テレビドラマシリーズ『ガリレオ』の劇場版。
テレビドラマを映画化すると
セットや撮影場所がすごいだけで
内容は意外とつまらなかったりするのが多いけど
これはおもしろかった。
一応、殺人事件を解決するサスペンスです。
堤真一演じる石神の計画は完璧でした。
天才数学者の誤算のない完璧な計画の唯一の誤算は。。。
完全犯罪を通して人間ドラマがちゃんと描かれていて
なかなか深いです。
湯川と石神、石神と花岡の関係など、最後まで良かったです。
途中で石神がストーカーと化してしまうように
思えるような場面が迫力。
そして殺人を偽装するためにもうひとつの殺人をしてしまう
天才・数学者の乾いた精神
静かに淡々と進む中にも鬼気迫るものがありました。
ドラマのような小気味よいテンポで
湯川が事件を解決するということはなかったけど
これが逆に数学者の一途な思いを見事に表現していたかと思います。
先日観た「クライマーズ・ハイ」の時も思ったのですが
鈍くさいその辺の中年オヤジを演じさせたら
やっぱりピカイチな堤 真一(ごめんなさいね)
数学だけが取り柄で不器用な生き方しかできない石神の
微妙な表情の変化などを繊細に表現されてました。
エリート的な存在の湯川と対照的な不器用な泥臭い雰囲気の石神
彼だからこそ表現できた世界じゃないでしょうか。
ドラマのようなストーリーで
脇役的な存在で登場させてしまったら
完全につまらないものになっていたと思います。
テレビドラマを観ていた人も観ていなかった人も
楽しめるものだと思います。