワイン。

 オレンジがかった輝き、濃いハーブの香り...ミントを濃縮...昭和生まれの臭覚ではサロンパス...口に含むと、蜂蜜の甘み...余韻がなぜかセメンダイン。謎の多いシャルドネ姫。

 

 

☆おぼろ豆腐のケッカソース

   おぼろ豆腐をトマトとオリーブオイルで作ったケッカソースで仕上げました。

 手間といえばトマトを湯剥きするぐらいで。超簡単で美味しい一品。

 クリーミーなおぼろ豆腐とトマトの甘みと酸味、そしてマイルドに包み込むオリーブオイル。すべてシャルドネ姫と美味しさが手をつないで口の中がご満悦!

 

 

☆サーモンの人参ヌードル・サラダ

  人参をピーラーで太めにスライス。サーモンと一緒に塩、オリーブオイルであえて、醤油を少したらしクレソンを添えてのサラダ。

 ニンジンヌードルでサーモンをくるんで食べるとサーモンの脂身が全く気にかからず、クレソンンの辛みがアクセントで美味しさ倍増、そこにシャルドネ姫が参加すると倍満の美味しさ♡

 

 

 

☆なばなのパスタ

  なばなを軽く塩ゆでをして、ニンニクとオリーブオイルで作るアーリーオーリオ・ペペロンチーノ。パスタ麺はDececcoの1.6mm。

 ハーブの香りがあふれるシャルドネ姫との相性がバッチシ、ご満悦。

 

 

  ベジタリアンの父と言われたピタゴラスは

 『人間の魂は動物の中に入る

  そこにはわれらの親や兄弟や、絆で結ばれた者たちの魂が宿っているかもしれない』

 と言っている。輪廻転生。

 

  冒頭に記した賢治の「かなしみ」を鶴田静氏は3つの「かなしみ」でこう語っている。

  『他者を食べなければならない悲しみ

   食べさせて、生きさせてくれるものへの愛しみ(かなしみ)。

   食べるものと、食べられるものへの哀しみ。』

 

 生きるもの、命はひとつ。

 ですよね。

 

 命を食べる、食べないもあるけど、

 生きている物のすべての命を大事にですよね。

 それを伝えているのがこの歌ですね。

     ♪いつか冷たい雨が / イルカ