8月30日(火)暁月の夜 ハワイ
風さんはルーモを背中に乗せて太平洋上空を吹く南東貿易風に乗りました。そして、次に目指すのはハワイです。ハワイはいくつかの島からできています。火山活動でマグマを噴出しているキラウエア火山は有名です。日本の富士山よりも高い4170mのマウナロアという山もあります。
風さんとルーモはハワイ島の大地に流れるマグマを上からながめました。赤からオレンジに光り、周囲の煙を紫色に染める景色はとても幻想的です。ルーモにはこれまでみた何よりも神秘的な風景でした。じっと見つめていると吸い込まれそうです。
すさまじい力強さ。なんの混じりけもなく、すべてがそこにあるという気がします。地球のお腹、深いところからマグマを吹き出し、それはこうして今も大地を作り続けています。地球という星の偉大さを感じずにはいられません。
風さんとルーモが火山上空を漂っていると、グオァという大きな音と共に目の前にマグマが吹き出しました。マグマは、オレンジ色の龍に姿を変えルーモと風さんを真正面から睨みました。それから目を反らすことも逃げることもできず、魔法にかかったように固まってしまいました。そのオレンジ色の龍の眼の中に二人は強い強い光を見ました。触れたら熱くて溶けてしまうはずのマグマに吸い込まれ、すっぽりと包まれました。熱くもないし何も感じません。すると、どこからか声が聞こえます。これはマグマの龍が語っているのかもしれないし、別の何か、もしかしたら宇宙の大いなる存在の声かもしれません。
「世界を旅した風と妖精…
世界の広さと美しさ、命の息吹、この星と宇宙の壮大さ、素晴らしさ、不可思議さ…、人の心の柔らかで繊細な周波数…。
そこに触れ目覚めたエネルギーは次のステージへと進む倣い。
妖精の願いは進化の証、
妖精を愛した風の祈り、
今聞き届けた。
今こそ、その階層から出でよ !新たな扉へとすすめ!」
そんな叫びを頭のどこかで聴きながら、
二人は、どんどん温かく包まれて気持ちよくなっていきました。ゆらゆら揺れているような不思議な気分です。それから、オレンジ色だったはずの周りが、少しづつ暗くなり、やがては四方八方満点の星空、宇宙空間になっていました。そこで二人はすでにルーモでも風さんでもなく一体になってゆらゆらと揺れています。
でも、二人の考えはまだ今までのように語り合うことができましたので、ルーモは風さんに話しかけました。
「私たちどうしたの?これからどうなるの?これは夢?」
「心配することはないさ。もう前には戻れないかもしれないけど」
ルーモは少し不安になりましたが、風さんが一緒だと思えば気持ちが軽くなりました。
「さっきの声は何だったの?」
「たぶん、テラの声だろう。きみの願いが叶ったんだよ。」
「私の願い?」
「人間になれるのさ。願っただろう?」
「テラはなぜ叶えてくれた?」
「さあ…?」
ルーモはあの声の大事なところを聞き逃していました。
(妖精を愛した風の祈り、聞き届けた)
ルーモは、直感でこれから始まる新たな力強いパワーを感じました。
ルーモの願いはルーモだけのものではなく、大きな大きなテラの愛の力とつながっているのでした。
人間になるということは、そういうことなのです。
テラは「愛」の周波数に呼応するのです。
「愛」を持ったものしかこの世界には生まれては来れない。
そして、テラが感じ取った「愛」は、ルーモだけでなく風さんのルーモへの深い想いでした。
風さんはルーモを背中に乗せて太平洋上空を吹く南東貿易風に乗りました。そして、次に目指すのはハワイです。ハワイはいくつかの島からできています。火山活動でマグマを噴出しているキラウエア火山は有名です。日本の富士山よりも高い4170mのマウナロアという山もあります。
風さんとルーモはハワイ島の大地に流れるマグマを上からながめました。赤からオレンジに光り、周囲の煙を紫色に染める景色はとても幻想的です。ルーモにはこれまでみた何よりも神秘的な風景でした。じっと見つめていると吸い込まれそうです。
すさまじい力強さ。なんの混じりけもなく、すべてがそこにあるという気がします。地球のお腹、深いところからマグマを吹き出し、それはこうして今も大地を作り続けています。地球という星の偉大さを感じずにはいられません。
風さんとルーモが火山上空を漂っていると、グオァという大きな音と共に目の前にマグマが吹き出しました。マグマは、オレンジ色の龍に姿を変えルーモと風さんを真正面から睨みました。それから目を反らすことも逃げることもできず、魔法にかかったように固まってしまいました。そのオレンジ色の龍の眼の中に二人は強い強い光を見ました。触れたら熱くて溶けてしまうはずのマグマに吸い込まれ、すっぽりと包まれました。熱くもないし何も感じません。すると、どこからか声が聞こえます。これはマグマの龍が語っているのかもしれないし、別の何か、もしかしたら宇宙の大いなる存在の声かもしれません。
「世界を旅した風と妖精…
世界の広さと美しさ、命の息吹、この星と宇宙の壮大さ、素晴らしさ、不可思議さ…、人の心の柔らかで繊細な周波数…。
そこに触れ目覚めたエネルギーは次のステージへと進む倣い。
妖精の願いは進化の証、
妖精を愛した風の祈り、
今聞き届けた。
今こそ、その階層から出でよ !新たな扉へとすすめ!」
そんな叫びを頭のどこかで聴きながら、
二人は、どんどん温かく包まれて気持ちよくなっていきました。ゆらゆら揺れているような不思議な気分です。それから、オレンジ色だったはずの周りが、少しづつ暗くなり、やがては四方八方満点の星空、宇宙空間になっていました。そこで二人はすでにルーモでも風さんでもなく一体になってゆらゆらと揺れています。
でも、二人の考えはまだ今までのように語り合うことができましたので、ルーモは風さんに話しかけました。
「私たちどうしたの?これからどうなるの?これは夢?」
「心配することはないさ。もう前には戻れないかもしれないけど」
ルーモは少し不安になりましたが、風さんが一緒だと思えば気持ちが軽くなりました。
「さっきの声は何だったの?」
「たぶん、テラの声だろう。きみの願いが叶ったんだよ。」
「私の願い?」
「人間になれるのさ。願っただろう?」
「テラはなぜ叶えてくれた?」
「さあ…?」
ルーモはあの声の大事なところを聞き逃していました。
(妖精を愛した風の祈り、聞き届けた)
ルーモは、直感でこれから始まる新たな力強いパワーを感じました。
ルーモの願いはルーモだけのものではなく、大きな大きなテラの愛の力とつながっているのでした。
人間になるということは、そういうことなのです。
テラは「愛」の周波数に呼応するのです。
「愛」を持ったものしかこの世界には生まれては来れない。
そして、テラが感じ取った「愛」は、ルーモだけでなく風さんのルーモへの深い想いでした。