クリスマスイブに彼と会わないと決めたのは理由があった。
2人とも繁忙期だったから、
早めに帰るのは理由が必要だったのだ。
何たって12月は忙しい!
先週は今月中に終わらせたい事が山積みで、
夜中にようやく自分の時間があれば御の字。
定時に帰れた日なんて、今月なかったと思う。
クリスマスが特別でワクワクするとか素直に言い出せなくなったものの、
やっぱり、その日に会いたい気持ちは私にだってある。
でも、だ。忙しい日に早く帰るという目標が出来ると気忙しくなり焦ってしまう。
2人とも全く器用じゃない。
焦ったら逆にミスってしまいそうだ。
そうなれば帰るのは遅くなり、目的と逆行する。
色々話し合った結果、「土曜のクリスマスが本物だ。」という答えを2人で決めて、
土日にのんびりする事に決めた。
…のが先週だっただろうか?
蓋を開けてびっくり、
忙しい中でも早め早めを目標に仕事を仕上げてきた結果、
イブに定時に帰れるではないか!
今更連絡する???
いや、でも彼だって忙しいとか言ってたし、
飲み会とか金曜日だしあるのかな?
クリスマスイブだし流石にない?
みんなどう過ごしてんのかな?
そもそも、明日会うんだし…どうしよう
考えがまとまらなくなりそうだったが、
連絡しても、返事がなければさっさと帰宅すれば良いのだ。
そう思ってメッセージを送った。
「お疲れ様。何と定時に終わったよ!
お仕事遅くなりそう?頑張ってね。」
よし、なんとなく疑問文も入れたけど、
最後にはしなかったから返事なくても自分的にセーフ。
そんな事を考えつつ送った。
「お疲れ様」
?????
即返事が来る。
連絡可能なのかと思い、電話してみると即繋がった。
「あれ?電話できる?」
「うん」
「お仕事終わったの?」
「うん、終わった」
「そうなの?私も終わったんだよ。」
「あ、それでさ、ケーキ貰ったんだよね」
「ケーキ?」
「うん、なんか会社がケーキくれたんだよね。」
「へー、どんな?」
「いや、本当普通〜の。クリスマスケーキ」
「ホールの?」
「ホール」
「え〜すごい」
「うん、本当クリスマス仕様のヤツ」
「そうなんだぁ。じゃあ明日一緒に食べよう…」
「明日…」
「ケーキいつまで?」
「今日までだよ」
「だよねぇ」
「今日の方が美味しいと思うよ」
「だよね〜」
「もう帰れるんでしょ?…会おうよ」
「うん、会う」
「それじゃあさ…」
彼が夕飯はどうする?というから、
私はまた嬉しくなって、夕飯をどうしようかな?と思った。